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*16:27JST トヨクモ Research Memo(7):2023年12月期も期初会社計画に対して順調に上振れて着地
■業績動向
2023年12月期業績(非連結)は、売上高で前年同期比25.7%増の2,434百万円、営業利益で同36.9%増の875百万円、経常利益で同37.0%増の875百万円、当期純利益で同47.9%増の631百万円となった。トヨクモ<4058>は2023年2月に期初計画として売上高2,330百万円、営業利益720百万円を提示したが、2023年11月の第3四半期決算発表時に、これを売上高2,430百万円、営業利益840百万円へと上方修正し、おおむねその上方修正計画に沿った着地となった。売上高としては、安否確認サービス、kintone連携サービスがともに良好に推移した。営業利益が上方修正比で上振れとなったのは、同社の想定より売上高が伸長したことに加え、人件費において一部採用が未達となったことが影響した。なお、同社の売上高の99.3%がストック売上で、KPIの1つである有償契約数は順調に拡大基調を続けており、今後も売上高、営業利益ともに右肩上がりでの推移を見込めるだろう。
2023年12月期の売上高については、成長率こそ過去数年間と比べて鈍化したものの、引き続き2ケタ成長が続いている。サービス別売上では、安否確認サービスが同14.0%増の861百万円、kintone連携サービスが同33.2%増の1,569百万円であり、ともに良好に推移している。売上総利益は同26.5%増の2,375百万円であり、売上総利益率は97.6%と高水準が維持できている。また、営業利益率は35.9%となり、2022年12月期の33.0%から2.9ポイントの上昇となった。人件費や広告宣伝費が継続的に増加しているが、引き続き大幅な増収増益であり、弊社では極めて良好な決算であったと捉えている。
同社の2023年12月期の期初広告活動予算は600百万円(2021年12月期は368百万円、2022年12月期は509百万円)であった。実際に計上された2023年12月期の広告宣伝費の実績は629百万円であり、予算を順調に消化した形となった。ただし、同社ではテレビCMなどのマス広告はコンテンツを再考することが必要と考えており、今まではCMを行うことによる会社のブランディング的な側面が強かったため、今後はよりプロダクトの売上増加に直結するようなマーケティング戦略へかじ取りを行う計画である。
同社が重要視しているKPI指標については、2023年12月期末の有償契約数は前期比24.1%増の13,981件(2022年12月期末比2,717件増)となった。サービス別の有償契約数は、安否確認サービスが3,474件(同349件増)、kintone連携サービス等が10,507件(同2,368件増)であり、ともに順調に推移した。もっとも、有償契約数の伸び率は2019年12月期の47.4%増、2020年12月期の40.1%増、2021年12月期の42.2%増に対し、2022年12月期は26.0%増、2023年12月期は24.1%増と伸び率が鈍化している。有償契約数の鈍化は将来の売上成長率の低下に直結するため、同社ではより効率的な広告宣伝や人材採用、自治体や大企業などエンタープライズ向けの新規事業への取り組みにより、売上成長を再加速するための取り組みを進めている。チャーンレートは0.68%であり、低水準が維持されている。個別サービスのLTVでは、2021年12月期第1四半期の253億円から2022年12月期第3四半期の531億円まで順調に拡大が続いたが、同第4四半期は477億円へと縮小した。両サービスともに契約件数は伸びているため、チャーンレートが3ヶ月間で0.22%悪化したことがLTVの悪化につながっているが、同社のチャーンレートはもともと1%未満と非常に低いため、チャーンレートの若干の変動がLTVに与える影響が大きい点を考慮する必要がある。2023年12月期第3四半期以降はLTVも再び増加傾向へと転じており、2023年12月期第4四半期には600億円近くまで達している。同社ではチャーンレートは今後も安定して低水準で推移すると見込んでおり、大きな懸念は不要と見られる。
同社は、毎月15日前後に月次売上の速報値を発表している。2021年から2022年2月頃までは前年同月比で40%を超える高い売上成長が続いていたが、その後はやや成長率が鈍化傾向にあり、2023年は年間を通して前年同月比で24~27%の安定した高成長となり、足元でも同様の伸びが継続している。もっとも、同社の2024年12月期の売上高成長率予想は前期比20.8%増となっていることから、会社計画に対しては順調なスタートとなっていると見られる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 永岡宏樹)
<SO>
2023年12月期業績(非連結)は、売上高で前年同期比25.7%増の2,434百万円、営業利益で同36.9%増の875百万円、経常利益で同37.0%増の875百万円、当期純利益で同47.9%増の631百万円となった。トヨクモ<4058>は2023年2月に期初計画として売上高2,330百万円、営業利益720百万円を提示したが、2023年11月の第3四半期決算発表時に、これを売上高2,430百万円、営業利益840百万円へと上方修正し、おおむねその上方修正計画に沿った着地となった。売上高としては、安否確認サービス、kintone連携サービスがともに良好に推移した。営業利益が上方修正比で上振れとなったのは、同社の想定より売上高が伸長したことに加え、人件費において一部採用が未達となったことが影響した。なお、同社の売上高の99.3%がストック売上で、KPIの1つである有償契約数は順調に拡大基調を続けており、今後も売上高、営業利益ともに右肩上がりでの推移を見込めるだろう。
2023年12月期の売上高については、成長率こそ過去数年間と比べて鈍化したものの、引き続き2ケタ成長が続いている。サービス別売上では、安否確認サービスが同14.0%増の861百万円、kintone連携サービスが同33.2%増の1,569百万円であり、ともに良好に推移している。売上総利益は同26.5%増の2,375百万円であり、売上総利益率は97.6%と高水準が維持できている。また、営業利益率は35.9%となり、2022年12月期の33.0%から2.9ポイントの上昇となった。人件費や広告宣伝費が継続的に増加しているが、引き続き大幅な増収増益であり、弊社では極めて良好な決算であったと捉えている。
同社の2023年12月期の期初広告活動予算は600百万円(2021年12月期は368百万円、2022年12月期は509百万円)であった。実際に計上された2023年12月期の広告宣伝費の実績は629百万円であり、予算を順調に消化した形となった。ただし、同社ではテレビCMなどのマス広告はコンテンツを再考することが必要と考えており、今まではCMを行うことによる会社のブランディング的な側面が強かったため、今後はよりプロダクトの売上増加に直結するようなマーケティング戦略へかじ取りを行う計画である。
同社が重要視しているKPI指標については、2023年12月期末の有償契約数は前期比24.1%増の13,981件(2022年12月期末比2,717件増)となった。サービス別の有償契約数は、安否確認サービスが3,474件(同349件増)、kintone連携サービス等が10,507件(同2,368件増)であり、ともに順調に推移した。もっとも、有償契約数の伸び率は2019年12月期の47.4%増、2020年12月期の40.1%増、2021年12月期の42.2%増に対し、2022年12月期は26.0%増、2023年12月期は24.1%増と伸び率が鈍化している。有償契約数の鈍化は将来の売上成長率の低下に直結するため、同社ではより効率的な広告宣伝や人材採用、自治体や大企業などエンタープライズ向けの新規事業への取り組みにより、売上成長を再加速するための取り組みを進めている。チャーンレートは0.68%であり、低水準が維持されている。個別サービスのLTVでは、2021年12月期第1四半期の253億円から2022年12月期第3四半期の531億円まで順調に拡大が続いたが、同第4四半期は477億円へと縮小した。両サービスともに契約件数は伸びているため、チャーンレートが3ヶ月間で0.22%悪化したことがLTVの悪化につながっているが、同社のチャーンレートはもともと1%未満と非常に低いため、チャーンレートの若干の変動がLTVに与える影響が大きい点を考慮する必要がある。2023年12月期第3四半期以降はLTVも再び増加傾向へと転じており、2023年12月期第4四半期には600億円近くまで達している。同社ではチャーンレートは今後も安定して低水準で推移すると見込んでおり、大きな懸念は不要と見られる。
同社は、毎月15日前後に月次売上の速報値を発表している。2021年から2022年2月頃までは前年同月比で40%を超える高い売上成長が続いていたが、その後はやや成長率が鈍化傾向にあり、2023年は年間を通して前年同月比で24~27%の安定した高成長となり、足元でも同様の伸びが継続している。もっとも、同社の2024年12月期の売上高成長率予想は前期比20.8%増となっていることから、会社計画に対しては順調なスタートとなっていると見られる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 永岡宏樹)
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