680円
スカラのニュース
日経平均は続伸。167.08円高の23371.70円(出来高概算5億8836万株)で前場の取引を終えている。先週末25日の米国株式相場は続伸。ダウ平均は358.52ドル高の27173.96ドル、ナスダックは241.30ポイント高の10913.56ポイントで取引を終了した。欧米の一部で新型コロナウイルスが再び拡大していることに加えて、予想を下回った8月耐久財受注速報値を嫌気し寄り付き後に下落した。その後、追加経済救済策の早期成立への期待が再燃し上昇に転じ、引けにかけてはハイテクの上昇も後押しし上げ幅を拡大した。
米国株高を受けた今日の東京株式市場は買いが先行した。今日は9月末の配当や株主優待の権利付き最終売買日に当たり、配当や優待の権利取りの買いや、指数連動型ファンドによる配当金再投資の先物買いも指摘され、株価の下支え要因となった。一方、キオクシアHDの上場延期や、米商務省による半導体受託生産の中国SMICへの輸出規制報道など、米中対立激化のニュースが株価の重しとなったが、前場を通して概ね買いが優勢となった。なお、今日はrakumo<4060>がマザーズに上場した。前場は買い気配で終えており商いは成立していない。
個別では、21年2月期業績予想を上方修正したキャリアリンク<6070>がストップ高買い気配となり、同じく業績予想を上方修正したジュンテンドー<9835>、ハイマックス<
4299>、日本精化<4362>が上げたほか、コンサルティング事業を手掛けるPdC社と業務提携し自治体でのデジタル化を支援すると発表したスカラ<4845>が16%を超す大幅高となった。また、未定としていた21年3月期連結営業利益が前年同期比3.2%増予想と発表したビジ太昭<9658>が上げた。
一方、6月末に100億円超の債務超過と報じられたレオパレス21<8848>、第1四半期連結営業利益が前年同期比97.4%減となったミタチ産業<3321>が10%を超す大幅安となり、公募増資検討報道受けて希薄化懸念など強まったANA<9202>、キオクシアHDの上場延期で株式売出し中止を発表した東芝<6502>が下げた。
セクターでは、パルプ・紙、その他製品、精密機器、鉄鋼、機械などが値上がり率上位。一方、空運業、海運業、石油石炭製品、鉱業が値下がりした。東証1部の値上がり銘柄は全体の70%、対して値下がり銘柄は25%となっている。
上述のように、先週末から今朝にかけて、米中のハイテク摩擦に絡むニュースがいくつか伝わった。少し見ておこう。まず、今朝正式に発表されたキオクシアHD(旧東芝メモリHD)の上場延期。中国ファーウェイ向け事業の先行き不透明感が理由と報じられている。また、今朝の日本経済新聞では、米商務省による半導体受託生産の中国SMICに対する輸出規制の動きも伝えられた。
ファーウェイグループの19年売上高は約13.3兆円。このうち5Gなど通信ネットワーク事業は約4.6兆円。これは日本の代表的な通信機器メーカーであるNEC<6701>の20年3月期連結売上収益(売上高)3.0兆円を凌駕する。スマートフォンの出荷台数は2.4億台で個人向け端末事業の売上高は7.2兆円に上り、ソニー<6758>の20年3月期売上高及び営業収入8.2兆円に迫る。また、SMICは半導体受託生産の中国最大手企業で売上高は約3300億円だ。
米国による規制などで、ファーウェイ向けや中国半導体企業向けの売上げや、ファーウェイや中国半導体企業自身の売上げが万一減少しても、これらの売上げが世界から消失するわけではない。巨大なファーウェイ事業や中国の半導体生産を、どこかの企業が代替することになる。日曜日の日本経済新聞1面トップでは、米連邦議会が半導体の国内生産を促すため新たに250億ドル(約2兆6000億円)規模の補助金を投じる検討に入ったとも報じられている。
一連のニュースからは、ファーウェイや半導体企業など中国ハイテク事業の規模縮小と、その代替需要の取り込みという米国の意図が浮かび上がる。近い将来、米中ハイテク摩擦の産物として目の前に中国企業を代替するための巨大な市場が現れるのかもしれない。陣取り合戦はすでに始まっている可能性もあり、対応には一刻の猶予も許されない。日本企業のみならず、菅政権を含めこの事態にどう立ち向かうのかが問われよう。
さて、後場の東京株式市場で日経平均は底堅く推移しそうだ。引き続き9月末の権利取りの買いが株価を下支えしそうなことに加え、大引けにかけては指数連動型ファンドによる配当金再投資に絡む先物買いも予想される。ただ、上述のように米中対立激化懸念が強くなっていることに加え、9月末権利落ちとなる明日以降の需給の緩みを警戒する向きもあり、上値は限定的となりそうだ。
(小山眞一)
<AK>
米国株高を受けた今日の東京株式市場は買いが先行した。今日は9月末の配当や株主優待の権利付き最終売買日に当たり、配当や優待の権利取りの買いや、指数連動型ファンドによる配当金再投資の先物買いも指摘され、株価の下支え要因となった。一方、キオクシアHDの上場延期や、米商務省による半導体受託生産の中国SMICへの輸出規制報道など、米中対立激化のニュースが株価の重しとなったが、前場を通して概ね買いが優勢となった。なお、今日はrakumo<4060>がマザーズに上場した。前場は買い気配で終えており商いは成立していない。
個別では、21年2月期業績予想を上方修正したキャリアリンク<6070>がストップ高買い気配となり、同じく業績予想を上方修正したジュンテンドー<9835>、ハイマックス<
4299>、日本精化<4362>が上げたほか、コンサルティング事業を手掛けるPdC社と業務提携し自治体でのデジタル化を支援すると発表したスカラ<4845>が16%を超す大幅高となった。また、未定としていた21年3月期連結営業利益が前年同期比3.2%増予想と発表したビジ太昭<9658>が上げた。
一方、6月末に100億円超の債務超過と報じられたレオパレス21<8848>、第1四半期連結営業利益が前年同期比97.4%減となったミタチ産業<3321>が10%を超す大幅安となり、公募増資検討報道受けて希薄化懸念など強まったANA<9202>、キオクシアHDの上場延期で株式売出し中止を発表した東芝<6502>が下げた。
セクターでは、パルプ・紙、その他製品、精密機器、鉄鋼、機械などが値上がり率上位。一方、空運業、海運業、石油石炭製品、鉱業が値下がりした。東証1部の値上がり銘柄は全体の70%、対して値下がり銘柄は25%となっている。
上述のように、先週末から今朝にかけて、米中のハイテク摩擦に絡むニュースがいくつか伝わった。少し見ておこう。まず、今朝正式に発表されたキオクシアHD(旧東芝メモリHD)の上場延期。中国ファーウェイ向け事業の先行き不透明感が理由と報じられている。また、今朝の日本経済新聞では、米商務省による半導体受託生産の中国SMICに対する輸出規制の動きも伝えられた。
ファーウェイグループの19年売上高は約13.3兆円。このうち5Gなど通信ネットワーク事業は約4.6兆円。これは日本の代表的な通信機器メーカーであるNEC<6701>の20年3月期連結売上収益(売上高)3.0兆円を凌駕する。スマートフォンの出荷台数は2.4億台で個人向け端末事業の売上高は7.2兆円に上り、ソニー<6758>の20年3月期売上高及び営業収入8.2兆円に迫る。また、SMICは半導体受託生産の中国最大手企業で売上高は約3300億円だ。
米国による規制などで、ファーウェイ向けや中国半導体企業向けの売上げや、ファーウェイや中国半導体企業自身の売上げが万一減少しても、これらの売上げが世界から消失するわけではない。巨大なファーウェイ事業や中国の半導体生産を、どこかの企業が代替することになる。日曜日の日本経済新聞1面トップでは、米連邦議会が半導体の国内生産を促すため新たに250億ドル(約2兆6000億円)規模の補助金を投じる検討に入ったとも報じられている。
一連のニュースからは、ファーウェイや半導体企業など中国ハイテク事業の規模縮小と、その代替需要の取り込みという米国の意図が浮かび上がる。近い将来、米中ハイテク摩擦の産物として目の前に中国企業を代替するための巨大な市場が現れるのかもしれない。陣取り合戦はすでに始まっている可能性もあり、対応には一刻の猶予も許されない。日本企業のみならず、菅政権を含めこの事態にどう立ち向かうのかが問われよう。
さて、後場の東京株式市場で日経平均は底堅く推移しそうだ。引き続き9月末の権利取りの買いが株価を下支えしそうなことに加え、大引けにかけては指数連動型ファンドによる配当金再投資に絡む先物買いも予想される。ただ、上述のように米中対立激化懸念が強くなっていることに加え、9月末権利落ちとなる明日以降の需給の緩みを警戒する向きもあり、上値は限定的となりそうだ。
(小山眞一)
<AK>
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