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バルテス・ホールディングスのニュース
*15:10JST バルテス Research Memo(10):2024年3月期に売上高111億円を目指す
■中長期の成長戦略
1. 事業環境
バルテス<4442>を取り巻く今後の事業環境(市場の拡大等)は、以下のような点から追い風であると言える。
(1) ターゲット業界の成長性
今後、同社が狙っていく市場は当然ながら各種のソフトウェアやIT業界となるが、世界のソフトウェアテスト市場の年平均成長率(CAGR(Compound Annual Growth Rate))は12.4%と予想されており、業界そのものが高い成長を遂げる可能性が高い。
(2) ソフトウェアテストの外注比率の上昇
同社の調べによれば、国内のソフトウェア業界の売上高(2020年)は16.7兆円であり、このうち約37%(約6.2兆円)がテスト工程であると推定されている。しかもソフトウェアテスト市場において、同社を含めた上場企業の占有率はわずか1%にとどまっており、一部は非上場のテスト企業が行っているものの、大部分はSIerが内部で行っているのが実情である。
SIerにとっては、この37%を占めるテスト工程を外注することで、空いたリソースを新しい開発案件に振り向けることが可能となるほか、工程の短期化や品質担保、人的リソースの最適化による生産性向上にもつながる。一方でユーザー側のメリットは、テスト工程に割く人員の削減、品質維持、発注先のSIer・開発会社への手戻り工数の減少などが挙げられる。このような点から、ソフトウェアテスト市場では、今後も外注比率が上昇すると予想され、同社にとっては追い風と言える。
2. 基本戦略
主に(1) 人的資本への投資、(2) エンタープライズ領域の拡大、(3) 知的財産の拡大、(4) M&Aと組織強化の4つの基本戦略を実行し、投資をコントロールすることで「規模成長」と「高利益率」を両立させる計画だ。
(1) 人的資本への投資
積極的、計画的な人材採用、未経験人材の早期戦力化、キャリア人材の高スキル化、外部人材の有効活用を推進することで、成長を持続させる。
(2) エンタープライズ領域の拡大
専門部署の設置、ハイレイヤーの採用、外部との協業、ナレッジ蓄積を推進することで、利益率の向上と参入障壁の構築を目指す。
(3) 知的財産の拡大
テスト・教育ノウハウの蓄積、ナレッジ蓄積、新規技術の開発、新技術企業への投資・協業を推進することで、参入障壁を構築し、新たな価値を創造する。
(4) M&Aと組織強化
既存領域のM&A、ポートフォリオの多様化、M&A組織体制の最適化、グループガバナンスの向上を推進することで、売上、企業価値、環境変化対応力の向上を図る。
3. 数値目標
定量的な目標としては、2024年3月期に売上高100億円を掲げている。2023年3月期の売上高実績が90.5億円であり、2024年3月期の売上高予想が111億円となっていることから、この目標は既に射程内と言える。同社は「2024年3月期の下期には新しい中期経営計画を発表する予定だ」と述べており、次のステップに向けてどのような計画が発表されるか楽しみである。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
<SI>
1. 事業環境
バルテス<4442>を取り巻く今後の事業環境(市場の拡大等)は、以下のような点から追い風であると言える。
(1) ターゲット業界の成長性
今後、同社が狙っていく市場は当然ながら各種のソフトウェアやIT業界となるが、世界のソフトウェアテスト市場の年平均成長率(CAGR(Compound Annual Growth Rate))は12.4%と予想されており、業界そのものが高い成長を遂げる可能性が高い。
(2) ソフトウェアテストの外注比率の上昇
同社の調べによれば、国内のソフトウェア業界の売上高(2020年)は16.7兆円であり、このうち約37%(約6.2兆円)がテスト工程であると推定されている。しかもソフトウェアテスト市場において、同社を含めた上場企業の占有率はわずか1%にとどまっており、一部は非上場のテスト企業が行っているものの、大部分はSIerが内部で行っているのが実情である。
SIerにとっては、この37%を占めるテスト工程を外注することで、空いたリソースを新しい開発案件に振り向けることが可能となるほか、工程の短期化や品質担保、人的リソースの最適化による生産性向上にもつながる。一方でユーザー側のメリットは、テスト工程に割く人員の削減、品質維持、発注先のSIer・開発会社への手戻り工数の減少などが挙げられる。このような点から、ソフトウェアテスト市場では、今後も外注比率が上昇すると予想され、同社にとっては追い風と言える。
2. 基本戦略
主に(1) 人的資本への投資、(2) エンタープライズ領域の拡大、(3) 知的財産の拡大、(4) M&Aと組織強化の4つの基本戦略を実行し、投資をコントロールすることで「規模成長」と「高利益率」を両立させる計画だ。
(1) 人的資本への投資
積極的、計画的な人材採用、未経験人材の早期戦力化、キャリア人材の高スキル化、外部人材の有効活用を推進することで、成長を持続させる。
(2) エンタープライズ領域の拡大
専門部署の設置、ハイレイヤーの採用、外部との協業、ナレッジ蓄積を推進することで、利益率の向上と参入障壁の構築を目指す。
(3) 知的財産の拡大
テスト・教育ノウハウの蓄積、ナレッジ蓄積、新規技術の開発、新技術企業への投資・協業を推進することで、参入障壁を構築し、新たな価値を創造する。
(4) M&Aと組織強化
既存領域のM&A、ポートフォリオの多様化、M&A組織体制の最適化、グループガバナンスの向上を推進することで、売上、企業価値、環境変化対応力の向上を図る。
3. 数値目標
定量的な目標としては、2024年3月期に売上高100億円を掲げている。2023年3月期の売上高実績が90.5億円であり、2024年3月期の売上高予想が111億円となっていることから、この目標は既に射程内と言える。同社は「2024年3月期の下期には新しい中期経営計画を発表する予定だ」と述べており、次のステップに向けてどのような計画が発表されるか楽しみである。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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