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*15:09JST エーバランス Research Memo(9):再上方修正した2023年6月期業績予想も保守的で上振れ余地残す
■今後の見通し
1. 2023年6月期の業績見通し
Abalance<3856>の2023年6月期の連結業績は、売上高で前期比89.3%増の175,000百万円、営業利益で同312.3%増の7,000百万円、経常利益で同383.3%増の7,300百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同292.1%増の3,400百万円と期初予想並びに2022年11月に上方修正した予想値を再度上方修正した。VSUNの欧米向け太陽光パネルの受注・販売が、想定をさらに上回って推移し、利益面でも既述のとおり販売価格の値上げや海上運賃の下落などにより利益率の改善が顕著となったためだ。今回の修正予想に対する第2四半期までの進捗率は売上高で64.0%、営業利益で73.8%に達しており、下期はVSUNの第4工場がフル稼働すること、利益率もさらに上昇する可能性が高いことなどから、今後サプライチェーンに大きな支障が生じたり、為替レートが急速に変動することがない限り通期業績は会社予想をさらに上振れする公算が大きいと弊社では見ている。
なお新第4工場は、2023年1月以降フル操業状態にあるが、立ち上げから日が浅く合理的な見込みが一部困難な面があるため、2度目の修正予想には第4工場フル操業に伴う影響額は織り込まれていない。
(1) 太陽光パネル製造事業
太陽光パネル製造事業の売上高については期初予想で1,000億円規模を見込んでいたが、今回の予想では前期比2倍増となる1,650億円程度で織り込んでいるものと思われる。ただ、足元の受注は引き続き好調のようで、VSUNの第4工場も2023年1月からフル稼働となっていることから、通期売上高で2,000億円前後の規模に拡大する可能性がある。
セグメント利益については、VSUNの第4工場が順調に立ち上がったことや、値上げの浸透、海上運賃の下落傾向が続く見込みであることから、下期の利益率は6%台の水準を少なくとも維持できるものと見られる。今後も受注状況に変化がなければ通期の利益は100億円を超える可能性も十分にある(2022年6月期は1,238百万円)。
なお為替変動が業績に与える影響については、販売がドル建てまたはユーロ建てであり、部材仕入や海上運賃等についてはドル建てとなっている。いずれも現状はベトナム通貨に対して高く推移しており、VSUNの業績面ではプラスに寄与している。
(2) 国内ストック売上
国内ストック売上については、既存の稼働発電所と開発中の連系及びM&A取得案件を考慮のうえ、3,300百万円超を見込んでいる。開発中案件については、2023年1月に神栖太陽光発電所(茨城県、年間想定売電収入:約32百万円)が稼働を開始したほか、大和町・大衡村太陽光発電所(宮城県、年間想定売電収入:約5.3億円)の稼働を予定している。また、M&A案件として2023年1月にWWBが茨城県内に約7.9MWの太陽光発電所(年間想定売電収入:約3.5億円)を保有する(株)フレックスホールディングスの全株式を1,368百万円で取得しており、これらが下期の売上に上乗せされることになる。第2四半期累計で売電及びO&M収入は1,585百万円だったことから、通期で3,300百万円超の達成は十分可能と見られる。
なお、同社は太陽光発電事業への投資資金を目的に2023年1月に第三者割当増資を実施し、1,399百万円を調達した(発行株数635,600株、1株当たり2,202円)。割当先は投資会社のほか明治機械や取引先などとなっている。
(3) 国内フロー売上及びその他事業
国内ストック売上が3,300百万円の予算であるため、国内フロー売上は7,000百万円弱と前期実績の8,009百万円から形式上は減収見込みとなっている。フロー売上については発電所の販売タイミング等によって変動するため一概には言えないが、第2四半期累計で2,840百万円となっていることから、おおむね計画どおりに推移するものと予想される。
太陽光発電所については自社保有を行う一方で販売も継続し、GX(グリーントランスフォーメーション)への対応、WWBにおける「脱炭素法人事業部」の立ち上げなど、PPA事業を強化する方針だ。今後は明治機械との協業によるソーラーシェアリング事業の展開や、東南アジアや南米などで現地企業や商社と協業してEPC事業を積極的に展開する予定となっている。また、太陽光パネルのリサイクル・リユース事業については着々と実績を積み重ねており、事業拡大に向けて体制を強化していく。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<SI>
1. 2023年6月期の業績見通し
Abalance<3856>の2023年6月期の連結業績は、売上高で前期比89.3%増の175,000百万円、営業利益で同312.3%増の7,000百万円、経常利益で同383.3%増の7,300百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同292.1%増の3,400百万円と期初予想並びに2022年11月に上方修正した予想値を再度上方修正した。VSUNの欧米向け太陽光パネルの受注・販売が、想定をさらに上回って推移し、利益面でも既述のとおり販売価格の値上げや海上運賃の下落などにより利益率の改善が顕著となったためだ。今回の修正予想に対する第2四半期までの進捗率は売上高で64.0%、営業利益で73.8%に達しており、下期はVSUNの第4工場がフル稼働すること、利益率もさらに上昇する可能性が高いことなどから、今後サプライチェーンに大きな支障が生じたり、為替レートが急速に変動することがない限り通期業績は会社予想をさらに上振れする公算が大きいと弊社では見ている。
なお新第4工場は、2023年1月以降フル操業状態にあるが、立ち上げから日が浅く合理的な見込みが一部困難な面があるため、2度目の修正予想には第4工場フル操業に伴う影響額は織り込まれていない。
(1) 太陽光パネル製造事業
太陽光パネル製造事業の売上高については期初予想で1,000億円規模を見込んでいたが、今回の予想では前期比2倍増となる1,650億円程度で織り込んでいるものと思われる。ただ、足元の受注は引き続き好調のようで、VSUNの第4工場も2023年1月からフル稼働となっていることから、通期売上高で2,000億円前後の規模に拡大する可能性がある。
セグメント利益については、VSUNの第4工場が順調に立ち上がったことや、値上げの浸透、海上運賃の下落傾向が続く見込みであることから、下期の利益率は6%台の水準を少なくとも維持できるものと見られる。今後も受注状況に変化がなければ通期の利益は100億円を超える可能性も十分にある(2022年6月期は1,238百万円)。
なお為替変動が業績に与える影響については、販売がドル建てまたはユーロ建てであり、部材仕入や海上運賃等についてはドル建てとなっている。いずれも現状はベトナム通貨に対して高く推移しており、VSUNの業績面ではプラスに寄与している。
(2) 国内ストック売上
国内ストック売上については、既存の稼働発電所と開発中の連系及びM&A取得案件を考慮のうえ、3,300百万円超を見込んでいる。開発中案件については、2023年1月に神栖太陽光発電所(茨城県、年間想定売電収入:約32百万円)が稼働を開始したほか、大和町・大衡村太陽光発電所(宮城県、年間想定売電収入:約5.3億円)の稼働を予定している。また、M&A案件として2023年1月にWWBが茨城県内に約7.9MWの太陽光発電所(年間想定売電収入:約3.5億円)を保有する(株)フレックスホールディングスの全株式を1,368百万円で取得しており、これらが下期の売上に上乗せされることになる。第2四半期累計で売電及びO&M収入は1,585百万円だったことから、通期で3,300百万円超の達成は十分可能と見られる。
なお、同社は太陽光発電事業への投資資金を目的に2023年1月に第三者割当増資を実施し、1,399百万円を調達した(発行株数635,600株、1株当たり2,202円)。割当先は投資会社のほか明治機械や取引先などとなっている。
(3) 国内フロー売上及びその他事業
国内ストック売上が3,300百万円の予算であるため、国内フロー売上は7,000百万円弱と前期実績の8,009百万円から形式上は減収見込みとなっている。フロー売上については発電所の販売タイミング等によって変動するため一概には言えないが、第2四半期累計で2,840百万円となっていることから、おおむね計画どおりに推移するものと予想される。
太陽光発電所については自社保有を行う一方で販売も継続し、GX(グリーントランスフォーメーション)への対応、WWBにおける「脱炭素法人事業部」の立ち上げなど、PPA事業を強化する方針だ。今後は明治機械との協業によるソーラーシェアリング事業の展開や、東南アジアや南米などで現地企業や商社と協業してEPC事業を積極的に展開する予定となっている。また、太陽光パネルのリサイクル・リユース事業については着々と実績を積み重ねており、事業拡大に向けて体制を強化していく。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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