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Jストリームのニュース
■業績動向
1. 2020年3月期の業績動向
Jストリーム<4308>の2020年3月期の業績は、売上高8,442百万円(前期比24.5%増)、営業利益547百万円(同74.7%増)、経常利益562百万円(同76.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益249百万円(同27.4%増)と非常に好調だった。業種別では、ライブ配信が好調の医薬系が前年比20.7%増収と大幅伸長、大口案件が活発だった放送系も同21.8%増収と、売上構成比が合計6割に迫る主力2業種の伸びが順調だった。また、構成比は大きくないが学校や学習塾など教育系も同30%近い増収となった。映像制作系子会社はやや低迷したが、2019年8月に連結子会社となったビッグエムズワイは医薬系向け映像制作が好調だった。
業績好調につき、ビッグエムズワイの連結子会社化に伴い2019年7月に修正発表した計画に比べても、売上高で282百万円、営業利益で127百万円、経常利益で132百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で39百万円の超過達成となった。超過達成の理由は、主力2業種やビッグエムズワイの好調に加え、2020年2月中盤から新型コロナウイルス感染症対策の影響で、少人数で収録するライブ配信や事前収録への引き合いが急増したことによる。また、医薬業界を中心に案件が多く獲得できたこと、「ステイホーム」によるコンテンツ視聴の増加でデータ流量が増加したことも超過達成につながった。
2020年3月期は、5G時代の新たなサービスの可能性やNHKの同時配信の開始が注目され、動画配信の需要に弾みがついたように思われる。このためメディア系のコンテンツ配信や、各種運用・監視、システム開発、医薬系業界のWeb講演会関連のライブ配信などの売上げが順調に拡大することとなった。良好な外部環境の下、同社は、メディアの動画配信ビジネスや医薬系企業との新たな協業への体制を構築する策を推進したが、施策の一環としてリアルタイム動画編集サービス「Grabyo」の販売も開始した。多数のカメラを使用するスポーツなどライブ中継で、スイッチングで映像を切り出して編集する放送と、自社サイトや他社サイト、SNSなど複数のアプリケーションを使い分ける配信を統合し、クラウドベースで運用を可能にするサービスである。既にJ SPORTSで採用されており、ラグビーやプロ野球などの映像を様々なSNSで配信している。
2020年2月になると、新型コロナウイルス感染症による自粛が広がるなか、大人数の集まるイベントなどのライブ配信について相当数のキャンセルが発生した。一方でWebを通じた各種のコミュニケーション利用が急速に拡大するきっかけにもなった。つまり、Web講演会や社員集会、卒業式典、入社式、社長訓話、採用セミナー、社内研修、株主総会などにおいて、人との接触機会を減らせる少人数によるライブ配信や事前収録の受注が急増、売上げを押し上げた。また、従来から利用されていた学校や学習塾などのオンデマンド配信利用時間が増加したため、データ流量増からネットワーク売上げ(CDN)も急拡大した。このため教育系に関しては、社会貢献的観点もあり、収録済みのイベントやセミナーの映像ファイルを特定の日時にライブ形式で配信する「疑似ライブ配信」のパッケージ(質問も可能)や、学校法人の授業動画配信のニーズに対して「J-Stream Equipmedia」と(株)フォトロンの反転授業用ビデオ教材作成アプリ「Photron-Mobile Video Creator」のセットを、いずれも3ヶ月間無償で提供することとした。
利益面では、労務費や各種償却費の伸びは売上げの伸びを下回った。メディア向けの技術サポート業務の拡大やビッグエムズワイの子会社化に伴う外注費が増加したため売上原価は増大した。しかし売上高も伸びたため、原価率はほぼ横ばいとなった。一方、業容拡大により人員は増加したものの、売上拡大やRPA(Robotic Process Automation:ソフトウェアに組み込まれたロボットにより業務効率化を実現すること)などによって販管費の効率化が進んだため営業利益率が改善、営業利益、経常利益の大幅増加につながった。なお、グループ拡大による機能の重複や市場環境の変化に伴い、今後の販売拡大が見込めないソフトウェアや利用状況の芳しくない施設などについて減損処理した。この結果、特別損失70百万円を計上した。四半期ごとの業績を見ると、第2四半期以降、ビッグエムズワイの完全子会社化による連結組入れに伴う医薬系販促のニーズへの対応力強化、5G時代の新しいサービスへの関心やNHKの同時配信の開始、新型コロナウイルスによるWebコミュニケーションの重視が、積み重なるように売上高と利益を押し上げたことが分かる。
全セグメントが増収
2. 2020年3月期セグメント別の業績動向
セグメント別の業績は、配信事業が売上高4,230百万円(前期比20.0%増)、営業利益1,081百万円(同16.9%増)、制作・システム開発事業が売上高3,443百万円(同36.9%増)、営業利益215百万円(同42.2%増)、その他の事業が売上高768百万円(同3.8%増)、営業利益▲30百万円(15百万円の増益)だった。
配信事業は、メディア系で大規模なコンテンツ配信や技術サポート、運用受託業務の受注が順調に推移、医薬系では情報提供のためのライブ配信の受注が大口取引先を始め順調に推移した。第4四半期は加えて、新型コロナウイルス感染症対策のため少人数によるライブ配信ニーズを吸収、配信増加に伴うデータの超過流量の発生も収益拡大に寄与した。制作・システム開発事業では、Webや映像の制作で大口案件が少なく、スタジオの利用も低水準で推移したが、配信サイトのリニューアルに伴うシステム開発、機材導入を伴うeスポーツのスタジオ設計、教育動画に関わるシステム開発などで大口受注が得られ、ビッグエムズワイの医薬系の映像制作やシステム開発も収益を押し上げた。その他の事業では、エンコード設備の販売とインテグレーション業務で前期ほどの大口受注はなかったが、医薬系を中心に広告関連売上が伸長した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
<EY>
1. 2020年3月期の業績動向
Jストリーム<4308>の2020年3月期の業績は、売上高8,442百万円(前期比24.5%増)、営業利益547百万円(同74.7%増)、経常利益562百万円(同76.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益249百万円(同27.4%増)と非常に好調だった。業種別では、ライブ配信が好調の医薬系が前年比20.7%増収と大幅伸長、大口案件が活発だった放送系も同21.8%増収と、売上構成比が合計6割に迫る主力2業種の伸びが順調だった。また、構成比は大きくないが学校や学習塾など教育系も同30%近い増収となった。映像制作系子会社はやや低迷したが、2019年8月に連結子会社となったビッグエムズワイは医薬系向け映像制作が好調だった。
業績好調につき、ビッグエムズワイの連結子会社化に伴い2019年7月に修正発表した計画に比べても、売上高で282百万円、営業利益で127百万円、経常利益で132百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で39百万円の超過達成となった。超過達成の理由は、主力2業種やビッグエムズワイの好調に加え、2020年2月中盤から新型コロナウイルス感染症対策の影響で、少人数で収録するライブ配信や事前収録への引き合いが急増したことによる。また、医薬業界を中心に案件が多く獲得できたこと、「ステイホーム」によるコンテンツ視聴の増加でデータ流量が増加したことも超過達成につながった。
2020年3月期は、5G時代の新たなサービスの可能性やNHKの同時配信の開始が注目され、動画配信の需要に弾みがついたように思われる。このためメディア系のコンテンツ配信や、各種運用・監視、システム開発、医薬系業界のWeb講演会関連のライブ配信などの売上げが順調に拡大することとなった。良好な外部環境の下、同社は、メディアの動画配信ビジネスや医薬系企業との新たな協業への体制を構築する策を推進したが、施策の一環としてリアルタイム動画編集サービス「Grabyo」の販売も開始した。多数のカメラを使用するスポーツなどライブ中継で、スイッチングで映像を切り出して編集する放送と、自社サイトや他社サイト、SNSなど複数のアプリケーションを使い分ける配信を統合し、クラウドベースで運用を可能にするサービスである。既にJ SPORTSで採用されており、ラグビーやプロ野球などの映像を様々なSNSで配信している。
2020年2月になると、新型コロナウイルス感染症による自粛が広がるなか、大人数の集まるイベントなどのライブ配信について相当数のキャンセルが発生した。一方でWebを通じた各種のコミュニケーション利用が急速に拡大するきっかけにもなった。つまり、Web講演会や社員集会、卒業式典、入社式、社長訓話、採用セミナー、社内研修、株主総会などにおいて、人との接触機会を減らせる少人数によるライブ配信や事前収録の受注が急増、売上げを押し上げた。また、従来から利用されていた学校や学習塾などのオンデマンド配信利用時間が増加したため、データ流量増からネットワーク売上げ(CDN)も急拡大した。このため教育系に関しては、社会貢献的観点もあり、収録済みのイベントやセミナーの映像ファイルを特定の日時にライブ形式で配信する「疑似ライブ配信」のパッケージ(質問も可能)や、学校法人の授業動画配信のニーズに対して「J-Stream Equipmedia」と(株)フォトロンの反転授業用ビデオ教材作成アプリ「Photron-Mobile Video Creator」のセットを、いずれも3ヶ月間無償で提供することとした。
利益面では、労務費や各種償却費の伸びは売上げの伸びを下回った。メディア向けの技術サポート業務の拡大やビッグエムズワイの子会社化に伴う外注費が増加したため売上原価は増大した。しかし売上高も伸びたため、原価率はほぼ横ばいとなった。一方、業容拡大により人員は増加したものの、売上拡大やRPA(Robotic Process Automation:ソフトウェアに組み込まれたロボットにより業務効率化を実現すること)などによって販管費の効率化が進んだため営業利益率が改善、営業利益、経常利益の大幅増加につながった。なお、グループ拡大による機能の重複や市場環境の変化に伴い、今後の販売拡大が見込めないソフトウェアや利用状況の芳しくない施設などについて減損処理した。この結果、特別損失70百万円を計上した。四半期ごとの業績を見ると、第2四半期以降、ビッグエムズワイの完全子会社化による連結組入れに伴う医薬系販促のニーズへの対応力強化、5G時代の新しいサービスへの関心やNHKの同時配信の開始、新型コロナウイルスによるWebコミュニケーションの重視が、積み重なるように売上高と利益を押し上げたことが分かる。
全セグメントが増収
2. 2020年3月期セグメント別の業績動向
セグメント別の業績は、配信事業が売上高4,230百万円(前期比20.0%増)、営業利益1,081百万円(同16.9%増)、制作・システム開発事業が売上高3,443百万円(同36.9%増)、営業利益215百万円(同42.2%増)、その他の事業が売上高768百万円(同3.8%増)、営業利益▲30百万円(15百万円の増益)だった。
配信事業は、メディア系で大規模なコンテンツ配信や技術サポート、運用受託業務の受注が順調に推移、医薬系では情報提供のためのライブ配信の受注が大口取引先を始め順調に推移した。第4四半期は加えて、新型コロナウイルス感染症対策のため少人数によるライブ配信ニーズを吸収、配信増加に伴うデータの超過流量の発生も収益拡大に寄与した。制作・システム開発事業では、Webや映像の制作で大口案件が少なく、スタジオの利用も低水準で推移したが、配信サイトのリニューアルに伴うシステム開発、機材導入を伴うeスポーツのスタジオ設計、教育動画に関わるシステム開発などで大口受注が得られ、ビッグエムズワイの医薬系の映像制作やシステム開発も収益を押し上げた。その他の事業では、エンコード設備の販売とインテグレーション業務で前期ほどの大口受注はなかったが、医薬系を中心に広告関連売上が伸長した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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