ＤＩＣが堅調、欧州子会社リストラ効果示現で底入れトレンド明示

　ＤＩＣ<4631.T>が堅調。先駆して調整を入れていたこともあって前週の日経平均大幅調整局面でも底堅さを発揮、目先５日移動平均線を上抜き、底入れトレンドを明示している。
　印刷インキで世界シェア３０％と群を抜くが、欧米のインキ事業を担う中核子会社サンケミカルの経営改革効果示現で収益性が大きく改善している。１５年３月期はマザー工場の閉鎖が損益面で寄与して最終利益は大きく増益に転じ、０８年３月期に達成した過去最高利益３１０億円も意識する回復シナリオが想定される。顔料は緑色で世界シェア７０％を占めるなど圧倒的競争力を持ち、スマートフォン向けで高水準の需要を取り込んでいる。また、スマホ向けは防水テープやガラス飛散防止フィルムなども手掛けており、米アップルの「ｉＰｈｏｎｅ」の新機種が９月にも発売される見通しにあるなか、同社の活躍余地が高まりそうだ。

ＤＩＣの株価は１２時３０分現在２６７円（△５円）


出所：株経通信（株式会社みんかぶ）