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*16:05JST ソフト99 Research Memo(5):主軸のファインケミカル事業とポーラスマテリアル事業が揃って増益に(1)
■ソフト99コーポレーション<4464>の業績動向
2. 事業セグメント別動向
(1) ファインケミカル事業
ファインケミカル事業の業績は、売上高が前期比1.5%減の14,511百万円、営業利益が同11.7%増の1,926百万円となった。売上高は若干減収となったものの、営業利益は3期ぶりの増益に転じた。一般消費者向けカー用品や業務用製品の値上げ効果により売上総利益率が前期の42.7%から44.0%と1.4ポイント上昇したほか、前期に積極投下した広告宣伝費を絞り込んだことも増益要因となった。
売上高の内訳を見ると、国内一般消費者向け販売(自動車分野)のうち、ボディケア製品は前期比5.9%増と増収に転じた。足回り製品の「ディグロス」シリーズや2023年9月に発売した「レインドロップトルネードヴォルテックス」の出荷が好調だった。一方、ガラスケア製品は同2.9%減、リペア製品は同3.9%減といずれも減少した。ガラスケア製品は前期に得意先向けにワイパー製品の新規導入がまとまって入った反動による。リペア製品は価格改定により利益率は改善したものの、上期に一部販売先に対する商流変更(卸会社)があり、一時的に出荷を停止していた影響で減収となった。ただ、下期は出荷も再開され順調に推移している。
業務用製品(自動車・産業分野)は値上げ効果もあり、前期比7.7%増と4期連続で増収となった。新車向けは、OEM製品が震災による一部自動車メーカーの生産減が影響して減収となったものの、自社ブランド品の好調によりカバーし全体では増収となった。中古車向けも、中古車販売が好調だったことや得意先施工店への積極的アプローチにより高付加価値製品の販売が伸長し、増収及び利益率の改善に貢献した。家庭用製品販売(生活分野)は同29.2%減と3期連続で減収となった。主力製品であるメガネケア製品が巣ごもり需要の一巡により減少したことが要因だ。需要のピークであった2021年3月期と比較すると6割の水準まで売上は低下したが、コロナ禍前の2023年3月期の売上水準と比較すると1.2倍弱の水準となっており、中期で見れば売上規模は底上げされているものと考えられる。
海外事業(自動車分野)は前期比1.7%減となった。前期の増収要因となった他社商品の仕入販売が横ばい水準に留まったほか、中国を除く東アジアや東南アジアで在庫調整があり苦戦したことが減収要因となった。ただ、欧州向けでは現地代理店がSNSプロモーションを積極展開した効果もあり、ボディケア製品やガラスケア製品の販売が好調に推移した。ブラジルでも降水量の増加によりガラスケア製品の販売が伸長するなど、注力エリアにおいてしっかりと実績を伸ばし始めている。
TPMS事業(自動車分野)の売上高は前期比48.0%増となり、2期ぶりに過去最高売上を更新した。前期は一部トラックメーカーの出荷停止の影響により減収となったが、当期はトラックの生産台数が回復し取付台数が回復したほか、既存取り付け車両への整備・メンテナンスサービスも伸長し、増収に寄与した。同社のTPMSは累計1万台を販売しており、今後はメンテナンスサービスも安定収益源になってくるものと期待される。
電子機器・ソフトウェア開発(産業分野)は前期比3.7%増となった。遠隔監視システム等で使用されている3Gの無線通信サービスが2026年3月末に終了することが決まっており、3Gから4G対応の通信システムへの切り替え需要が堅調に推移した。なお、その他売上が234百万円のマイナス計上となっているが、季節商材に関する販売店からの在庫返品分によるものだ。当期は暖冬で冬季商材が低調だったことが影響した。
(2) ポーラスマテリアル事業
ポーラスマテリアル事業の業績は、売上高が前期比2.9%減の8,304百万円、営業利益が同3.9%増の1,083百万円となった。売上高は半導体市場の調整に伴い台湾、韓国向けの半導体製造用の消耗部材が落ち込んだほか、前期に医療分野で売上計上した大型設備案件が当期はなかったことが減収要因となった。一方、利益面では売上総利益率が前期の31.3%から31.5%に改善したことに加えて、アズテックに係るのれん償却額136百万円がなくなったことが増益要因となった(前期に減損損失として一括計上)。2022年秋に新工場が稼働したことに伴い減価償却費が同106百万円増加したものの、超繁忙状況だった前期と比べて稼働率が正常化し超過労務費が減少したこと、並びに医療分野の仕入商材である大型設備案件がなくなったことで売上総利益率は改善した。
売上高の内訳は、産業資材部門が前期比4.1%減の6,515百万円と10期ぶりに減収に転じた。このうち、国内向けは同4.3%増となった。HDD向けは顧客の生産調整が長期化し減収となったものの、主力の半導体向けが堅調に推移したほか、フィルターやプリンタ用途で値上げを実施したことで増収となった。一方、海外向けは同3.1%減と9期ぶりに減少に転じた。半導体の洗浄工程で用いられるブラシローラーの販売が米国向けは堅調だったものの、台湾や韓国向けが在庫調整により減少したことが響いた。医療分野は同18.4%減の1,123百万円となった。体外検査薬フィルターや薬液塗布材など新規用途の開拓が進んだものの、既述のとおり大型設備案件がなくなったことで減収となった。
生活資材は前期比1.6%増の1,790百万円と4期連続で増収となった。国内向けについては、自動車用が新車販売の回復に伴うOEM製品の好調で伸びたほか、スポーツ用タオルなどもコロナ禍の収束により好調に推移し、過去最高売上を連続更新した。一方、海外向けは主力仕向け地先である米国向けの在庫調整が長引いたことで同13.8%減となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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2. 事業セグメント別動向
(1) ファインケミカル事業
ファインケミカル事業の業績は、売上高が前期比1.5%減の14,511百万円、営業利益が同11.7%増の1,926百万円となった。売上高は若干減収となったものの、営業利益は3期ぶりの増益に転じた。一般消費者向けカー用品や業務用製品の値上げ効果により売上総利益率が前期の42.7%から44.0%と1.4ポイント上昇したほか、前期に積極投下した広告宣伝費を絞り込んだことも増益要因となった。
売上高の内訳を見ると、国内一般消費者向け販売(自動車分野)のうち、ボディケア製品は前期比5.9%増と増収に転じた。足回り製品の「ディグロス」シリーズや2023年9月に発売した「レインドロップトルネードヴォルテックス」の出荷が好調だった。一方、ガラスケア製品は同2.9%減、リペア製品は同3.9%減といずれも減少した。ガラスケア製品は前期に得意先向けにワイパー製品の新規導入がまとまって入った反動による。リペア製品は価格改定により利益率は改善したものの、上期に一部販売先に対する商流変更(卸会社)があり、一時的に出荷を停止していた影響で減収となった。ただ、下期は出荷も再開され順調に推移している。
業務用製品(自動車・産業分野)は値上げ効果もあり、前期比7.7%増と4期連続で増収となった。新車向けは、OEM製品が震災による一部自動車メーカーの生産減が影響して減収となったものの、自社ブランド品の好調によりカバーし全体では増収となった。中古車向けも、中古車販売が好調だったことや得意先施工店への積極的アプローチにより高付加価値製品の販売が伸長し、増収及び利益率の改善に貢献した。家庭用製品販売(生活分野)は同29.2%減と3期連続で減収となった。主力製品であるメガネケア製品が巣ごもり需要の一巡により減少したことが要因だ。需要のピークであった2021年3月期と比較すると6割の水準まで売上は低下したが、コロナ禍前の2023年3月期の売上水準と比較すると1.2倍弱の水準となっており、中期で見れば売上規模は底上げされているものと考えられる。
海外事業(自動車分野)は前期比1.7%減となった。前期の増収要因となった他社商品の仕入販売が横ばい水準に留まったほか、中国を除く東アジアや東南アジアで在庫調整があり苦戦したことが減収要因となった。ただ、欧州向けでは現地代理店がSNSプロモーションを積極展開した効果もあり、ボディケア製品やガラスケア製品の販売が好調に推移した。ブラジルでも降水量の増加によりガラスケア製品の販売が伸長するなど、注力エリアにおいてしっかりと実績を伸ばし始めている。
TPMS事業(自動車分野)の売上高は前期比48.0%増となり、2期ぶりに過去最高売上を更新した。前期は一部トラックメーカーの出荷停止の影響により減収となったが、当期はトラックの生産台数が回復し取付台数が回復したほか、既存取り付け車両への整備・メンテナンスサービスも伸長し、増収に寄与した。同社のTPMSは累計1万台を販売しており、今後はメンテナンスサービスも安定収益源になってくるものと期待される。
電子機器・ソフトウェア開発(産業分野)は前期比3.7%増となった。遠隔監視システム等で使用されている3Gの無線通信サービスが2026年3月末に終了することが決まっており、3Gから4G対応の通信システムへの切り替え需要が堅調に推移した。なお、その他売上が234百万円のマイナス計上となっているが、季節商材に関する販売店からの在庫返品分によるものだ。当期は暖冬で冬季商材が低調だったことが影響した。
(2) ポーラスマテリアル事業
ポーラスマテリアル事業の業績は、売上高が前期比2.9%減の8,304百万円、営業利益が同3.9%増の1,083百万円となった。売上高は半導体市場の調整に伴い台湾、韓国向けの半導体製造用の消耗部材が落ち込んだほか、前期に医療分野で売上計上した大型設備案件が当期はなかったことが減収要因となった。一方、利益面では売上総利益率が前期の31.3%から31.5%に改善したことに加えて、アズテックに係るのれん償却額136百万円がなくなったことが増益要因となった(前期に減損損失として一括計上)。2022年秋に新工場が稼働したことに伴い減価償却費が同106百万円増加したものの、超繁忙状況だった前期と比べて稼働率が正常化し超過労務費が減少したこと、並びに医療分野の仕入商材である大型設備案件がなくなったことで売上総利益率は改善した。
売上高の内訳は、産業資材部門が前期比4.1%減の6,515百万円と10期ぶりに減収に転じた。このうち、国内向けは同4.3%増となった。HDD向けは顧客の生産調整が長期化し減収となったものの、主力の半導体向けが堅調に推移したほか、フィルターやプリンタ用途で値上げを実施したことで増収となった。一方、海外向けは同3.1%減と9期ぶりに減少に転じた。半導体の洗浄工程で用いられるブラシローラーの販売が米国向けは堅調だったものの、台湾や韓国向けが在庫調整により減少したことが響いた。医療分野は同18.4%減の1,123百万円となった。体外検査薬フィルターや薬液塗布材など新規用途の開拓が進んだものの、既述のとおり大型設備案件がなくなったことで減収となった。
生活資材は前期比1.6%増の1,790百万円と4期連続で増収となった。国内向けについては、自動車用が新車販売の回復に伴うOEM製品の好調で伸びたほか、スポーツ用タオルなどもコロナ禍の収束により好調に推移し、過去最高売上を連続更新した。一方、海外向けは主力仕向け地先である米国向けの在庫調整が長引いたことで同13.8%減となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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