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エア・ウォーターのニュース
*13:41JST デリカフHD Research Memo(1):第五次中期経営計画では、2027年3月期経常利益で18億円を目指す
■要約
デリカフーズホールディングス<3392>は、青果物加工流通分野において野菜の価値を追求し、未来に向けた「持続可能な農業」と「食を通じた健康増進」を実現する付加価値創造企業である。ミッションとして「青果物の流通を通じて日本の農業の発展と人々の健康増進に貢献する」、ビジョンとして「未来の子供たちが安全でおいしい野菜をいつでも食べられる持続可能なインフラを構築する」を掲げ、事業活動を展開している。
1. 第五次中期経営計画の概要
同社は、2024年5月に第五次中期経営計画「keep on trying 2027」(2025年3月期〜2027年3月期)を発表した。第四次中期経営計画で全国主要拠点へのFSセンター※設置を完了し、今後3年間は長期ビジョン(10年後のありたい姿)として掲げた売上目標1,000億円の実現に向けて、収益性向上を図ると同時に様々な取り組みに挑戦(try)する期間と位置付けた。事業戦略として、1) 各種ポートフォリオ(以下、PF)の変革、2) 青果物サプライチェーンの構造変革、3) 研究部門・開発部門への投資拡大の3点に取り組み、業績目標として2027年3月期に売上高600億円、経常利益18億円を掲げた。3年間の年平均成長率は売上高で4.3%、経常利益で12.7%となる。また、ROE(自己資本当期純益率)は同社が想定する現在の株主資本コストの水準(5〜10%)を上回る10.2%を目指す。
※FS(Fresh&Speedy)センターは、コールドチェーン(5℃帯)を実現する製造加工・物流拠点。既に東京、西東京、埼玉、愛知、奈良、福岡、仙台(提携拠点)に開設しており、2024年4月の大阪FSセンター開設により主要大都市圏でのFSセンター設置が完了した。
2. 事業戦略について
PFの変革については、事業PF、顧客PF、商品PFそれぞれの変革を進めていく。事業PFは主力の青果物事業に加えて、「物流2024年問題」を好機として捉え、物流事業の育成に取り組んでいく。顧客PFについては顧客ごとに将来性や収益性などを分析し、顧客の選択と集中を図っていく。商品PFは、ホール野菜やカット野菜だけでなく加工度の高い商品(高付加価値商品)の販売拡大や、BtoC事業並びに輸出事業の育成に取り組んでいく。青果物サプライチェーンの構造改革では、輸入依存度の高い野菜の国内調達比率引き上げや、長期保存技術の確立による調達インフラの再構築、業務提携先企業※との協業によるサプライチェーン全体の合理化を推進する考えだ。
※2023年2月にエア・ウォーター<4088>、(株)ベジテックと業務提携を発表したのに続き、2024年3月に(株)神明ホールディングスも提携に加わり4社協業体制となった。当社は、このほかに全農との間でも2018年に業務提携契約を締結している。
3. 財務戦略と株主還元策
財務戦略としては、1) キャッシュ・フローの配分適正化、2) 配当性向目線の転換、3) 資本コストを意識した取組みの強化の3点を基本戦略として取り組んでいく。キャッシュ・アロケーションについては、企業価値の拡大につながる成長戦略投資(研究開発投資、人財開発投資、調達・貯蔵インフラ整備、その他(M&Aなど))を優先的に実施していくほか、維持・更新投資(30億〜40億円)や株主還元(8億〜10億円)などのキャッシュ・アウトを見込んでおり、これらの資金を営業キャッシュ・フロー(3年で約60億円)や、必要であれば借入金等で充当することにしている。株主還元方針は、継続的かつ安定的な配当を行うことを基本としつつ、大型設備投資が一巡したことから、2025年3月期からは連結配当性向の目線を従来の20%程度から30%程度に引き上げた。2025年3月期の1株当たり配当金は前期と同額の12.0円(配当性向30.1%)を予定している。今後利益成長が続けば増配が期待できることになる。また、投資回収後フェーズでは自己株式取得も機動的に検討する意向だ。なお、従来より株主優待制度も導入しており、保有株式数や継続保有期間によって自社商品等の贈呈を行っている。
■Key Points
・第五次中期経営計画は、長期ビジョンの実現に向け様々な挑戦を行う期間として位置付け
・2027年3月期に売上高600億円、経常利益18億円、ROE10.2%を目標に掲げる
・事業構造の変革とサプライチェーン構造の改革に取り組み、収益性向上を目指す
・営業キャッシュ・フローと借入金等で成長戦略投資や設備維持・更新投資、株主還元資金を賄う方針
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<SO>
デリカフーズホールディングス<3392>は、青果物加工流通分野において野菜の価値を追求し、未来に向けた「持続可能な農業」と「食を通じた健康増進」を実現する付加価値創造企業である。ミッションとして「青果物の流通を通じて日本の農業の発展と人々の健康増進に貢献する」、ビジョンとして「未来の子供たちが安全でおいしい野菜をいつでも食べられる持続可能なインフラを構築する」を掲げ、事業活動を展開している。
1. 第五次中期経営計画の概要
同社は、2024年5月に第五次中期経営計画「keep on trying 2027」(2025年3月期〜2027年3月期)を発表した。第四次中期経営計画で全国主要拠点へのFSセンター※設置を完了し、今後3年間は長期ビジョン(10年後のありたい姿)として掲げた売上目標1,000億円の実現に向けて、収益性向上を図ると同時に様々な取り組みに挑戦(try)する期間と位置付けた。事業戦略として、1) 各種ポートフォリオ(以下、PF)の変革、2) 青果物サプライチェーンの構造変革、3) 研究部門・開発部門への投資拡大の3点に取り組み、業績目標として2027年3月期に売上高600億円、経常利益18億円を掲げた。3年間の年平均成長率は売上高で4.3%、経常利益で12.7%となる。また、ROE(自己資本当期純益率)は同社が想定する現在の株主資本コストの水準(5〜10%)を上回る10.2%を目指す。
※FS(Fresh&Speedy)センターは、コールドチェーン(5℃帯)を実現する製造加工・物流拠点。既に東京、西東京、埼玉、愛知、奈良、福岡、仙台(提携拠点)に開設しており、2024年4月の大阪FSセンター開設により主要大都市圏でのFSセンター設置が完了した。
2. 事業戦略について
PFの変革については、事業PF、顧客PF、商品PFそれぞれの変革を進めていく。事業PFは主力の青果物事業に加えて、「物流2024年問題」を好機として捉え、物流事業の育成に取り組んでいく。顧客PFについては顧客ごとに将来性や収益性などを分析し、顧客の選択と集中を図っていく。商品PFは、ホール野菜やカット野菜だけでなく加工度の高い商品(高付加価値商品)の販売拡大や、BtoC事業並びに輸出事業の育成に取り組んでいく。青果物サプライチェーンの構造改革では、輸入依存度の高い野菜の国内調達比率引き上げや、長期保存技術の確立による調達インフラの再構築、業務提携先企業※との協業によるサプライチェーン全体の合理化を推進する考えだ。
※2023年2月にエア・ウォーター<4088>、(株)ベジテックと業務提携を発表したのに続き、2024年3月に(株)神明ホールディングスも提携に加わり4社協業体制となった。当社は、このほかに全農との間でも2018年に業務提携契約を締結している。
3. 財務戦略と株主還元策
財務戦略としては、1) キャッシュ・フローの配分適正化、2) 配当性向目線の転換、3) 資本コストを意識した取組みの強化の3点を基本戦略として取り組んでいく。キャッシュ・アロケーションについては、企業価値の拡大につながる成長戦略投資(研究開発投資、人財開発投資、調達・貯蔵インフラ整備、その他(M&Aなど))を優先的に実施していくほか、維持・更新投資(30億〜40億円)や株主還元(8億〜10億円)などのキャッシュ・アウトを見込んでおり、これらの資金を営業キャッシュ・フロー(3年で約60億円)や、必要であれば借入金等で充当することにしている。株主還元方針は、継続的かつ安定的な配当を行うことを基本としつつ、大型設備投資が一巡したことから、2025年3月期からは連結配当性向の目線を従来の20%程度から30%程度に引き上げた。2025年3月期の1株当たり配当金は前期と同額の12.0円(配当性向30.1%)を予定している。今後利益成長が続けば増配が期待できることになる。また、投資回収後フェーズでは自己株式取得も機動的に検討する意向だ。なお、従来より株主優待制度も導入しており、保有株式数や継続保有期間によって自社商品等の贈呈を行っている。
■Key Points
・第五次中期経営計画は、長期ビジョンの実現に向け様々な挑戦を行う期間として位置付け
・2027年3月期に売上高600億円、経常利益18億円、ROE10.2%を目標に掲げる
・事業構造の変革とサプライチェーン構造の改革に取り組み、収益性向上を目指す
・営業キャッシュ・フローと借入金等で成長戦略投資や設備維持・更新投資、株主還元資金を賄う方針
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<SO>
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