量子コンピューター関連に再人気化の機熟す、爆発的な上昇活力＜注目テーマ＞

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　みんなの株式と株探が集計する「人気テーマランキング」で、「量子コンピューター」が９位となっている。

　ビッグデータの普及やＩｏＴ時代の到来でコンピューターの高機能化が求められ、つれて半導体の高集積化・大容量化に向けた企業の取り組みは一段と強化されている。３次元ＮＡＮＤ型フラッシュメモリーなど革新的メモリーの開発はその象徴でもある。しかし現在、これとは別の流れでコンピューター分野に新たな革命が起こりつつある。それが量子コンピューターだ。

　量子コンピューターはこれまでのコンピューターの基本コンセプトである「０１」の世界から離れ、量子力学的な重ね合わせにより、極微の世界で起こり得る物理現象を活用して並列コンピューティングを実現させるというもの。スーパーコンピューターでは千年を要するような演算をわずか数時間で完結するともいわれ、人工知能（ＡＩ）分野の発展にも大きく貢献することが期待されている。

　日本では文部科学省が実用化に向け１０年規模で３００億円超の予算を投じる方針にあるが、米国では年間２２０億円、ＥＵでは１０年間で１３００億円の投資を打ち出している状況で、日本も今後予算の増額が必然の流れとなりそうだ。

　民間企業では、直近、野村ホールディングス<8604.T>が、東北大学と量子コンピューターを資産運用に活用するための共同研究を行うことを発表して注目を集めたほか、ＩＳＩＤ<4812.T>が国際的な研究機関である欧州合同原子核研究機関（ＣＥＲＮ）や、ブロックチェーン技術開発を手掛けるシビラ社（大阪市）と連携して、量子コンピューター環境下でのブロックチェーン活用に関する有識者会議を設立することなどが話題となった。

　量子コンピューター関連は今後も株式市場で物色テーマとして輝き続けることは間違いない。関連銘柄としては、まず、グループを挙げての「選択と集中」に舵を切っている富士通<6702.T>の取り組みが注目される。同社はスーパーコンピューター「京」で有名だが、量子コンピューター分野にも積極的に経営資源を注ぎ込んでいる。また、「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」でＡＩ分野への投資に傾注するソフトバンクグループ<9984.T>も大きなカギを握ることになりそうだ。

　物色人気となる常連組では、量子コンピューター分野の研究開発に必須とみられる世界最高レベルの信号増幅装置を手掛けてるエヌエフ回路設計ブロック<6864.T>や、世界初の量子コンピューター商用化に成功したカナダのＤウェーブ社と協業しているフィックスターズ<3687.T>が代表格、また、ＹＫＴ<2693.T>は輸入販売を手掛ける子会社が、レーザー微細加工システムや世界最高水準のローノイズＲＦランプなど量子コンピューター分野で使われる可能性がある商品を取り扱っていることで、過去に急騰した経緯がある。これらの銘柄はいずれも爆発的な上昇活力を有している点で、折に触れ投資家の注目の的となる。

　このほか、産業用コンピューターで世界トップシェアを有する台湾のアドバンテック社とインダストリアルＩｏＴ分野におけるソリューション販売で協業関係にある日本ラッド<4736.T>や、米オンボード・セキュリティと量子コンピューター向け公開鍵暗号技術（ＮＴＲＵ）の国内販売総代理店契約を締結しているユビキタス<3858.T>なども注目。ブレインパッド<3655.T>、ホットリンク<3680.T>、ＦＲＯＮＴＥＯ<2158.T>、データセクション<3905.T>、シグマクシス<6088.T>、ＡＬＢＥＲＴ<3906.T>など一連のＡＩ関連に位置づけられる銘柄群も、量子コンピューターの実用化が進めば大きなビジネスチャンスを得る公算が大きく要注目となる。

出所：株経ONLINE（株式会社みんかぶ）