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True Dataのニュース
*13:03JST TrueData Research Memo(3):ビッグデータ活用による次世代型のマーケティングサービスを提供
■事業概要
1. 事業内容
True Data<4416>はドラッグストア、スーパーマーケット等のID-POSデータを活用した分析・ツールの提供など、データマーケティングに関するサービスの提供を主な事業として展開している。各小売業から連携されるバラバラなフォーマットのデータを商品やカテゴリの分類などを整備し、フォーマットなどの整形を行い、ユーザーが使いやすいかたちにして提供する。個々の小売業が自社のデータを分析するだけでなく、小売業名や購入者の情報が特定できないよう統計化したうえで、全国の購買データとしてパネル化しメーカーなど様々な企業に提供され、マーケティングなどに活用される。この一連のプロセスにより、同社のサービスを利用するユーザーは、最短で、店頭で売り上げが立った2日後に購買データを分析・活用することができる。
DX化の流れが急速に進んでおり、ビジネス環境変化のスピードに対応するため、業務提携により自社経営のスピードを上げることも合理的な経営戦略となり得る。同社が他企業と協業を行う場合、既述の3領域(データ・テクノロジー・活用ノウハウ)のいずれかを提供し、双方が必要な分野を強化していくことで、相互のシナジーを生かした関係を構築できるという特徴がある。人材、資金、時間、ノウハウなど、様々なリソースを補完できるため、リスクを抑えながら新規事業に取り組むことが可能となる。同社のビジネスは、データ保有者からデータ利用者へのサービス価値を有料で提供するデータプラットフォームをベースとする。同プラットフォームは、ビッグデータとAI技術を活用しデータを収益化する一方、データ利用者が必要とするマーケティング施策や販売戦略の材料・根拠となるデータを提供することを目的としている。データサイエンティストのチームを自社に持ち、プラットフォームの改善とデータ保有者と利用者の双方への価値提供を行うビジネスモデルに取り組んでいる。なお、主力サービスはスーパーマーケットやドラッグストアなどの小売業が自社の購買データを分析するためのSaaS型のサービスで、顧客の消費行動を明らかにする「ショッピングスキャン」と、消費財メーカー向けのSaaS型のサービスである「イーグルアイ」である。また、「イーグルアイ」よりもシンプルで簡単に使えるID-POS分析の入門ツールの「ドルフィンアイ」もある。
2. 特色・強み
同社はデータ収集・データ精製(クレンジング)・データ分析・データ活用のプロセスを高速で処理し、日々蓄積される大量のデータをプラットフォームとして、顧客のニーズに合わせた高品質なサービスの提供が可能である。
(1) データ精製(クレンジング)
消費財メーカー各社は、各小売業からPOSデータやID-POSデータを購入しているが、組織が持つデータを十分に活用できない場合がある。原因は、商品の誤登録や重複登録、表記のゆらぎ、チェーンごとにデータフォーマットや商品表記がバラバラなためなどである。よって小売業ごとの分析は可能だが、各小売業のデータを統合して全国で消費者分析を行うことは難しい状況にある。
この課題に対して、同社はデータ精製(クレンジング)により、データの欠損、表記のゆらぎ、重複などが含まれた大量のデータを「標準化されたデータ」として蓄積・管理することができる。さらに、同社は「標準化されたデータ」を、消費者購買データベースとして構築し、マーケティングに活用できる技術を有している。ビッグデータの標準化は、多くの労力を必要とする難しい課題である。同社はビッグデータを標準化し高い品質を保つための独自の手法を持っており、競合他社との差別化要因となっている。
(2) テクノロジー
DXプロジェクトが頓挫したり、期待した成果を上げられない背景には人材配置と予算の問題がからんでいることが多い。DXプロジェクトの成果を十分に発揮するには、実務レベルでデータを活用するフェーズまで進める必要がある。そのためには、社内のオペレーションと社外のリソースが協力体制をとることがプロジェクトの効率化・作業品質の向上にとって有効である。同社は、大量のデータを蓄積・保管・分析し、顧客に競争力の高いソリューションを提供するために、テクノロジー面では自社開発にこだわらず、GoogleやSAPなどの巨大IT企業や、The Nielsen Company(ニールセン)のような最先端の分析アルゴリズムを持つグローバルマーケティング企業とアライアンス関係を結び、テクノロジーのグローバルな進化を取り込んでいる。さらに、同社はテクノロジーを競争力のあるソリューションに変えるために、人材などの経営資源への投資を積極的に行っている。これにより、データやソフトウェア活用ノウハウを向上させ競争力を強化している。
(3) 独自のポジショニングと業界のパイオニア
同社はビッグデータプラットフォームの運営会社として、データマーケティング業界における独自のポジションを構築している。主要なテクノロジー企業とのアライアンスを通じて、双方の利便性を提供しながら、顧客に付加価値を提供できる。テクノロジーは常に進化しているが、同社は最新の技術をプラットフォームに取り込める環境にあるため、自社内で顧客のニーズに適合したサービスを、最高のかたちで提供できる。加えて、常にプラットフォームを改善し、さらなる価値を提供する企業文化があり、顧客からの要望に対してフレキシブルに対応することができる。
3. 市場環境の展望
同社がターゲットとしている市場は、今後も拡大が見込まれる。労働力の代替先として業務のDX化は、多くのサービスを提供する起点となる。アジャイルという開発手法が主流になり、少ない開発費用、少ないドキュメントで済み、非エンジニアでも参加しやすい「開発自動化」などのノーコーディング手法、開発を容易にするクラウドインフラサービス、新しいIT知識を得るためのWebベースのトレーニングサービスなどが、労働力の代替えを促進させる可能性がある。人手不足の影響が大きい小売や外食などの店舗集約型産業での人材不足は深刻であり、この不足を補うためにこれらの業界では自動化が進むと考えられる。店舗に設置されたPOSレジから様々なデータを得ることができ、このデータを活用して、リアル店舗とネット店舗の両方で販売できる仕組みができれば、ビジネスは大きく変わる。今後も成長の余地はかなり大きいと弊社では考えている。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
<HH>
1. 事業内容
True Data<4416>はドラッグストア、スーパーマーケット等のID-POSデータを活用した分析・ツールの提供など、データマーケティングに関するサービスの提供を主な事業として展開している。各小売業から連携されるバラバラなフォーマットのデータを商品やカテゴリの分類などを整備し、フォーマットなどの整形を行い、ユーザーが使いやすいかたちにして提供する。個々の小売業が自社のデータを分析するだけでなく、小売業名や購入者の情報が特定できないよう統計化したうえで、全国の購買データとしてパネル化しメーカーなど様々な企業に提供され、マーケティングなどに活用される。この一連のプロセスにより、同社のサービスを利用するユーザーは、最短で、店頭で売り上げが立った2日後に購買データを分析・活用することができる。
DX化の流れが急速に進んでおり、ビジネス環境変化のスピードに対応するため、業務提携により自社経営のスピードを上げることも合理的な経営戦略となり得る。同社が他企業と協業を行う場合、既述の3領域(データ・テクノロジー・活用ノウハウ)のいずれかを提供し、双方が必要な分野を強化していくことで、相互のシナジーを生かした関係を構築できるという特徴がある。人材、資金、時間、ノウハウなど、様々なリソースを補完できるため、リスクを抑えながら新規事業に取り組むことが可能となる。同社のビジネスは、データ保有者からデータ利用者へのサービス価値を有料で提供するデータプラットフォームをベースとする。同プラットフォームは、ビッグデータとAI技術を活用しデータを収益化する一方、データ利用者が必要とするマーケティング施策や販売戦略の材料・根拠となるデータを提供することを目的としている。データサイエンティストのチームを自社に持ち、プラットフォームの改善とデータ保有者と利用者の双方への価値提供を行うビジネスモデルに取り組んでいる。なお、主力サービスはスーパーマーケットやドラッグストアなどの小売業が自社の購買データを分析するためのSaaS型のサービスで、顧客の消費行動を明らかにする「ショッピングスキャン」と、消費財メーカー向けのSaaS型のサービスである「イーグルアイ」である。また、「イーグルアイ」よりもシンプルで簡単に使えるID-POS分析の入門ツールの「ドルフィンアイ」もある。
2. 特色・強み
同社はデータ収集・データ精製(クレンジング)・データ分析・データ活用のプロセスを高速で処理し、日々蓄積される大量のデータをプラットフォームとして、顧客のニーズに合わせた高品質なサービスの提供が可能である。
(1) データ精製(クレンジング)
消費財メーカー各社は、各小売業からPOSデータやID-POSデータを購入しているが、組織が持つデータを十分に活用できない場合がある。原因は、商品の誤登録や重複登録、表記のゆらぎ、チェーンごとにデータフォーマットや商品表記がバラバラなためなどである。よって小売業ごとの分析は可能だが、各小売業のデータを統合して全国で消費者分析を行うことは難しい状況にある。
この課題に対して、同社はデータ精製(クレンジング)により、データの欠損、表記のゆらぎ、重複などが含まれた大量のデータを「標準化されたデータ」として蓄積・管理することができる。さらに、同社は「標準化されたデータ」を、消費者購買データベースとして構築し、マーケティングに活用できる技術を有している。ビッグデータの標準化は、多くの労力を必要とする難しい課題である。同社はビッグデータを標準化し高い品質を保つための独自の手法を持っており、競合他社との差別化要因となっている。
(2) テクノロジー
DXプロジェクトが頓挫したり、期待した成果を上げられない背景には人材配置と予算の問題がからんでいることが多い。DXプロジェクトの成果を十分に発揮するには、実務レベルでデータを活用するフェーズまで進める必要がある。そのためには、社内のオペレーションと社外のリソースが協力体制をとることがプロジェクトの効率化・作業品質の向上にとって有効である。同社は、大量のデータを蓄積・保管・分析し、顧客に競争力の高いソリューションを提供するために、テクノロジー面では自社開発にこだわらず、GoogleやSAPなどの巨大IT企業や、The Nielsen Company(ニールセン)のような最先端の分析アルゴリズムを持つグローバルマーケティング企業とアライアンス関係を結び、テクノロジーのグローバルな進化を取り込んでいる。さらに、同社はテクノロジーを競争力のあるソリューションに変えるために、人材などの経営資源への投資を積極的に行っている。これにより、データやソフトウェア活用ノウハウを向上させ競争力を強化している。
(3) 独自のポジショニングと業界のパイオニア
同社はビッグデータプラットフォームの運営会社として、データマーケティング業界における独自のポジションを構築している。主要なテクノロジー企業とのアライアンスを通じて、双方の利便性を提供しながら、顧客に付加価値を提供できる。テクノロジーは常に進化しているが、同社は最新の技術をプラットフォームに取り込める環境にあるため、自社内で顧客のニーズに適合したサービスを、最高のかたちで提供できる。加えて、常にプラットフォームを改善し、さらなる価値を提供する企業文化があり、顧客からの要望に対してフレキシブルに対応することができる。
3. 市場環境の展望
同社がターゲットとしている市場は、今後も拡大が見込まれる。労働力の代替先として業務のDX化は、多くのサービスを提供する起点となる。アジャイルという開発手法が主流になり、少ない開発費用、少ないドキュメントで済み、非エンジニアでも参加しやすい「開発自動化」などのノーコーディング手法、開発を容易にするクラウドインフラサービス、新しいIT知識を得るためのWebベースのトレーニングサービスなどが、労働力の代替えを促進させる可能性がある。人手不足の影響が大きい小売や外食などの店舗集約型産業での人材不足は深刻であり、この不足を補うためにこれらの業界では自動化が進むと考えられる。店舗に設置されたPOSレジから様々なデータを得ることができ、このデータを活用して、リアル店舗とネット店舗の両方で販売できる仕組みができれば、ビジネスは大きく変わる。今後も成長の余地はかなり大きいと弊社では考えている。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
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