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すららネットのニュース
■要約
すららネット<3998>の主力事業は、主に小学生・中学生・高校生を対象としている学習塾や学校に対して、オンライン学習教材「すらら」及びその姉妹版である「すららドリル」のサービスを提供することである。「すらら」を導入する顧客に対して、「すらら」を活用した教育カリキュラムの提案や独立開業の各種支援、経営支援サービス等も行っている。また、近年では独立行政法人国際協力機構(JICA)から採択を受けた各種事業等を契機にスリランカ、インドネシア等の海外でも事業展開を行っている。
契約する学習塾や学校から毎月サービス利用料を徴収すると同時に、同社のシステムを利用する生徒一人ひとりに対してIDを発行し、毎月その利用料を徴収するのが基本的なビジネスモデルとなる。したがって、導入校数と発行ID数が増加すれば収益が増加する。クラウドでサービスを提供していることから、損益分岐点を超えてからの限界利益率は非常に高い。
1. 2021年12月期業績の概要
2021年12月期の業績は、売上高1,952百万円(前期比18.4%増)、営業利益521百万円(同3.6%減)、経常利益552百万円(同0.7%増)、当期純利益399百万円(同5.2%増)となった。新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)によりオンライン授業への関心・需要が高まったこともあり、重要指標(KPI)である導入校数(2021年12月期末)は2,606(前期末比339増)、ID数(同)は433,439(同59,656増)と順調に増加し、増収となった。一方で費用面では、売上原価増(主にコンテンツ及びシステム開発に伴う減価償却費増)、人員増による人件費増などにより営業利益は減益となったものの、これらの先行投資は期初から計画されていたものであり、2021年8月に公表した上方修正値を上回る順調な決算であったと言える。
2. 2022年12月期業績見通し
2022年12月期の業績予想は、売上高2,285百万円(前期比17.0%増)、営業利益464百万円(同10.9%減)、経常利益464百万円(同16.0%減)、当期純利益302百万円(同24.3%減)としている※1。引き続きGIGAスクール構想※2の進捗により教育現場でのICT化が進み、重要指標が増加することで増収を見込んでいる。一方で、競争力強化のためコンテンツの拡充と新開発に注力するほか、システムへの投資も継続し、新機能やシステムの強化・安定化にも積極的に先行投資を行う計画であることから、営業減益と予想している。しかしながら減益は一時的なもので、先行投資により中長期的な成長を実現する戦略であることに注意したい。
※1 2022年12月期の期首より「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号)等を適用するため、業績予想は当該会計基準等を適用した数字となっている。
※2 GIGA(Global and Innovation Gateway for All)スクール構想:義務教育を受ける児童生徒のために、1人1台の学習者用PCと高速ネットワーク環境などを整備する5年間の計画。校内LANの整備、学習者用のPCの導入、学習ツールと校務のクラウド化などが盛り込まれている。
3. 中長期の見通し
中長期の展望としては、国内市場でのシェアアップ(特に低学力生徒向けやローカル中堅大手の学習塾、学校等の大口顧客)により成長を図る計画だ。最近では顧客基盤が大手学習塾、私立学校、専門学校、通信制高校や全国の公立学校、さらには社会問題の解決に寄与する教育機関以外の領域(放課後等デイサービス施設等)にも広がりつつある。また、現在はコロナ禍の影響で足踏みしている海外展開(発展途上国でのローカル顧客向け、現地日本人学校向け)も将来的には成長余地が大きい。同社では、中期計画をロールオーバーした定量的目標として、2024年12月期に売上高3,400百万円、営業利益970百万円を掲げている。前提条件を厳しく見ていることに加え、足元の重要指標の伸びが比較的堅調であることから、この目標が達成される可能性は高いと弊社では見ている。
■Key Points
・学校や学習塾等に対してのクラウドでの学習教材・サービスの提供が主力事業
・2021年12月期は増収、各利益は上方修正値を上回って着地
・2022年12月期は中長期的な成長実現に向けた先行投資継続により減益予想も、一時的なもの
・中長期では国内でのシェアアップと海外展開で成長を目指し、2024年12月期に営業利益970百万円を目標に掲げる
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
<YM>
すららネット<3998>の主力事業は、主に小学生・中学生・高校生を対象としている学習塾や学校に対して、オンライン学習教材「すらら」及びその姉妹版である「すららドリル」のサービスを提供することである。「すらら」を導入する顧客に対して、「すらら」を活用した教育カリキュラムの提案や独立開業の各種支援、経営支援サービス等も行っている。また、近年では独立行政法人国際協力機構(JICA)から採択を受けた各種事業等を契機にスリランカ、インドネシア等の海外でも事業展開を行っている。
契約する学習塾や学校から毎月サービス利用料を徴収すると同時に、同社のシステムを利用する生徒一人ひとりに対してIDを発行し、毎月その利用料を徴収するのが基本的なビジネスモデルとなる。したがって、導入校数と発行ID数が増加すれば収益が増加する。クラウドでサービスを提供していることから、損益分岐点を超えてからの限界利益率は非常に高い。
1. 2021年12月期業績の概要
2021年12月期の業績は、売上高1,952百万円(前期比18.4%増)、営業利益521百万円(同3.6%減)、経常利益552百万円(同0.7%増)、当期純利益399百万円(同5.2%増)となった。新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)によりオンライン授業への関心・需要が高まったこともあり、重要指標(KPI)である導入校数(2021年12月期末)は2,606(前期末比339増)、ID数(同)は433,439(同59,656増)と順調に増加し、増収となった。一方で費用面では、売上原価増(主にコンテンツ及びシステム開発に伴う減価償却費増)、人員増による人件費増などにより営業利益は減益となったものの、これらの先行投資は期初から計画されていたものであり、2021年8月に公表した上方修正値を上回る順調な決算であったと言える。
2. 2022年12月期業績見通し
2022年12月期の業績予想は、売上高2,285百万円(前期比17.0%増)、営業利益464百万円(同10.9%減)、経常利益464百万円(同16.0%減)、当期純利益302百万円(同24.3%減)としている※1。引き続きGIGAスクール構想※2の進捗により教育現場でのICT化が進み、重要指標が増加することで増収を見込んでいる。一方で、競争力強化のためコンテンツの拡充と新開発に注力するほか、システムへの投資も継続し、新機能やシステムの強化・安定化にも積極的に先行投資を行う計画であることから、営業減益と予想している。しかしながら減益は一時的なもので、先行投資により中長期的な成長を実現する戦略であることに注意したい。
※1 2022年12月期の期首より「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号)等を適用するため、業績予想は当該会計基準等を適用した数字となっている。
※2 GIGA(Global and Innovation Gateway for All)スクール構想:義務教育を受ける児童生徒のために、1人1台の学習者用PCと高速ネットワーク環境などを整備する5年間の計画。校内LANの整備、学習者用のPCの導入、学習ツールと校務のクラウド化などが盛り込まれている。
3. 中長期の見通し
中長期の展望としては、国内市場でのシェアアップ(特に低学力生徒向けやローカル中堅大手の学習塾、学校等の大口顧客)により成長を図る計画だ。最近では顧客基盤が大手学習塾、私立学校、専門学校、通信制高校や全国の公立学校、さらには社会問題の解決に寄与する教育機関以外の領域(放課後等デイサービス施設等)にも広がりつつある。また、現在はコロナ禍の影響で足踏みしている海外展開(発展途上国でのローカル顧客向け、現地日本人学校向け)も将来的には成長余地が大きい。同社では、中期計画をロールオーバーした定量的目標として、2024年12月期に売上高3,400百万円、営業利益970百万円を掲げている。前提条件を厳しく見ていることに加え、足元の重要指標の伸びが比較的堅調であることから、この目標が達成される可能性は高いと弊社では見ている。
■Key Points
・学校や学習塾等に対してのクラウドでの学習教材・サービスの提供が主力事業
・2021年12月期は増収、各利益は上方修正値を上回って着地
・2022年12月期は中長期的な成長実現に向けた先行投資継続により減益予想も、一時的なもの
・中長期では国内でのシェアアップと海外展開で成長を目指し、2024年12月期に営業利益970百万円を目標に掲げる
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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