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【IRアナリストレポート】EMシステムズ(4820)

著者:鈴木 行生
投稿:2020/12/02 13:37

~薬局・クリニック・介護/福祉施設を繋ぎ、EHR(医療情報連携)を推進~

【ポイント】
・完全ストック型課金モデル(サブスクモデル)への転換を進めている。クラウド型の新共通情報システム基盤(MAPsマップスシリーズ)は画期的で、ソフト中心で使い易く、従来のようなサポートがいらない。ようやく医科向けに続き、調剤薬局向けのシステムも全国への展開が本格化している。来2021年12月期からその貢献が寄与してこよう。

・新型コロナウイルスの影響で、医療関係の投資意欲が落ち込む中、対面営業の制約もあった。市場構造の変化が加速しており、クリニック、調剤薬局、介護福祉の分野において、非接触型サービスの工夫と効率化が求められ、対面型の営業からWebを活用した新しいマーケティングにシフトしている。

・創業40周年を機に、創業者から2代目にトップマネジメントが交代した。國光宏昌社長(46歳)が次第にリーダーシップを発揮しよう。2020年12月期は決算期を変更、9ヵ月決算となる。薬価改定や診療報酬の改定が4月あるので、システム対応や顧客対応と重ならないように、経営戦略を実行するには12月決算が最適と判断した。

・フル課金型のビジネスモデルによって価格競争力は大幅に高まるので、調剤システムのシェアを32%から50%へ高める計画である。初期収入がなくなる分、スタート時の業績は大幅に落ち込む。しかし、3年後からは完全ストック型の課金モデルが寄与し、5年目には過去最高の業績が達成できよう。

・中期5ヵ年計画では、介護福祉向けシステムを第3の柱にすべく推進している。2件の事業・企業買収で、システムを提供する施設数を業界6位の1.35万件へ、一気に増やした。クラウド型の課金モデルで、業界トップクラスを狙っている。

・中期計画では経常利益51億円を目標としているが、新製品の投入の遅れやコロナショックの影響もあり、当初よりは2年程度ずれ込むことになろうが、十分射程に入っている。ネットワーク化の進展と月額課金のサブスク型ストック効果による3部門の収益力向上とともに、株式市場での評価も大幅に高まってこよう。

目 次
1.特色 薬局向け処方箋処理システム(レセコン)で業界トップ
2.強み 他社に真似のできない課金システムを確立
3.開発 画期的な新システムMAPsシリーズの開発
4.中期経営計画 完全ストック型月額課金ビジネスモデルへの転換を開始
5.当面の業績 戦略遂行による当面の減益は想定内
6.企業評価 業績浮上後は会社計画を上回るストック効果を期待

EMシステムズ <4820>
企業レーティング
株価
(2020年12月1日)
845円
時価総額 630億円
(74.51百万株)
PBR 3.40倍
ROE 8.6%
PER 39.5倍
配当利回り 1.2%
総資産 23328百万円
純資産 17714百万円
自己資本比率 75.7%
BPS 248.7円
(百万円、円)
決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益 EPS 配当
2013.3 10257 1209 1766 1076 17.6 3.75
2014.3 11369 1672 2284 1420 22.8 4.62
2015.3 11257 1232 1702 965 15.0 5.62
2016.3 13199 1861 2446 1621 23.4 5.87
2017.3 13676 2597 3163 2116 30.2 7.75
2018.3 13953 3063 3618 2369 33.4 9.25
2019.3 13133 2622 3248 1971 27.9 9.50
2020.3 14023 1583 2179 1393 19.7 10.00
2020.12(予) 9500 1200 1600 1100 15.5 10.00
2021.12(予) 13500 1600 2200 1520 21.4 10.00

(2020.9ベース)

(注)ROE、PER、配当利回りは来期予想ベース。2016年4月1日、2018年3月1日、2020年1月1日に各々1:2の株式分割を実施。それ以前のEPS、配当は修正ベース。2020年12月期より決算期を変更、この期は9カ月決算。
 
企業レーティングの定義:当該企業の、(1)経営者の経営力、(2)事業の成長力・持続力、(3)業績下方修正の可能性、という点から定性評価している。A:良好である、B:一定の努力を要する、C:相当の改善を要する、D:極めて厳しい局面にある、という4段階で示す。

レポート全文はこちらから
http://www.belletk.com/emsisutemuzu202012.pdf
 

日本ベル投資研究所の過去レポートはこちらから

配信元: みんかぶ株式コラム
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