メディカルシステムネットワークのニュース
~調剤薬局のネットワーク事業で業界No.1、独自の地域ケアシステムを展開~
【ポイント】
・新型コロナショックの影響で、薬局での処方箋枚数が減少している。クリニックの科目によっては行かなくなり、定期的にいく人は薬を長めにもらう。枚数が減ると、薬局の収入も減少する。3月~5月はこの影響が大きく出ている。2021年3月期の下期にかけて、どのくらいのペースで戻ってくるかによって、当面の業績が変動しよう。
・医薬品ネットワークへの加盟件数が、3月末で5245件となった。薬局経営の健全性を確保しようと、中堅の調剤薬局の加盟が加速している。加盟件数は5期前+200件、4期前+370件、3期前+739件、2期前+1281件に対して、前期は+1455件ペースとなった。今期も+1200件が見込めよう。利益率が高いビジネスなので効果は大きい。
・薬価・調剤報酬の改定の動きを見ると、2018年4月の改定は厳しかった上、医薬品卸との仕入価格交渉も不利に働いた。2019年10月に続く、2020年4月の改定はマイルドなものにとどまったので、本来なら今期の調剤薬局部門の業績はかなり好転するはずであった。それがコロナショックの影響を受けている。
・当社は医薬品の卸と調剤薬局を結ぶネットワークで業界No.1、医薬品の取扱高でも業界トップである。発注システム、在庫管理システム、レセプトデータ管理システムなど、自社開発によるネットワークシステムの提供で独自の強みを発揮する。これを活かして、医薬品流通におけるバリューチェーンで、新たなポジションを築こうとしている。
・中期4カ年計画では、ネットワーク部門の拡大を柱に、医薬品メーカーから卸、薬局、患者に至るサプライチェーンの効率化を通して、営業利益50億円を目指している。医薬品ネットワーク部門に加え、医薬品製造販売部門の利益貢献も高めるべく、自社ブランドのジェネリック医薬品の製造販売を強化している。
・課題は、調剤薬局部門の収益変動をいかに抑えていくか。地域包括ケアの中で、「未病・予防-医療-介護」を支える「かかりつけ薬局」への対応が勝負となる。医薬品ネットワーク部門を軸に、中期計画の営業利益50億円は2年程度遅れるとしても十分射程にある。次の加盟件数1万件が見えてくるにつれて、株式市場での評価も大きく高まろう。
目 次
1.特色 調剤薬局に独自のネットワークシステムを築く
2.強み 自社開発のシステムでサービス向上と効率化を推進
3.中期経営方針 地域薬局のネットワークで圧倒的トップを確立へ
4.流通改善 新たなプラットフォームによる企業価値創造に向けて
5.当面の業績 新型コロナの影響を乗り越えて
6.企業評価 医薬品ネットワーク部門を柱とした新たな連携効果に注目
企業レーティング | B |
---|---|
株価 (2020年5月28日) |
463円 |
時価総額 | 142億円 (30.6百万株) |
PBR | 1.49倍 |
ROE | 5.3% |
PER | 28.1倍 |
配当利回り | 2.2% |
総資産 | 66964百万円 |
純資産 | 9418百万円 |
自己資本比率 | 14.2% |
BPS | 310.4円 |
決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 | EPS | 配当 |
---|---|---|---|---|---|---|
2012.3 | 25410 | 1357 | 1314 | 518 | 20.0 | 3.75 |
2013.3 | 54827 | 2046 | 1912 | 756 | 29.1 | 8.0 |
2014.3 | 66181 | 2091 | 2019 | 668 | 27.7 | 8.0 |
2015.3 | 75548 | 2641 | 2540 | 885 | 37.1 | 8.0 |
2016.3 | 87715 | 3783 | 3860 | 1720 | 60.1 | 9.5 |
2017.3 | 88865 | 2113 | 2109 | 571 | 19.3 | 10.0 |
2018.3 | 93977 | 3163 | 3250 | 1022 | 34.5 | 10.0 |
2019.3 | 98232 | 1428 | 1501 | 462 | 15.3 | 10.0 |
2020.3 | 105241 | 1615 | 1560 | -895 | -29.5 | 10.0 |
2021.3(予) | 104000 | 1800 | 1700 | 500 | 16.5 | 10.0 |
2022.3(予) | 111000 | 3700 | 3600 | 1500 | 49.4 | 10.0 |
(2020.3ベース)
(注)2012.3期は決算期変更で6ヵ月決算。ROE、PER、配当利回りは今期予想ベース。09.9期で1:200、12年4月、6月に各々1:2の株式分割を実施。それ以前のEPS、配当は修正ベース。
企業レーティングの定義:当該企業の、(1)経営者の経営力、(2)事業の成長力・持続力、(3)業績下方修正の可能性、という点から定性評価している。A:良好である、B:一定の努力を要する、C:相当の改善を要する、D:極めて厳しい局面にある、という4段階で示す。
レポート全文はこちらから
http://www.belletk.com/medelikarusisutemuneltutowa-ku202005.pdf
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