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ヒト・コミュニケーションズ・ホールディングスのニュース
■ヒト・コミュニケーションズ・ホールディングス<4433>の事業概要
(1) アウトソーシング事業と人材派遣事業
アウトソーシング事業では、クライアントの業績向上を追求する「成果追求型」の営業支援を行っている(「成果追求型営業支援」)。それを支えるため、同社グループは「業務運営事務局」をクライアントごとに設置する。クライアントの課題や施策を共有し、業績を向上させるための体制である。例えば、販売現場運営のアウトソーシングを受託した際には、販売促進の施策を立案・提供し、商材に精通したスタッフが販売を行う。そして販売実績のフィードバックを行う、という一連の販売業務を遂行していく。スタッフの採用と教育・研修も「業務運営事務局」のなかで行われるが、「未経験者を経験者に」「よりリアルに、より実践的に」をキーワードに、販売などの現場に見立てた「仮想店舗」でのロールプレイングで実践に近い経験を積むことができる充実した教育・研修制度がある。販売不振に陥りやすい1ヶ月目、3ヶ月目にフォローアップ研修も実施している。さらに、全国に48ヶ所の拠点があるため、例えばクライアント商材の販売を全国規模で請負うことも可能となっている。これによりクライアントはスタッフ管理や教育・研修負担が軽減し、現場とマーケティング機能を分離することができるため業務効率化を享受することができる。また同社グループの教育・研修制度を経たスタッフが就業することにより、安定した業績を確保することができる。こうした体制は、家電、ブロードバンド、モバイル、ストアサービス、コールセンターで展開されていたが、最近では「業務運営事務局」という形は、インバウンド・ツーリズムやスポーツの領域にも拡がっている。また同社グループの教育・研修制度では、販売員のほか、営業代行、インサイドセールス(リード獲得からフィールドセールスまで)、インバウンド領域における通訳士・ツアーコンダクター、スポーツイベント及びMICE運営といった分野の人材を育成することができる。
人材派遣事業では、労働者派遣契約に基づき、メーカー、通信キャリア、スーパー・GMS及び旅行業者等へ派遣先ニーズに応じたスタッフを派遣している。派遣されたスタッフは、クライアントによるスタッフ管理・マーケティング施策の下、業務を遂行する。対象となる業務・顧客層はアウトソーシング事業と重複することが多いため、アウトソーシング事業で培った販売ノウハウや教育・研修制度を活用し、成果追求型の営業支援を行っている。
新型コロナウイルス感染拡大が、企業が今後の営業手法を考えるきっかけに
(2) インサイドセールス
アウトソーシング事業で扱う業務の一つに、2019年4月に同社の子会社となったSALES ROBOTICSによるインサイドセールスがあるが、順調な滑り出しとなっている。今後も業績の拡大が見込まれるデジタルマーケティングにおいて、同社グループの柱へと成長すると弊社では見込んでおり、以下に特筆する。
SALES ROBOTICSが開発・提供しているのが、コールセンターとITのCRM(Customer Relationship management:顧客関係管理)を組み合わせたクラウド型インサイドセールスマネジメントサービス「SALES BASE」である。顧客ターゲットを自動で抽出するだけでなく、アポイント獲得までアウトソースが可能であるため、営業は確度の高いリードの元にのみ訪問することが可能となり、成約に専念できる環境を自動で作ることができる。
働き方改革では労働生産性の向上が求められているものの、従来のフィールドセールスでは改善に限度がある。米国では、2008年のリーマンショック以降にインサイドセールスが急速に浸透し、570万人のBtoB営業職のうち43.5%がインサイドセールスを担当し、売上高の47.2%を占めるまでになった。日本でも2020年に入ってから新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、国を挙げて人同士の接触機会を減らすこととなり、多くの企業は急遽テレワークを実施した。現在のコロナ禍が過ぎても、第2波、第3波の波の発生を防ぐため、単純に昔の姿に戻るとは想像し難い。こうした状況下で高効率な営業を展開していくためにも、今後インサイドセールスに重点を置いていくことになるだろう。
インサイドセールスの役割は、リード育成である。ターゲットを選定した後、電話・Eメール・DMなどを用いて、長期的なコミュニケーションのなかで見込み度を高め、商談につながるリードを創出する。同社は、こうしたインサイドセールスを効率的に行うための情報が400万社蓄積されており、独自のターゲット抽出エンジンでBANT(Budget(予算)、Authority(決裁権)、Needs(ニーズ)、Timeframe(導入期間))から、商材に興味を持つであろう営業先をリストアップする。その後、リード育成からアポイント獲得までの過程においてキーマンとの会話情報をテキスト化し行動ログとして残すことで、「過去にどんなやり取りをしたか分からない」「同じ顧客に同じ内容で二度もアプローチしてしまった」という問題を防ぎ、同時にリードの認知・育成・受注に至る一連の過程を数値化し、半年から1年先の売上予測を月次で立てることが可能となる。これによって導入企業はどこに穴があるかを見極め、マーケティング活動を見直すことで、商談数と精度を向上させるための施策を先手で打つことができるようになる。そうした仮説検証を行うことができるのが、最大のメリットとなる。また、成約後も架電結果や活動状況で更新されていくBANT情報によって顧客管理もできるので、短期間で買い替えなどが起こる商材はリード・アポイント数を増やし、一方、数年に1回程度といった買い替えのない商材は、顧客のBANT情報から、追加売上の機会を逃さないよう次の営業機会に備えられる仕組みもある。
「SALES BASE」は既に800社以上に採用され、1,000種以上の商材に対応した実績を持ち、成功ノウハウを蓄積している。年間獲得リード数は約50,000件、累計獲得商談数は約48,000件(月平均1,500件)の実績を上げており、精度の高い商談アポイントを安定的に自動供給する点が評価されている。400万社の企業データベースがインポートされた独自のクラウドシステムに、マーケティングに必要な機能を集約したMA(Marketing Automation)ツールやSalesforce.com(セールスフォース・ドットコム)(世界No.1のCRMサービス提供企業)との連携により、営業効率を劇的に改善できる。導入事例では、商談取得率が他社比2倍、リード獲得率2倍、アポ獲得率36%と、大きな成果を上げている。
コロナ渦にあって企業が営業手法を切り替えせざるを得ない状況下において、システムを用いたインサイドセールスの形が同社にはあることから、今後業績が拡大すると弊社では見ている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)
<EY>
(1) アウトソーシング事業と人材派遣事業
アウトソーシング事業では、クライアントの業績向上を追求する「成果追求型」の営業支援を行っている(「成果追求型営業支援」)。それを支えるため、同社グループは「業務運営事務局」をクライアントごとに設置する。クライアントの課題や施策を共有し、業績を向上させるための体制である。例えば、販売現場運営のアウトソーシングを受託した際には、販売促進の施策を立案・提供し、商材に精通したスタッフが販売を行う。そして販売実績のフィードバックを行う、という一連の販売業務を遂行していく。スタッフの採用と教育・研修も「業務運営事務局」のなかで行われるが、「未経験者を経験者に」「よりリアルに、より実践的に」をキーワードに、販売などの現場に見立てた「仮想店舗」でのロールプレイングで実践に近い経験を積むことができる充実した教育・研修制度がある。販売不振に陥りやすい1ヶ月目、3ヶ月目にフォローアップ研修も実施している。さらに、全国に48ヶ所の拠点があるため、例えばクライアント商材の販売を全国規模で請負うことも可能となっている。これによりクライアントはスタッフ管理や教育・研修負担が軽減し、現場とマーケティング機能を分離することができるため業務効率化を享受することができる。また同社グループの教育・研修制度を経たスタッフが就業することにより、安定した業績を確保することができる。こうした体制は、家電、ブロードバンド、モバイル、ストアサービス、コールセンターで展開されていたが、最近では「業務運営事務局」という形は、インバウンド・ツーリズムやスポーツの領域にも拡がっている。また同社グループの教育・研修制度では、販売員のほか、営業代行、インサイドセールス(リード獲得からフィールドセールスまで)、インバウンド領域における通訳士・ツアーコンダクター、スポーツイベント及びMICE運営といった分野の人材を育成することができる。
人材派遣事業では、労働者派遣契約に基づき、メーカー、通信キャリア、スーパー・GMS及び旅行業者等へ派遣先ニーズに応じたスタッフを派遣している。派遣されたスタッフは、クライアントによるスタッフ管理・マーケティング施策の下、業務を遂行する。対象となる業務・顧客層はアウトソーシング事業と重複することが多いため、アウトソーシング事業で培った販売ノウハウや教育・研修制度を活用し、成果追求型の営業支援を行っている。
新型コロナウイルス感染拡大が、企業が今後の営業手法を考えるきっかけに
(2) インサイドセールス
アウトソーシング事業で扱う業務の一つに、2019年4月に同社の子会社となったSALES ROBOTICSによるインサイドセールスがあるが、順調な滑り出しとなっている。今後も業績の拡大が見込まれるデジタルマーケティングにおいて、同社グループの柱へと成長すると弊社では見込んでおり、以下に特筆する。
SALES ROBOTICSが開発・提供しているのが、コールセンターとITのCRM(Customer Relationship management:顧客関係管理)を組み合わせたクラウド型インサイドセールスマネジメントサービス「SALES BASE」である。顧客ターゲットを自動で抽出するだけでなく、アポイント獲得までアウトソースが可能であるため、営業は確度の高いリードの元にのみ訪問することが可能となり、成約に専念できる環境を自動で作ることができる。
働き方改革では労働生産性の向上が求められているものの、従来のフィールドセールスでは改善に限度がある。米国では、2008年のリーマンショック以降にインサイドセールスが急速に浸透し、570万人のBtoB営業職のうち43.5%がインサイドセールスを担当し、売上高の47.2%を占めるまでになった。日本でも2020年に入ってから新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、国を挙げて人同士の接触機会を減らすこととなり、多くの企業は急遽テレワークを実施した。現在のコロナ禍が過ぎても、第2波、第3波の波の発生を防ぐため、単純に昔の姿に戻るとは想像し難い。こうした状況下で高効率な営業を展開していくためにも、今後インサイドセールスに重点を置いていくことになるだろう。
インサイドセールスの役割は、リード育成である。ターゲットを選定した後、電話・Eメール・DMなどを用いて、長期的なコミュニケーションのなかで見込み度を高め、商談につながるリードを創出する。同社は、こうしたインサイドセールスを効率的に行うための情報が400万社蓄積されており、独自のターゲット抽出エンジンでBANT(Budget(予算)、Authority(決裁権)、Needs(ニーズ)、Timeframe(導入期間))から、商材に興味を持つであろう営業先をリストアップする。その後、リード育成からアポイント獲得までの過程においてキーマンとの会話情報をテキスト化し行動ログとして残すことで、「過去にどんなやり取りをしたか分からない」「同じ顧客に同じ内容で二度もアプローチしてしまった」という問題を防ぎ、同時にリードの認知・育成・受注に至る一連の過程を数値化し、半年から1年先の売上予測を月次で立てることが可能となる。これによって導入企業はどこに穴があるかを見極め、マーケティング活動を見直すことで、商談数と精度を向上させるための施策を先手で打つことができるようになる。そうした仮説検証を行うことができるのが、最大のメリットとなる。また、成約後も架電結果や活動状況で更新されていくBANT情報によって顧客管理もできるので、短期間で買い替えなどが起こる商材はリード・アポイント数を増やし、一方、数年に1回程度といった買い替えのない商材は、顧客のBANT情報から、追加売上の機会を逃さないよう次の営業機会に備えられる仕組みもある。
「SALES BASE」は既に800社以上に採用され、1,000種以上の商材に対応した実績を持ち、成功ノウハウを蓄積している。年間獲得リード数は約50,000件、累計獲得商談数は約48,000件(月平均1,500件)の実績を上げており、精度の高い商談アポイントを安定的に自動供給する点が評価されている。400万社の企業データベースがインポートされた独自のクラウドシステムに、マーケティングに必要な機能を集約したMA(Marketing Automation)ツールやSalesforce.com(セールスフォース・ドットコム)
コロナ渦にあって企業が営業手法を切り替えせざるを得ない状況下において、システムを用いたインサイドセールスの形が同社にはあることから、今後業績が拡大すると弊社では見ている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)
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