住友精化が堅調、ＳＡＰ需要高水準で減益見通しから増益への増額思惑浮上

　住友精化<4008.T>が堅調。７００円を軸に煮詰まっており上放れの思惑が強い。紙おむつの主要部材である高吸水性樹脂（ＳＡＰ）の需要が高水準であり、「会社側が想定する１５年３月期の連結営業利益７８億円（前期比３．２％減）は一転、増益の可能性が高まっている」（業界アナリスト）との見方が市場に浸透してきた。海外需要は中国をはじめとするアジアを中心に拡大局面にあり、ＳＡＰ市場は年率７％前後の高成長を持続している。紙おむつに使用されるＳＡＰはハイグレード品が選好され、製品グレードによりＳＡＰの性能は厳密に定められていることが、メーカー側にとって価格競争を回避できる強みとなっている。同社の生産能力にも注目。現在「国内、フランス、シンガポールの３地点で年産能力２８万７０００トンをフル稼働させている状況」（同）にあるが、韓国での工場新設が決定したことで、中期的に世界４極体制での生産が可能になる。同社株には海外投資家からも熱い視線が向けられているようだ。

住友精化の株価は１３時２４分現在７０８円（△１０円）


出所：株経通信（株式会社みんかぶ）