480円
大幸薬品のニュース
■大幸薬品<4574>のトピックス
1. 国内医薬品事業の戦略:ラッパブランドの投資強化
医薬品事業では、コロナ禍において主力の正露丸ブランド製品の売上高が減少し、市場シェアがわずかながら低下した。その要因としては、インバウンド需要の消失や外出制限などの影響があったが、現時点(2022年9月)ではこれらの影響は小さくなっている。シェアの低下に関しては、広告投資の不足が要因と考えられる。今後は、これまでのTVCMを中心としたメディアミックスからデジタルを中心としたメディアミックスに変更し、正露丸ブランドへの広告投資を再開・強化する。新しいCMキャラクターには、藤井隆氏を起用し、5才から大人まで飲める胃腸薬であることを訴求する。これまでは、主に止瀉薬(下痢止め)として認知されてきた正露丸ではあるが、食あたりや軟便、はき下しなど様々な効能がある胃腸薬であるという商品特性を正しく伝えたい考えだ。また、「正露丸」の原点(120周年)に立ち返り、長年にわたり消費者に記憶されてきたラッパのマークを強調し、ブランドを再生する方針だ。
2. 感染管理事業の戦略:クレベリン信頼醸成
2022年1月および4月の消費者庁の措置命令により、クレベリン製品の出荷は一時的に停止した。製品本体の問題ではなく、パッケージの表示や消費者へのコミュニケーションの問題であるため、既に2022年8月より、消費者庁の指摘に対応した表示に変更したパッケージにより出荷が開始されている。ただし、これまで築いてきた「クレベリン」ブランドが棄損したことには違いなく、信頼回復、信頼醸成の取り組みが必要となる。今後は、専門情報(感染症関連情報など)、エビデンス(二酸化塩素の有用性・安全性)、体感・共感(製品の感動体験など)を中心として、生活者の知りたいことを発信する方針を明確化した。
3. 構造改革による変革の推進:構造改革の進捗により損益分岐点売上高が低下、来期は黒字化の見通し
「構造改革による変革の推進」に関しては、コスト削減や組織のスリム化を推進してきており成果が顕在化している。コスト削減は、在庫や物流の改革や広告宣伝費の削減などが進捗した。結果として、2022年12月期は人件費を除く販管費を前期比約16.3億円削減を達成する見込みである。組織のスリム化は、希望退職による人員削減や組織統合を進めている。希望退職に関しては24名が応募し7月退社となった。これらの成果として、2022年12月期の人件費は、前期比で約7.3億円の削減の見込みである。これらの構造改革の成果として、固定費の削減が実現し、来期(2023年12月期)の損益分岐点は約85億円となる予想であり、黒字化を見通すことができる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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1. 国内医薬品事業の戦略:ラッパブランドの投資強化
医薬品事業では、コロナ禍において主力の正露丸ブランド製品の売上高が減少し、市場シェアがわずかながら低下した。その要因としては、インバウンド需要の消失や外出制限などの影響があったが、現時点(2022年9月)ではこれらの影響は小さくなっている。シェアの低下に関しては、広告投資の不足が要因と考えられる。今後は、これまでのTVCMを中心としたメディアミックスからデジタルを中心としたメディアミックスに変更し、正露丸ブランドへの広告投資を再開・強化する。新しいCMキャラクターには、藤井隆氏を起用し、5才から大人まで飲める胃腸薬であることを訴求する。これまでは、主に止瀉薬(下痢止め)として認知されてきた正露丸ではあるが、食あたりや軟便、はき下しなど様々な効能がある胃腸薬であるという商品特性を正しく伝えたい考えだ。また、「正露丸」の原点(120周年)に立ち返り、長年にわたり消費者に記憶されてきたラッパのマークを強調し、ブランドを再生する方針だ。
2. 感染管理事業の戦略:クレベリン信頼醸成
2022年1月および4月の消費者庁の措置命令により、クレベリン製品の出荷は一時的に停止した。製品本体の問題ではなく、パッケージの表示や消費者へのコミュニケーションの問題であるため、既に2022年8月より、消費者庁の指摘に対応した表示に変更したパッケージにより出荷が開始されている。ただし、これまで築いてきた「クレベリン」ブランドが棄損したことには違いなく、信頼回復、信頼醸成の取り組みが必要となる。今後は、専門情報(感染症関連情報など)、エビデンス(二酸化塩素の有用性・安全性)、体感・共感(製品の感動体験など)を中心として、生活者の知りたいことを発信する方針を明確化した。
3. 構造改革による変革の推進:構造改革の進捗により損益分岐点売上高が低下、来期は黒字化の見通し
「構造改革による変革の推進」に関しては、コスト削減や組織のスリム化を推進してきており成果が顕在化している。コスト削減は、在庫や物流の改革や広告宣伝費の削減などが進捗した。結果として、2022年12月期は人件費を除く販管費を前期比約16.3億円削減を達成する見込みである。組織のスリム化は、希望退職による人員削減や組織統合を進めている。希望退職に関しては24名が応募し7月退社となった。これらの成果として、2022年12月期の人件費は、前期比で約7.3億円の削減の見込みである。これらの構造改革の成果として、固定費の削減が実現し、来期(2023年12月期)の損益分岐点は約85億円となる予想であり、黒字化を見通すことができる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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