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ソフトブレーンのニュース
■要約
ソフトブレーン<4779>は企業の営業課題を解決、支援するための営業支援システム(CRM/SFA)「eセールスマネージャー」の開発、販売を中心とした営業イノベーション事業と、子会社で展開するフィールドマーケティング事業が主力事業となっている。「eセールスマネージャー」は、総合満足度No.1の営業支援ツールとして国産ベンダーでトップシェア、累計導入企業数は5,000社を超えている。
1. 2020年12月期第2四半期累計業績の概要
2020年12月期第2四半期累計の連結業績は、売上高で前年同期比7.0%減の4,511百万円、営業利益で同63.6%減の211百万円となった。新型コロナウイルス感染症の拡大(以下、コロナ禍)によって、政府の緊急事態宣言が2020年4月に発令されたことを受け、営業活動が大幅に制限され、顧客の事業活動が停滞した影響等もあり、主力の営業イノベーション事業やフィールドマーケティング事業の業績が揃って減収減益となったことが要因だ。2020年5月下旬に緊急事態宣言が解除されたことで、同年6月以降は徐々に回復しているものの、4月−5月の落ち込みをカバーするまでには至らなかった。
2. 2020年12月期業績見通し
2020年12月期の連結業績は売上高で前期比6.3%減の9,273百万円、営業利益で同42.5%減の670百万円となる見通し。アフターコロナに対応するための働き方改革や生産性向上に向けてIT投資を前向きに検討する企業がある一方で、景気の先行き不透明感から投資に慎重な姿勢を見せる企業もあり、営業イノベーション事業についての回復は限定的なものにとどまると見ている。なお、eセールスマネージャーに関しては、コロナ禍でオンライン商談が急増していることを背景に、テレワーク対応機能を順次追加していく予定にしており、その第1弾として2020年7月にWeb会議ツール「Zoom」との連携機能を追加リリースした。フィールドマーケティング事業では小売店へのラウンダー活動が2020年6月以降、再開され売上高も回復基調となっているが、4月−5月に新規受注獲得のための営業活動が制限された影響もあり、本格回復は2020年冬以降となりそうだ。
3. 成長戦略
同社は2018年12月期からスタートした3ヶ年中期経営計画において、この3年間を2021年12月期以降の成長加速につなげていくための構造改革期間と位置付け、「フロー型からストック型への収益モデルの転換」に取り組んできた。コロナ禍の影響などによって、業績については当初の目標値(2020年12月期売上高113億円、営業利益15億円)から未達となる見通しだが、売上の拡大と生産性向上に寄与するツールとしてCRM/SFA製品の需要は着実に拡大している。そのなかで顧客満足度No.1の評価を受けているeセールスマネージャーの成長余地は大きいと見られる。中小企業向けをターゲットとしたセルフサーブ型製品についても、機能の最適化に向けた開発を進めており、2020年内には本格的なプロモーション活動を展開し、2021年以降の成長加速につなげていく考えだ。一方、フィールドマーケティング事業では、店頭ラウンダー領域からBtoB企業におけるフィールド(営業)領域へと展開していくことで更なる成長を目指していく。コロナ禍において、BtoB企業の顧客開拓が遅れているものの、潜在的な需要はあるとみており、引き続き強化していく方針となっている。また、「Point of Buy®」(購買理由データ提供)サービスも注目される。消費者が店舗で受け取るレシートを購買理由付きで収集・データベース化し企業に販売するマーケティングサービスで、月間収集データ数で国内最大級となるデータベースの構築を目指している。会員を多く抱える企業との提携が目標達成のカギを握ると見られ、今後の動向が注目される。
なお、2020年8月14日付で投資ファンドのシー・ファイブ・エイト・ホールディングス(株)が同社株式の公開買い付けを行うことを発表しており、同社も賛同する意見表明を行っている。筆頭株主であるスカラ<4845>が2020年9月に開催する株主総会で同議案を提出し、可決されれば、同年9月29日より公開買い付けが開始され、同社株式は上場廃止の予定となっている。
■Key Points
・2020年12月期第2四半期累計業績はコロナ禍で主力2事業が減収減益に
・業績は第3四半期以降上向くものの、本格回復は2021年12月期以降となる見通し
・営業イノベーション事業では中小企業の顧客開拓、フィールドマーケティング事業では営業領域へと展開し、成長加速を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<EY>
ソフトブレーン<4779>は企業の営業課題を解決、支援するための営業支援システム(CRM/SFA)「eセールスマネージャー」の開発、販売を中心とした営業イノベーション事業と、子会社で展開するフィールドマーケティング事業が主力事業となっている。「eセールスマネージャー」は、総合満足度No.1の営業支援ツールとして国産ベンダーでトップシェア、累計導入企業数は5,000社を超えている。
1. 2020年12月期第2四半期累計業績の概要
2020年12月期第2四半期累計の連結業績は、売上高で前年同期比7.0%減の4,511百万円、営業利益で同63.6%減の211百万円となった。新型コロナウイルス感染症の拡大(以下、コロナ禍)によって、政府の緊急事態宣言が2020年4月に発令されたことを受け、営業活動が大幅に制限され、顧客の事業活動が停滞した影響等もあり、主力の営業イノベーション事業やフィールドマーケティング事業の業績が揃って減収減益となったことが要因だ。2020年5月下旬に緊急事態宣言が解除されたことで、同年6月以降は徐々に回復しているものの、4月−5月の落ち込みをカバーするまでには至らなかった。
2. 2020年12月期業績見通し
2020年12月期の連結業績は売上高で前期比6.3%減の9,273百万円、営業利益で同42.5%減の670百万円となる見通し。アフターコロナに対応するための働き方改革や生産性向上に向けてIT投資を前向きに検討する企業がある一方で、景気の先行き不透明感から投資に慎重な姿勢を見せる企業もあり、営業イノベーション事業についての回復は限定的なものにとどまると見ている。なお、eセールスマネージャーに関しては、コロナ禍でオンライン商談が急増していることを背景に、テレワーク対応機能を順次追加していく予定にしており、その第1弾として2020年7月にWeb会議ツール「Zoom」との連携機能を追加リリースした。フィールドマーケティング事業では小売店へのラウンダー活動が2020年6月以降、再開され売上高も回復基調となっているが、4月−5月に新規受注獲得のための営業活動が制限された影響もあり、本格回復は2020年冬以降となりそうだ。
3. 成長戦略
同社は2018年12月期からスタートした3ヶ年中期経営計画において、この3年間を2021年12月期以降の成長加速につなげていくための構造改革期間と位置付け、「フロー型からストック型への収益モデルの転換」に取り組んできた。コロナ禍の影響などによって、業績については当初の目標値(2020年12月期売上高113億円、営業利益15億円)から未達となる見通しだが、売上の拡大と生産性向上に寄与するツールとしてCRM/SFA製品の需要は着実に拡大している。そのなかで顧客満足度No.1の評価を受けているeセールスマネージャーの成長余地は大きいと見られる。中小企業向けをターゲットとしたセルフサーブ型製品についても、機能の最適化に向けた開発を進めており、2020年内には本格的なプロモーション活動を展開し、2021年以降の成長加速につなげていく考えだ。一方、フィールドマーケティング事業では、店頭ラウンダー領域からBtoB企業におけるフィールド(営業)領域へと展開していくことで更なる成長を目指していく。コロナ禍において、BtoB企業の顧客開拓が遅れているものの、潜在的な需要はあるとみており、引き続き強化していく方針となっている。また、「Point of Buy®」(購買理由データ提供)サービスも注目される。消費者が店舗で受け取るレシートを購買理由付きで収集・データベース化し企業に販売するマーケティングサービスで、月間収集データ数で国内最大級となるデータベースの構築を目指している。会員を多く抱える企業との提携が目標達成のカギを握ると見られ、今後の動向が注目される。
なお、2020年8月14日付で投資ファンドのシー・ファイブ・エイト・ホールディングス(株)が同社株式の公開買い付けを行うことを発表しており、同社も賛同する意見表明を行っている。筆頭株主であるスカラ<4845>が2020年9月に開催する株主総会で同議案を提出し、可決されれば、同年9月29日より公開買い付けが開始され、同社株式は上場廃止の予定となっている。
■Key Points
・2020年12月期第2四半期累計業績はコロナ禍で主力2事業が減収減益に
・業績は第3四半期以降上向くものの、本格回復は2021年12月期以降となる見通し
・営業イノベーション事業では中小企業の顧客開拓、フィールドマーケティング事業では営業領域へと展開し、成長加速を目指す
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<EY>
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