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Appier Groupのニュース
*14:45JST Appier Research Memo(5):包括的なAIソリューションをワンストップで提供(3)
■会社概要
(2) AIエキスパートとビジネスに精通した経営陣
既述のとおり、Appier Group<4180>の創業者及び経営陣にはAIエキスパートが多数在籍している。また、経験豊富な従業員が多数在籍しているほか、他の取締役やアドバイザーの専門的な知見も生かせる強みを持っている。一例を挙げると、ファイナンス担当SVPの橘浩二氏は東京大学法学部を卒業後に野村證券(株)に入社し、企業の資金調達やIPO(新規株式公開)に10年間従事した後、経済産業省の資源エネルギー庁で政府保有資産の売却などを担当した。その後、独立系投資アドバイザーとして投資ビジネスに従事し、ディー・エヌ・エー<2432>執行役員としてコーポレート・ファイナンス部門を率い、M&A戦略、財務、経理、広報、IR、社内IT化などの実務に携わった経歴を持つ。また、最高戦略責任者のJoe Chang博士は、米大手戦略コンサルタントのMcKinsey & Company, Inc.出身であり、新しい市場や技術における事業機会を獲得するためのM&A及びパートナーシップ戦略を統括している。
(3) プラットフォームの価値を高めるネットワーク効果
同社は、相互に補完的で綿密にリンクした7つのソリューション(「CrossX」「AIXPERT」「AIQUA」「BotBonnie」「AiDeal」「AIXON」「AIRIS」)をプラットフォームとして提供することで、強力なネットワーク効果を生み出している。
a) 既存顧客の利用拡大による好循環
同社のソリューションは機械学習を活用しているため、顧客の利用に応じて分析されるデータ量が増加し、予測の精度が向上する。これにより顧客の満足度は高まり、利用促進と定着が図られるとともに、別のソリューション導入への意欲が高まる。顧客が別のソリューションを導入し利用が促進されれば、分析されるデータの種類と網羅性が上がり、同社のAIアルゴリズムの精度はさらに向上する。これにより顧客の満足度はさらに高まる、という好循環になる。
同社の月次顧客解約率は0.617%(2022年12月期)と過去最低レベルまで改善し、NRR(Net Revenue Retention Rate=売上継続率)は121.8%(同・USD建)と円安の環境下でも高い水準であることからも、顧客ロイヤルティが高いことが窺える。
b) 営業生産性の向上
既存顧客の利用拡大による好循環に加え、営業生産性の向上も継続している。各国の潜在顧客を探索し、最も適切なタイミングでアプローチするという効率的な営業組織を体系的なアプローチで構築し、マスマーケティングではなく、ターゲットを絞ったアカウントベースマーケティングを活用し、効率的に顧客にソリューションを訴求する。その結果、顧客獲得数が増え、投資回収サイクルの短縮を実現した。
c) リカーリング売上収益増加と売上総利益率改善・営業レバレッジ
分析されるデータ量が増加することによる同社のAIアルゴリズムの継続的な精度向上を背景として、顧客のマーケティング投資に対して予測可能なソリューションに対する高い顧客満足度から、安定した収益源であるリカーリング売上収益※が増加する傾向にある。利益率に関して、「CrossX」はAIアルゴリズムの精度が継続的に向上することで、より少ない広告プラットフォーム利用料で多くのユーザーを獲得できるようになることから、売上総利益率の改善が見込まれる。さらに、売上総利益率が比較的高い「CrossX」以外のプロダクトの顧客基盤を拡大することも売上総利益率向上につながる。加えて同社は、収益基盤が拡大するにつれて販管費率が低下する傾向にあることも営業利益率改善につながっている。
※利用量ベースの価格体系・サブスクリプションベースの価格体系のソリューションともに継続的に収益計上される可能性が高い売上収益。
既述のとおり、同社の提供するソリューションはデジタルマーケティングのすべてのフェーズに対応している。また、単体でも効果を発揮するが、各ソリューションが高度に連携・統合されていることから、組み合わせて使うことによってさらに大きなシナジーが期待できる。このため、解約率は低く、NRRは高い傾向が続いている。これらも業績拡大に寄与していると弊社では見ている。
(4) 戦略的なM&Aによるポートフォリオの拡大
同社は内製でのソリューション開発に加えて、既存ソリューションとの補完性を勘案しながら戦略的にM&Aを行うことでポートフォリオを拡大してきた。一例を挙げると、2018年にはインドのQuantumgraph Solutions Private Limited.を、2019年には日本のEmotion Intelligence(株)を買収した。両社のソリューションを同社の最先端のAI機能を活用し再設計・改良することで「AIQUA」と「AiDeal」を開発し、顧客拡大に寄与している。2021年には「BotBonnie」を提供する台湾のBotBonnie Inc.を買収し、「BotBonnie」を複数の言語にローカライズし、サービスを提供するチャネルをLINE、FacebookからInstagram、WeChat、WhatsAppへ拡大することで販売地域及びターゲットユーザーを拡大した。2022年には米国のWoopraを買収し、2ヶ月で「AIRIS」を開発している。
同社は、進出する領域を特定し、同社グループのソリューションや事業展開地域を補完する適切なターゲットを体系立てて探し出し、買収したソリューションを同社システムと融合させ、同社の最先端のAI機能を活用し再設計・改良することで顧客を拡大してきた。今後も同様の手法で新製品の開発や進出地域の拡大を図っていく考えだ。
(5) アジア太平洋地域にまたがる顧客基盤
同社は創業以来グローバルに事業を拡大し、2022年12月期末時点で17都市にオフィスを構えている。主要地域である北東アジア(日本及び韓国)、グレーターチャイナ(台湾、香港及び中国(海外展開のみ))、東南アジアが継続的に成長していることに加え、2020年12月期に進出した米国及びEMEA地域が急成長している。2022年12月期の米国及びEMEA地域の売上収益は、前期比7倍超に急伸した。同社はそれぞれの国・地域に合わせて体系的に事業を拡大できるよう、ノウハウ、インフラ、人材を整えており、今後のグローバル展開にも積極的に活用していく方針だ。
また、幅広い業種の顧客を有することも強みとなっている。2022年12月期の業種別売上構成比はEコマース43%、デジタルコンテンツ38%、その他インターネットサービス12%、消費財ブランド&金融サービス7%であった。顧客基盤を多様化しリスクの分散を図ることで、安定した収益を実現していると弊社では評価している。
(6) グローバルなセールスチームによる事業拡大
同社は、国際的かつ経験豊富なセールスチームをアジア太平洋、欧州及び米国の主要な市場に展開しており、独自の市場獲得戦略によって事業拡大及び顧客基盤構築を実現している。さらに、導入後は顧客のニーズを把握し、利用促進を図るカスタマーサクセスチームが対応している。これにより利用促進と定着が図られ、アップセル・クロスセルを実現している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)
<YI>
(2) AIエキスパートとビジネスに精通した経営陣
既述のとおり、Appier Group<4180>の創業者及び経営陣にはAIエキスパートが多数在籍している。また、経験豊富な従業員が多数在籍しているほか、他の取締役やアドバイザーの専門的な知見も生かせる強みを持っている。一例を挙げると、ファイナンス担当SVPの橘浩二氏は東京大学法学部を卒業後に野村證券(株)に入社し、企業の資金調達やIPO(新規株式公開)に10年間従事した後、経済産業省の資源エネルギー庁で政府保有資産の売却などを担当した。その後、独立系投資アドバイザーとして投資ビジネスに従事し、ディー・エヌ・エー<2432>執行役員としてコーポレート・ファイナンス部門を率い、M&A戦略、財務、経理、広報、IR、社内IT化などの実務に携わった経歴を持つ。また、最高戦略責任者のJoe Chang博士は、米大手戦略コンサルタントのMcKinsey & Company, Inc.出身であり、新しい市場や技術における事業機会を獲得するためのM&A及びパートナーシップ戦略を統括している。
(3) プラットフォームの価値を高めるネットワーク効果
同社は、相互に補完的で綿密にリンクした7つのソリューション(「CrossX」「AIXPERT」「AIQUA」「BotBonnie」「AiDeal」「AIXON」「AIRIS」)をプラットフォームとして提供することで、強力なネットワーク効果を生み出している。
a) 既存顧客の利用拡大による好循環
同社のソリューションは機械学習を活用しているため、顧客の利用に応じて分析されるデータ量が増加し、予測の精度が向上する。これにより顧客の満足度は高まり、利用促進と定着が図られるとともに、別のソリューション導入への意欲が高まる。顧客が別のソリューションを導入し利用が促進されれば、分析されるデータの種類と網羅性が上がり、同社のAIアルゴリズムの精度はさらに向上する。これにより顧客の満足度はさらに高まる、という好循環になる。
同社の月次顧客解約率は0.617%(2022年12月期)と過去最低レベルまで改善し、NRR(Net Revenue Retention Rate=売上継続率)は121.8%(同・USD建)と円安の環境下でも高い水準であることからも、顧客ロイヤルティが高いことが窺える。
b) 営業生産性の向上
既存顧客の利用拡大による好循環に加え、営業生産性の向上も継続している。各国の潜在顧客を探索し、最も適切なタイミングでアプローチするという効率的な営業組織を体系的なアプローチで構築し、マスマーケティングではなく、ターゲットを絞ったアカウントベースマーケティングを活用し、効率的に顧客にソリューションを訴求する。その結果、顧客獲得数が増え、投資回収サイクルの短縮を実現した。
c) リカーリング売上収益増加と売上総利益率改善・営業レバレッジ
分析されるデータ量が増加することによる同社のAIアルゴリズムの継続的な精度向上を背景として、顧客のマーケティング投資に対して予測可能なソリューションに対する高い顧客満足度から、安定した収益源であるリカーリング売上収益※が増加する傾向にある。利益率に関して、「CrossX」はAIアルゴリズムの精度が継続的に向上することで、より少ない広告プラットフォーム利用料で多くのユーザーを獲得できるようになることから、売上総利益率の改善が見込まれる。さらに、売上総利益率が比較的高い「CrossX」以外のプロダクトの顧客基盤を拡大することも売上総利益率向上につながる。加えて同社は、収益基盤が拡大するにつれて販管費率が低下する傾向にあることも営業利益率改善につながっている。
※利用量ベースの価格体系・サブスクリプションベースの価格体系のソリューションともに継続的に収益計上される可能性が高い売上収益。
既述のとおり、同社の提供するソリューションはデジタルマーケティングのすべてのフェーズに対応している。また、単体でも効果を発揮するが、各ソリューションが高度に連携・統合されていることから、組み合わせて使うことによってさらに大きなシナジーが期待できる。このため、解約率は低く、NRRは高い傾向が続いている。これらも業績拡大に寄与していると弊社では見ている。
(4) 戦略的なM&Aによるポートフォリオの拡大
同社は内製でのソリューション開発に加えて、既存ソリューションとの補完性を勘案しながら戦略的にM&Aを行うことでポートフォリオを拡大してきた。一例を挙げると、2018年にはインドのQuantumgraph Solutions Private Limited.を、2019年には日本のEmotion Intelligence(株)を買収した。両社のソリューションを同社の最先端のAI機能を活用し再設計・改良することで「AIQUA」と「AiDeal」を開発し、顧客拡大に寄与している。2021年には「BotBonnie」を提供する台湾のBotBonnie Inc.を買収し、「BotBonnie」を複数の言語にローカライズし、サービスを提供するチャネルをLINE、FacebookからInstagram、WeChat、WhatsAppへ拡大することで販売地域及びターゲットユーザーを拡大した。2022年には米国のWoopraを買収し、2ヶ月で「AIRIS」を開発している。
同社は、進出する領域を特定し、同社グループのソリューションや事業展開地域を補完する適切なターゲットを体系立てて探し出し、買収したソリューションを同社システムと融合させ、同社の最先端のAI機能を活用し再設計・改良することで顧客を拡大してきた。今後も同様の手法で新製品の開発や進出地域の拡大を図っていく考えだ。
(5) アジア太平洋地域にまたがる顧客基盤
同社は創業以来グローバルに事業を拡大し、2022年12月期末時点で17都市にオフィスを構えている。主要地域である北東アジア(日本及び韓国)、グレーターチャイナ(台湾、香港及び中国(海外展開のみ))、東南アジアが継続的に成長していることに加え、2020年12月期に進出した米国及びEMEA地域が急成長している。2022年12月期の米国及びEMEA地域の売上収益は、前期比7倍超に急伸した。同社はそれぞれの国・地域に合わせて体系的に事業を拡大できるよう、ノウハウ、インフラ、人材を整えており、今後のグローバル展開にも積極的に活用していく方針だ。
また、幅広い業種の顧客を有することも強みとなっている。2022年12月期の業種別売上構成比はEコマース43%、デジタルコンテンツ38%、その他インターネットサービス12%、消費財ブランド&金融サービス7%であった。顧客基盤を多様化しリスクの分散を図ることで、安定した収益を実現していると弊社では評価している。
(6) グローバルなセールスチームによる事業拡大
同社は、国際的かつ経験豊富なセールスチームをアジア太平洋、欧州及び米国の主要な市場に展開しており、独自の市場獲得戦略によって事業拡大及び顧客基盤構築を実現している。さらに、導入後は顧客のニーズを把握し、利用促進を図るカスタマーサクセスチームが対応している。これにより利用促進と定着が図られ、アップセル・クロスセルを実現している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)
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