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Jストリームのニュース
■業績動向
3. 2021年3月期の業績見通し
Jストリーム<4308>は2021年3月期も、従来同様OTTとEVCの領域において、メディア系企業、医薬系企業、その他一般企業の3方向へ向けて業容を拡大する方針である。具体的な計画は、メディア系企業では、放送同時配信に求められる大規模配信やタイムラグのない超低遅延配信、広告配信、番組編成処理機能といったサービスの開発を進める。医薬系企業向けには、収益の柱にもなっているライブ配信の受託体制をさらに強化する一方、プロモーションなどデジタルマーケティングをトータルでサポートする体制を整備して新たな需要を開拓する。一般企業向けには、あらゆるビジネスシーンで利用可能な動画ソリューションを展開していく。同社の動画配信機能だけで解決できない課題があれば、有力なSaaSや各種サービスプラットフォームと連携していく方針である。
こうした計画に合わせ、4月に総務省設立の「インターネットトラヒック流通効率化検討協議会」への参加を発表した。インターネットコンテンツの円滑な流通を図るため、コンテンツ事業者とネットワーク事業者などが協力体制を構築し、定期的に情報共有や課題検討を行う予定である。5月には、前述したように、フジ・メディア・ホールディングスが同社子会社であるCO3のオンキヨー保有全株式(800株、44.4%)を譲り受けている。同社を経由しCO3が長期にわたり開発・運用を行ってきたフジテレビの動画配信サービス「FOD」の事業展開において、同社グループとフジテレビの間で、今後更なる連携強化を図ることが目的である。このほか、リモートワークやリモートスタディの拡大を背景に、スマートフォンで撮影した素材をスマートフォンで同社に送信しプロが編集する3ステップパッケージや、CG合成で動画を作成するリモートバーチャルスタジオ、疑似ライブ配信、iPadライブ配信といったソリューションサービスを強化する。既にリモートワーク支援として、医学学会向けセミナーのバーチャル化やハイブリッド型バーチャル株主総会などを実施しており、今後の業容拡大が期待されている分野である。
しかしながら、昨今の新型コロナウイルスの世界規模での感染拡大に伴い、経済の不確実性が増している。また、同社も社員の健康管理を考え、オフィスにおけるマスク着用や消毒、換気を徹底するとともに、4月時点で8割以上の人員がテレワークの体制にある。ライブ現場でのスタッフについては、いわゆる「3密」を回避するとともに、移動距離や担当現場件数を制限するなどの配慮も取っている。一方で5Gへの移行や放送同時配信の拡大など外部環境が良好なところに、「3密」回避を背景にした動画配信へのニーズが強まっている。こうした状況を考慮し、本来であれば2021年3月期は増収増益も狙えるであろうが、同社は合理的な業績予想数値の算出が困難であるとし、業績予想を未定とした。なお、今後新型コロナウイルス感染症の収束に関する見通しがつき、業績への影響を適正に予測することが可能となった時点で速やかに開示する方針である。
5Gの普及やITリテラシー向上も同社の中長期成長を支える好材料
4. 中期成長イメージ
中長期視点から、戦略的先行投資を行ってきた動画配信という成長市場において、同社の成果が徐々に現れてきたと言うことができる。新型コロナウイルスの感染拡大は1つのきっかけだが、ビジネス界における動画配信へのニーズが急速に高まっており、今後、先行投資一巡によって営業利益率が改善していくと想定される。一方、リスクもある。動画配信のコモディティ化による競争激化、無料配信というビジネスモデルとの競合、ITリテラシーの高まりによる一般企業の動画の内製化、特定の業界への高い依存度、新型コロナウイルス感染症による経済の疲弊などである。しかし、追い風の吹く成長市場で、強力な商品ラインナップと自社CDNの配信能力、経験豊富な運用サポート、最新技術への対応力、現場対応力を含めたワンストップソリューションなど長年蓄積された強みを生かし、同社がそうしたリスクを克服していく可能性は高いと考えられる。2020年3月期は大幅な増益となった。業績見通しを未定とした2021年3月期も、本来であれば増収増益が視野に入ってよいと思われる。中期的には、5Gの普及やビジネス界のITリテラシー向上の恩恵を受けることが予想される。今後、中長期成長企業としての評価が高まっていくと考えられる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
<EY>
3. 2021年3月期の業績見通し
Jストリーム<4308>は2021年3月期も、従来同様OTTとEVCの領域において、メディア系企業、医薬系企業、その他一般企業の3方向へ向けて業容を拡大する方針である。具体的な計画は、メディア系企業では、放送同時配信に求められる大規模配信やタイムラグのない超低遅延配信、広告配信、番組編成処理機能といったサービスの開発を進める。医薬系企業向けには、収益の柱にもなっているライブ配信の受託体制をさらに強化する一方、プロモーションなどデジタルマーケティングをトータルでサポートする体制を整備して新たな需要を開拓する。一般企業向けには、あらゆるビジネスシーンで利用可能な動画ソリューションを展開していく。同社の動画配信機能だけで解決できない課題があれば、有力なSaaSや各種サービスプラットフォームと連携していく方針である。
こうした計画に合わせ、4月に総務省設立の「インターネットトラヒック流通効率化検討協議会」への参加を発表した。インターネットコンテンツの円滑な流通を図るため、コンテンツ事業者とネットワーク事業者などが協力体制を構築し、定期的に情報共有や課題検討を行う予定である。5月には、前述したように、フジ・メディア・ホールディングスが同社子会社であるCO3のオンキヨー保有全株式(800株、44.4%)を譲り受けている。同社を経由しCO3が長期にわたり開発・運用を行ってきたフジテレビの動画配信サービス「FOD」の事業展開において、同社グループとフジテレビの間で、今後更なる連携強化を図ることが目的である。このほか、リモートワークやリモートスタディの拡大を背景に、スマートフォンで撮影した素材をスマートフォンで同社に送信しプロが編集する3ステップパッケージや、CG合成で動画を作成するリモートバーチャルスタジオ、疑似ライブ配信、iPadライブ配信といったソリューションサービスを強化する。既にリモートワーク支援として、医学学会向けセミナーのバーチャル化やハイブリッド型バーチャル株主総会などを実施しており、今後の業容拡大が期待されている分野である。
しかしながら、昨今の新型コロナウイルスの世界規模での感染拡大に伴い、経済の不確実性が増している。また、同社も社員の健康管理を考え、オフィスにおけるマスク着用や消毒、換気を徹底するとともに、4月時点で8割以上の人員がテレワークの体制にある。ライブ現場でのスタッフについては、いわゆる「3密」を回避するとともに、移動距離や担当現場件数を制限するなどの配慮も取っている。一方で5Gへの移行や放送同時配信の拡大など外部環境が良好なところに、「3密」回避を背景にした動画配信へのニーズが強まっている。こうした状況を考慮し、本来であれば2021年3月期は増収増益も狙えるであろうが、同社は合理的な業績予想数値の算出が困難であるとし、業績予想を未定とした。なお、今後新型コロナウイルス感染症の収束に関する見通しがつき、業績への影響を適正に予測することが可能となった時点で速やかに開示する方針である。
5Gの普及やITリテラシー向上も同社の中長期成長を支える好材料
4. 中期成長イメージ
中長期視点から、戦略的先行投資を行ってきた動画配信という成長市場において、同社の成果が徐々に現れてきたと言うことができる。新型コロナウイルスの感染拡大は1つのきっかけだが、ビジネス界における動画配信へのニーズが急速に高まっており、今後、先行投資一巡によって営業利益率が改善していくと想定される。一方、リスクもある。動画配信のコモディティ化による競争激化、無料配信というビジネスモデルとの競合、ITリテラシーの高まりによる一般企業の動画の内製化、特定の業界への高い依存度、新型コロナウイルス感染症による経済の疲弊などである。しかし、追い風の吹く成長市場で、強力な商品ラインナップと自社CDNの配信能力、経験豊富な運用サポート、最新技術への対応力、現場対応力を含めたワンストップソリューションなど長年蓄積された強みを生かし、同社がそうしたリスクを克服していく可能性は高いと考えられる。2020年3月期は大幅な増益となった。業績見通しを未定とした2021年3月期も、本来であれば増収増益が視野に入ってよいと思われる。中期的には、5Gの普及やビジネス界のITリテラシー向上の恩恵を受けることが予想される。今後、中長期成長企業としての評価が高まっていくと考えられる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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