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ユニリタのニュース
■要約
1. 会社概要
ユニリタ<3800>は、金融や製造を始め、幅広い業種向けにITシステムの運用管理を行うパッケージソフトウェア及びデータ活用ソリューションの開発・販売・サポートを手掛けている。ITの役割が「守り」(業務効率化やコスト削減等)から「攻め」(ビジネスの競争優位性を実現する手段)へ変化するなか、「システム運用」と「データ活用」領域における強みを活かし、デジタル変革(DX)に取り組む企業の業務課題を直接解決するソリューション提供力を発揮してきた。最近では、サービスモデルの強化(既存製品のクラウド化によるサブスクリプションモデルへの転換)やデジタル技術を活用した社会課題解決(働き方改革や地方創生、一次産業活性化)などにも取り組んでいる。
2. 2020年3月期決算の概要
2020年3月期の業績は、売上高が前期比7.6%増の10,138百万円、営業利益が同16.7%増の1,073百万円と計画を上回る増収増益となり、売上高は100億円を突破した。注力する「クラウド事業」が、主力サービスにおける導入社数の拡大により大きく伸びるとともに、既存製品のクラウドサービス化にも取り組んだ。また、「メインフレーム事業」についても大型案件の受注により上振れる結果となっている。損益面では、「クラウド事業」の大幅な損益改善に加え、利益率の高い「メインフレーム事業」の伸びにより、積極的な先行投資を行いながら大幅な営業増益を実現した。また、戦略的な施策においても、自社開発のクラウドサービスの伸びやストックビジネスの強化(既存製品のクラウドサービス化)、社会課題解決への取り組み(働き方改革、地方創生、一次産業活性化)などで具体的な成果を示すことができた。
3. 中期経営計画とその進捗
同社は、2021年3月期を最終年度とする中期経営計画を推進しており2年目が終了した。「メインフレーム事業」を収益源とし、「クラウド事業」「プロダクト事業」を伸ばす計画であるが、とりわけ需要が拡大している「クラウド事業」を成長分野として位置付けており、独自のクラウド基盤の提供やクラウドサービスの強化、ビジネスSaaS(LMIS、DigiSheet、infoScoop×Digital Workforce、らくらくBOSS)への新たな取り組みが戦略の目玉となっている。ただ、これまでの成長スピードがやや想定を下回って推移していることや、今後の成長加速に向けた事業基盤強化のための投資を増やしたこと、足元では新型コロナウィルス感染拡大によるマイナスの影響が懸念されることなどから、最終年度(2021年3月期)の数値目標を引き下げた。もっとも、市場変化を見据えた「サービスシフト」「サブスクリプションモデル」への転換により、顧客との関係強化や収益の安定化を図る方向性に大きな変更はない。
4. 2021年3月期の業績見通し
2021年3月期の業績予想について同社は、売上高を前期比0.6%増の10,200百万円、営業利益を同16.1%減の900百万円と微増収ながら減益を見込んでいる。業績の伸びが緩やか(及び減益予想)なのは、前期における大型案件のはく落のほか、新型コロナウィルス感染拡大によるマイナス影響を現時点で保守的に見ていることが理由である。売上高は、引き続き「クラウド事業」が大きく伸びるものの、新型コロナウィルス感染拡大の影響に伴う新規投資抑制の動きを見据え、「ソリューション事業」や「システムインテグレーション事業」など労働集約型事業へのマイナス影響を想定している。損益面では、「クラウド事業」が通年で黒字化を達成する一方、利益率の高い「メインフレーム事業」の反動減や新規事業への先行投資の影響により減益となる見通しである。ただ、1株当たりの配当金については、DOE(株主資本配当率)を基準として前期比4円増配を予想している。
5. 資本施策の実施
2019年12月に資本効率の向上を目的として、大株主2社より合計735,000株(発行済株式総数割合8.65%)、総額1,164百万円の自己株式を取得(公開買付け)、そして2019年12月、2020年1月には、相互持合いをしている一部保有株式の売却を行い、その売却益187百万円を特別利益に計上した。また、2020年2月には、株式流動性向上を目的に、大株主からの一定数量(10万株)の保有株式売却の意向を受け、立会外分売を実施している。
■Key Points
・2020年3月期の業績は「クラウド事業」の伸びなどにより計画を上回る増収増益を実現
・戦略的な施策においても、サービスモデルの強化や社会課題解決(働き方改革、地方創生、一次産業活性化)などに取り組んだ
・2021年3月期の業績予想について同社は、新型コロナウィルス感染拡大の影響や先行投資などを保守的に見積もり、微増収ながら減益を見込んでいる(ただし、配当については増配予想)
・市場変化を見据えた「サービスシフト」「サブスクリプションモデル」への転換により、顧客との関係強化や収益の安定化を図る方向性
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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1. 会社概要
ユニリタ<3800>は、金融や製造を始め、幅広い業種向けにITシステムの運用管理を行うパッケージソフトウェア及びデータ活用ソリューションの開発・販売・サポートを手掛けている。ITの役割が「守り」(業務効率化やコスト削減等)から「攻め」(ビジネスの競争優位性を実現する手段)へ変化するなか、「システム運用」と「データ活用」領域における強みを活かし、デジタル変革(DX)に取り組む企業の業務課題を直接解決するソリューション提供力を発揮してきた。最近では、サービスモデルの強化(既存製品のクラウド化によるサブスクリプションモデルへの転換)やデジタル技術を活用した社会課題解決(働き方改革や地方創生、一次産業活性化)などにも取り組んでいる。
2. 2020年3月期決算の概要
2020年3月期の業績は、売上高が前期比7.6%増の10,138百万円、営業利益が同16.7%増の1,073百万円と計画を上回る増収増益となり、売上高は100億円を突破した。注力する「クラウド事業」が、主力サービスにおける導入社数の拡大により大きく伸びるとともに、既存製品のクラウドサービス化にも取り組んだ。また、「メインフレーム事業」についても大型案件の受注により上振れる結果となっている。損益面では、「クラウド事業」の大幅な損益改善に加え、利益率の高い「メインフレーム事業」の伸びにより、積極的な先行投資を行いながら大幅な営業増益を実現した。また、戦略的な施策においても、自社開発のクラウドサービスの伸びやストックビジネスの強化(既存製品のクラウドサービス化)、社会課題解決への取り組み(働き方改革、地方創生、一次産業活性化)などで具体的な成果を示すことができた。
3. 中期経営計画とその進捗
同社は、2021年3月期を最終年度とする中期経営計画を推進しており2年目が終了した。「メインフレーム事業」を収益源とし、「クラウド事業」「プロダクト事業」を伸ばす計画であるが、とりわけ需要が拡大している「クラウド事業」を成長分野として位置付けており、独自のクラウド基盤の提供やクラウドサービスの強化、ビジネスSaaS(LMIS、DigiSheet、infoScoop×Digital Workforce、らくらくBOSS)への新たな取り組みが戦略の目玉となっている。ただ、これまでの成長スピードがやや想定を下回って推移していることや、今後の成長加速に向けた事業基盤強化のための投資を増やしたこと、足元では新型コロナウィルス感染拡大によるマイナスの影響が懸念されることなどから、最終年度(2021年3月期)の数値目標を引き下げた。もっとも、市場変化を見据えた「サービスシフト」「サブスクリプションモデル」への転換により、顧客との関係強化や収益の安定化を図る方向性に大きな変更はない。
4. 2021年3月期の業績見通し
2021年3月期の業績予想について同社は、売上高を前期比0.6%増の10,200百万円、営業利益を同16.1%減の900百万円と微増収ながら減益を見込んでいる。業績の伸びが緩やか(及び減益予想)なのは、前期における大型案件のはく落のほか、新型コロナウィルス感染拡大によるマイナス影響を現時点で保守的に見ていることが理由である。売上高は、引き続き「クラウド事業」が大きく伸びるものの、新型コロナウィルス感染拡大の影響に伴う新規投資抑制の動きを見据え、「ソリューション事業」や「システムインテグレーション事業」など労働集約型事業へのマイナス影響を想定している。損益面では、「クラウド事業」が通年で黒字化を達成する一方、利益率の高い「メインフレーム事業」の反動減や新規事業への先行投資の影響により減益となる見通しである。ただ、1株当たりの配当金については、DOE(株主資本配当率)を基準として前期比4円増配を予想している。
5. 資本施策の実施
2019年12月に資本効率の向上を目的として、大株主2社より合計735,000株(発行済株式総数割合8.65%)、総額1,164百万円の自己株式を取得(公開買付け)、そして2019年12月、2020年1月には、相互持合いをしている一部保有株式の売却を行い、その売却益187百万円を特別利益に計上した。また、2020年2月には、株式流動性向上を目的に、大株主からの一定数量(10万株)の保有株式売却の意向を受け、立会外分売を実施している。
■Key Points
・2020年3月期の業績は「クラウド事業」の伸びなどにより計画を上回る増収増益を実現
・戦略的な施策においても、サービスモデルの強化や社会課題解決(働き方改革、地方創生、一次産業活性化)などに取り組んだ
・2021年3月期の業績予想について同社は、新型コロナウィルス感染拡大の影響や先行投資などを保守的に見積もり、微増収ながら減益を見込んでいる(ただし、配当については増配予想)
・市場変化を見据えた「サービスシフト」「サブスクリプションモデル」への転換により、顧客との関係強化や収益の安定化を図る方向性
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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