イビデン強弱観対立、今期営業利益大幅増額で６２％増益予想も目先利食い誘発◇

　イビデン<4062.T>は９月１４日につけた年初来高値６９３０円を目前に強弱観が対立、足もとはやや利益確定売りに押される展開。時価は２００８年１月以来１３年１０カ月ぶりの高値圏が目前に迫っている。同社は前週末１０月２９日取引終了後、２２年３月期の業績予想を修正、営業利益は従来計画の４５０億円から６２５億円（前期比６２％増）に大幅増額、更に年間配当を従来計画の３５円から４０円に上方修正（前期実績は３５円）した。テレワークやオンライン教育の普及を背景に世界的にパソコンなどの情報端末機器の需要が押し上げられたほか、データセンター増設需要なども加わり、同社が手掛けるＩＣパッケージが会社側の想定を上回る伸びを示している。自動車向けセラミック事業の収益改善も顕著だ。しかし、株価は直近６営業日で８００円も水準を切り上げていることもあって、目先利益確定の売り圧力も意識されやすい。同日発表した株主優待制度の廃止やデンソー<6902.T>との資本・業務提携の解消などもネガティブに捉えられやすく、その分上値が重くなっている。

（注）タイトル末尾の「◇」は本文中に複数の銘柄を含む記事を表しています。

出所：MINKABU PRESS