ＤＩＣ、絶滅危惧種スイゼンジノリの生育環境保全と食文化継承のための支援を開始

ー「サクラン(R)」を通じて地域の持続的発展に貢献 ー

DIC株式会社（本社：東京都中央区、社長執行役員：猪野薫、以下「当社」）は、グループ会社でスイゼンジノリ由来多糖類「サクラン(R)」*¹の製造販売を行うグリーンサイエンス・マテリアル株式会社（本社：熊本県熊本市、代表取締役：田中一義、以下「GSM社」）と、絶滅危惧種の藍藻類であるスイゼンジノリの生育環境保全と食文化継承のための支援を開始したことをお知らせします。




スイゼンジノリは、九州にある阿蘇山系の清澄な湧水にのみ生息する日本固有の藍藻類で、黄金川（福岡県）や江津湖（熊本県）で収穫されてきました。江戸時代には高級食材として幕府に献上され、秋月藩（福岡県）や細川藩（熊本県）の財政を支えるなど、地域の伝統食材として親しまれています。しかし、近年は気候変動などによる阿蘇山系の水環境の変化が影響し、その収穫量は年々減少傾向にあり、現在絶滅危惧種に指定されています。そのため、地域の方や水前寺のりくまもとの会、江津湖研究会を中心に水環境の保全活動が行われています。

スイゼンジノリから抽出される多糖類「サクラン(R)」（https://www.dic-global.com/ja/products/sacran/）は、高い保湿性、抗炎症効果、バリヤ性などの機能を持ち、化粧品やヘルスケア分野で有用な成分であることから、当社とGSM社はスイゼンジノリの屋内での大量培養技術確立に取り組み、2022年8月に世界で初めて成功（https://www.dic-global.com/ja/news/2022/products/20220804015317.html）し、量産化の段階まで進展させました。

当社は経営理念に掲げる顧客と社会の持続可能な発展に貢献するため、スイゼンジノリの商業的な生産だけに留まらず、GSM社が九州で育んできた地域社会およびアカデミアとの連携をベースに、スイゼンジノリをとりまく自然環境の保護や地域の伝統文化の継承に貢献していきます。今年はすでに黄金川の清掃や水前寺のり料理コンテスト*²への支援などを開始し、今後も、スイゼンジノリ発生地である江津湖や天然養殖されている黄金川での環境保全活動や、江津湖研究会や水前寺のりくまもとの会などが継続して行っている地域貢献活動を積極的に支援していきます。





これらの活動を通じ、「サクラン(R)」をグローバルに提供するだけでなく、地域の歴史・伝統文化としても価値のあるスイゼンジノリの魅力を世界に向けて発信し、さらに「生物多様性の維持」や「歴史・伝統文化の継承」の大切さを幅広い世代へ伝えていきます。

DICグループは、長期経営計画「DIC Vision 2030」で掲げた”Quality of Life（QOL）”社会への貢献を実現すべく、「ヘルスケア領域」を重点事業領域の１つに定めています。今後も「藻類屋内培養技術を活用したパーソナルケア事業」と「スイゼンジノリの生育環境保全や歴史・伝統文化の継承のための支援」を両立し、事業を拡大していく所存です。

*¹「サクラン(R)」はグリーンサイエンス・マテリアル株式会社（GSM社）の登録商標です。
*² 水前寺のり料理コンテストとは、「水前寺のりくまもとの会」が主催するスイゼンジノリの食の伝統文化を次世代に継承するための取り組みの一つで、高校生による水前寺のりを使った創作料理のアイディアを提案するコンテストです。今年は8月27日に日本料理おく村（熊本市）で開催し、料理研究家の安藤千英先生（https://dic-healthcare.com/shop/information/spirulina_news-3）をゲスト審査員に招き、DIC賞を熊本県立第一高等学校に授与しました。

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関連製品ウェブサイト


　◆「サクラン(R)」について：https://www.dic-global.com/ja/products/sacran/

参考ウェブサイト


１）江津湖研究会
　https://www.ezuko-research.com/

２）水前寺のりくまもとの会
　https://www.suizenjinori.kumamoto.jp/

３）遠藤金川堂（スイゼンジノリの生産・販売）
　http://kawatake-endo.com/
　※黄金川（福岡県）の環境保全活動で連携

４）「水前寺のり本舗」喜泉堂（スイゼンジノリの生産・販売）
　http://kisendou.com/
　※黄金川（福岡県）の環境保全活動で連携

ＤＩＣ株式会社について



DICは日本で有数のファインケミカルメーカーのひとつであり、DICグループの中核企業です。DICグループは、世界全体でSun Chemical Corporationを含む約190の子会社によって構成され、60を超える国と地域で事業を展開しています。グループ全体として、人々の生活に欠かせない包装材料 、テレビやPC等のディスプレイに代表される表示材料 、スマートフォンなどのデジタル機器や自動車に使用される高機能材料を提供するグローバルリーディングカンパニーと認知されています。これらの製品を通じて、社会に安全・安心、彩り、快適を提供しています。DICグループは持続可能な社会を実現するため、社会変革に対応した製品や社会課題の解決に貢献する製品の開発にグループ一丸で取り組んでいます。連結売上高1兆円を超え、世界全体で2.2万人以上の従業員を有するなか、DICグループはグローバルで様々なお客様に寄り添っていきます。
詳しい情報は、https://www.dic-global.com/　をご覧下さい。