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テラスカイのニュース
■クラウドサービス市場の動向と事業内容
2. 事業内容
テラスカイ<3915>の事業セグメントは、ソリューション事業と製品事業の2つに分類される。2022年2月期における構成比はソリューション事業が売上高で87.6%、利益で106.4%を占める主力事業となっている。セグメント利益率ではソリューション事業が15%前後と比較的安定した水準で推移しているのに対して、製品事業は期によって変動が大きい。売上規模がまだ小さく、売上変動が利益率に与える影響が大きいことが要因となっている。ただ、今後は開発費等の償却費がピークアウトすることや、ストック収入の拡大とともに収益性も向上していくものと予想される。
一方、ソリューション事業についてはクラウドシステムの開発・導入支援が中心で、ストック売上となる運用・保守の売上比率は15%程度となっており、開発・導入案件の受注動向とプロジェクトの生産性によって利益率が変動することになる。ここ数年は不採算プロジェクトも殆どなく、受注好調により稼働率も高水準が続いているため、利益率は15%前後で安定して推移している。
また、売上構成比をプラットフォーム別で分けると2022年2月期はSalesforce関連が64%、IaaS関連(AWS、Microsoft Azure 、GCP等)が36%と前期と同じ構成比率となった。Salesforce関連の売上構成比が2020年2月期の69%から5ポイント低下しているが、これは製品事業において2020年2月期にSalesforce関連の大型導入案件の売上貢献があり、2021年2月期第1四半期で同プロジェクトが完了したことが主因となっている。
(1) ソリューション事業
ソリューション事業では、クラウドを活用したシステムを顧客企業のニーズに応じて開発し、導入支援を行っている。具体的には、フロントシステムや基幹システム等の要件定義から設計・開発・テスト・運用・効果検証・改善策立案・システム化計画までを行う。フロントシステムとしてはSalesforceの開発が多く、セールスフォース・ドットコムとSalesforceのライセンス販売契約を締結し、同社及び子会社のキットアライブ(北海道が主な営業エリア)で導入支援を展開している。Salesforceを中心にしたクラウドシステムの累計導入実績は同社単体で5,500件超(グループで13,000件超)と国内トップクラスとなっている。トヨタ自動車<7203>や日立製作所<6501>、みずほフィナンシャルグループ<8411>、小田急電鉄<9007>グループ、KDDI<9433>など業種・業態・企業規模を問わず多くの企業に導入されているが、SalesforceがCRM分野で強いことから大企業の営業/サービス/マーケティング部門向け大規模案件の比率が高くなっている。
なお、子会社のBeeXではSAPのクラウド移行支援やAWSの開発・導入支援(Microsoft Azureも手掛ける)を展開している。特に、SAPのクラウド移行支援に関しては高い技術力を背景に多くの実績を持つ。また、スカイ365でSalesforceやAWS等のクラウド導入案件に関するMSPサービスを提供し、CuonでWebシステム開発を行っている。
そのほか、ソリューション事業にはQuemixやリベルスカイ、テラスカイ・テクノロジーズ、タイ子会社、DiceWorksの事業が含まれる。
(2) 製品事業
製品事業では、同社がSaaSベンダーとしてクラウドに特化したサービスの開発及び提供を行っているほか、子会社のエノキで開発するAIプラットフォーム事業が含まれる。主な製品としては、Salesforceの画面開発ツールとなる「SkyVisualEditor」、他システムとのスムーズなデータ連携を実現する「DataSpider Cloud」、Salesforce上で提供するグループウェア「mitoco」、コンタクトセンターソリューションの「OMLINE-I」「OMLINE-O」などがある。売上高は導入時に計上されるフロー売上と月額課金のストック売上(サブスク売上)に分けられ、2022年2月期のストック売上比率は前期の71%から88%まで上昇した。
ストック売上の内訳をサービス別で見ると、「DataSpider Cloud」が43%、「SkyVisualEditor」が28%と2製品で70%を超えている。国内では業務に合わせて画面やロジックなどの仕様をカスタマイズし、使い勝手を向上したいとの顧客ニーズが強く、「SkyVisualEditor」に関しては業界でデファクト製品としての地位を確立している。また、自社で所有するオンプレミスのシステムとSalesforceなどのクラウドサービスの連携を図るためのツールとして「DataSpider Cloud」が選択されている。
今後の注力製品としては、グループウェアの「mitoco」の拡販を推進していく計画となっている。コロナ禍を契機に様々な企業でテレワークの導入が進むなか、社内のコミュニケーション・ツールとしての需要が一段と高まってきているためだ。Salesforceが提供するビジネスアプリケーションのマーケットプレイスAppExchangeにおける2021年の売上ランキング(年間契約金額ベース)でも、「mitoco」は中小企業部門で4位、製造業部門で5位にランクインしており、今後も機能の拡充を図っていくことで導入社数を増やしていく戦略となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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2. 事業内容
テラスカイ<3915>の事業セグメントは、ソリューション事業と製品事業の2つに分類される。2022年2月期における構成比はソリューション事業が売上高で87.6%、利益で106.4%を占める主力事業となっている。セグメント利益率ではソリューション事業が15%前後と比較的安定した水準で推移しているのに対して、製品事業は期によって変動が大きい。売上規模がまだ小さく、売上変動が利益率に与える影響が大きいことが要因となっている。ただ、今後は開発費等の償却費がピークアウトすることや、ストック収入の拡大とともに収益性も向上していくものと予想される。
一方、ソリューション事業についてはクラウドシステムの開発・導入支援が中心で、ストック売上となる運用・保守の売上比率は15%程度となっており、開発・導入案件の受注動向とプロジェクトの生産性によって利益率が変動することになる。ここ数年は不採算プロジェクトも殆どなく、受注好調により稼働率も高水準が続いているため、利益率は15%前後で安定して推移している。
また、売上構成比をプラットフォーム別で分けると2022年2月期はSalesforce関連が64%、IaaS関連(AWS、Microsoft Azure 、GCP等)が36%と前期と同じ構成比率となった。Salesforce関連の売上構成比が2020年2月期の69%から5ポイント低下しているが、これは製品事業において2020年2月期にSalesforce関連の大型導入案件の売上貢献があり、2021年2月期第1四半期で同プロジェクトが完了したことが主因となっている。
(1) ソリューション事業
ソリューション事業では、クラウドを活用したシステムを顧客企業のニーズに応じて開発し、導入支援を行っている。具体的には、フロントシステムや基幹システム等の要件定義から設計・開発・テスト・運用・効果検証・改善策立案・システム化計画までを行う。フロントシステムとしてはSalesforceの開発が多く、セールスフォース・ドットコムとSalesforceのライセンス販売契約を締結し、同社及び子会社のキットアライブ(北海道が主な営業エリア)で導入支援を展開している。Salesforceを中心にしたクラウドシステムの累計導入実績は同社単体で5,500件超(グループで13,000件超)と国内トップクラスとなっている。トヨタ自動車<7203>や日立製作所<6501>、みずほフィナンシャルグループ<8411>、小田急電鉄<9007>グループ、KDDI<9433>など業種・業態・企業規模を問わず多くの企業に導入されているが、SalesforceがCRM分野で強いことから大企業の営業/サービス/マーケティング部門向け大規模案件の比率が高くなっている。
なお、子会社のBeeXではSAPのクラウド移行支援やAWSの開発・導入支援(Microsoft Azureも手掛ける)を展開している。特に、SAPのクラウド移行支援に関しては高い技術力を背景に多くの実績を持つ。また、スカイ365でSalesforceやAWS等のクラウド導入案件に関するMSPサービスを提供し、CuonでWebシステム開発を行っている。
そのほか、ソリューション事業にはQuemixやリベルスカイ、テラスカイ・テクノロジーズ、タイ子会社、DiceWorksの事業が含まれる。
(2) 製品事業
製品事業では、同社がSaaSベンダーとしてクラウドに特化したサービスの開発及び提供を行っているほか、子会社のエノキで開発するAIプラットフォーム事業が含まれる。主な製品としては、Salesforceの画面開発ツールとなる「SkyVisualEditor」、他システムとのスムーズなデータ連携を実現する「DataSpider Cloud」、Salesforce上で提供するグループウェア「mitoco」、コンタクトセンターソリューションの「OMLINE-I」「OMLINE-O」などがある。売上高は導入時に計上されるフロー売上と月額課金のストック売上(サブスク売上)に分けられ、2022年2月期のストック売上比率は前期の71%から88%まで上昇した。
ストック売上の内訳をサービス別で見ると、「DataSpider Cloud」が43%、「SkyVisualEditor」が28%と2製品で70%を超えている。国内では業務に合わせて画面やロジックなどの仕様をカスタマイズし、使い勝手を向上したいとの顧客ニーズが強く、「SkyVisualEditor」に関しては業界でデファクト製品としての地位を確立している。また、自社で所有するオンプレミスのシステムとSalesforceなどのクラウドサービスの連携を図るためのツールとして「DataSpider Cloud」が選択されている。
今後の注力製品としては、グループウェアの「mitoco」の拡販を推進していく計画となっている。コロナ禍を契機に様々な企業でテレワークの導入が進むなか、社内のコミュニケーション・ツールとしての需要が一段と高まってきているためだ。Salesforceが提供するビジネスアプリケーションのマーケットプレイスAppExchangeにおける2021年の売上ランキング(年間契約金額ベース)でも、「mitoco」は中小企業部門で4位、製造業部門で5位にランクインしており、今後も機能の拡充を図っていくことで導入社数を増やしていく戦略となっている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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