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イルグルムのニュース
■要約
株式会社ロックオン<3690>は、現代表取締役社長の岩田進(いわたすすむ)氏が大学時代の2000年に自宅で創業した関西発のITベンチャーである。広告効果測定システム「アドエビス」、ECオープンプラットフォーム「EC-CUBE」をヒットさせ、民間調査会社の発行する市場調査レポートの広告効果測定市場において、ベンダー別売上金額推移およびシェアで3年連続No.1を獲得し、事業が成長軌道に乗った。クラウド型広告効果測定システムの「アドエビス」は、年々機能を拡張し、2015年にはマーケティングプラットフォーム「アドエビス」として進化し、その利便性が高く評価される。2014年に東証マザーズ市場に上場を果たした。2018年10月には、(株)EVERRISEより運用型広告レポート自動作成ツール「アドレポ」を事業承継し、サービスをスタートさせた。
1. 事業概要
同社の主力事業は、マーケティングプラットフォーム(PF)事業であり、顧客のマーケティング活動を支援する数々の商品・サービスをクラウドベースで提供している。主力の「アドエビス」は、デジタル広告の効果測定・運用に関するツールであり、広告への接触から購入に至るまでの一気通貫で顧客行動やマーケティング施策の効果を把握できる。アクティブな顧客数は年々増加しており、1,518件(2018年9月期末、前期末比160件増)に達し、大企業から中堅中小企業まで様々な業種で利用されている。顧客の平均単価は84,918円(同4,966円増)であり、ミドルエンド顧客を対象とし、他社とは棲み分けをしている。インターネット広告市場の成長に伴い、広告効果測定の市場も追い風を受ける。同社は、広告効果測定市場において市場シェア42.9%を獲得し(民間調査会社の発行する市場調査レポートの広告効果測定市場において、ベンダー別売上金額推移およびシェアで3年連続No.1を獲得)、2位に2倍以上の差を付けている。
2. 業績動向
2018年9月期通期の売上高は1,804百万円(前年同期比5.0%増)、営業損失98百万円(前期は92百万円の利益)、経常損失115百万円(同106百万円の利益)、親会社株主に帰属する当期純損失88百万円(同72百万円の利益)となり増収減益となった。売上高に関しては、主力のマーケティングPF事業が前期比22.0%増と成長をけん引。マーケティング&セールスへ積極投資したことで、主力サービス「アドエビス」のアカウント数が増加し、顧客単価も上昇した。一方で商流PF事業はEC受託開発業務(ソリューション)の移管の影響で前期比41.0%減と大幅減収。全社として前期比5.0%増と小幅な増加となった。営業利益は、期初の公約どおりマーケティングPF事業への積極投資(人件費、広告宣伝費、代理店手数料など)を行い赤字決算となった。なお、商流PF事業は、前期までに事業再編が終了し、今期はセグメント利益が黒字化した。
期初の時点では、2019年9月期の業績に影響を与える未確定な要素が多いため、第2四半期(累計)及び通期の合理的な業績予想を公開していない。合理的な算定が可能となった時点で速やかに公表する予定である。同社が中期経営計画として公開している2020年9月期の売上高計画3,000百万円をもとに逆算すると、2019年9月期の売上高は2,326百万円(前期比28.9%増、フィスコ予想)と試算できる。売上面では、主力のマーケティングPF事業で、マーケティング・セールス強化施策及び新規サービス開発投資の効果が顕在化する。顧客数の伸びに加え、前期下期の新料金プランによる単価上昇により、増収ペースが上がることが予想される。利益面では、今期は投資フェーズが終了し回収フェーズに入る位置付けである。前期の下期には赤字額は減少しており、今期の早い時期には四半期ベースでの営業黒字を目指せる段階にきている。弊社では、通期での営業利益の黒字化を見込んでいる。
3. 成長戦略
同社は、デバイスやアプリ、ブラウザ間を横断してユーザー行動を可視化する「クロスデバイス機能」を2018年8月より提供開始した。この機能は、「アドエビス」で計測された年間120億を超える国内のアクセスログデータと3rd Partyデータを用いて、デバイスやブラウザを跨ぐユーザー行動を可視化できる機能で、国内効果測定ツールでは初めて独自開発の人工知能(AI)を搭載し、90%以上の精度で同一ユーザーの推定を実現した。過去数年の積極的な開発投資が結実したものであり、他社との差別化を決定的にする機能と言えるだろう。2018年8月時点で100社以上への先行提供を開始しており、年内250社の新規導入を目標にサービス提案と導入支援を加速する。
また同社は、EVERRISEの運用型広告レポート自動作成ツール「アドレポ」事業を承継し、2018年10月に事業を開始した。「アドレポ」は、運用型広告のレポート作成における業務負荷軽減を目的に開発されたクラウドサービスである。対象は主に広告代理店。Google AdWordsなどの主要広告プラットフォームと連携し、運用型広告のデータ集約とレポート作成を自動化する。利便性に優れるため既に多くの広告代理店に導入されており、同社の成長への貢献が期待できる。
■Key Points
・インターネット広告市場の拡大が追い風。主力商品「アドエビス」のアカウント数及び平均単価が続伸
・3年間の投資フェーズを経て回収フェーズ入る。主力のマーケティングPF事業がけん引し今期は高成長、黒字化に期待
・マーケティングロボット31社連携達成。画期的なクロスデバイス機能とアドレポ事業が好調スタート
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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株式会社ロックオン<3690>は、現代表取締役社長の岩田進(いわたすすむ)氏が大学時代の2000年に自宅で創業した関西発のITベンチャーである。広告効果測定システム「アドエビス」、ECオープンプラットフォーム「EC-CUBE」をヒットさせ、民間調査会社の発行する市場調査レポートの広告効果測定市場において、ベンダー別売上金額推移およびシェアで3年連続No.1を獲得し、事業が成長軌道に乗った。クラウド型広告効果測定システムの「アドエビス」は、年々機能を拡張し、2015年にはマーケティングプラットフォーム「アドエビス」として進化し、その利便性が高く評価される。2014年に東証マザーズ市場に上場を果たした。2018年10月には、(株)EVERRISEより運用型広告レポート自動作成ツール「アドレポ」を事業承継し、サービスをスタートさせた。
1. 事業概要
同社の主力事業は、マーケティングプラットフォーム(PF)事業であり、顧客のマーケティング活動を支援する数々の商品・サービスをクラウドベースで提供している。主力の「アドエビス」は、デジタル広告の効果測定・運用に関するツールであり、広告への接触から購入に至るまでの一気通貫で顧客行動やマーケティング施策の効果を把握できる。アクティブな顧客数は年々増加しており、1,518件(2018年9月期末、前期末比160件増)に達し、大企業から中堅中小企業まで様々な業種で利用されている。顧客の平均単価は84,918円(同4,966円増)であり、ミドルエンド顧客を対象とし、他社とは棲み分けをしている。インターネット広告市場の成長に伴い、広告効果測定の市場も追い風を受ける。同社は、広告効果測定市場において市場シェア42.9%を獲得し(民間調査会社の発行する市場調査レポートの広告効果測定市場において、ベンダー別売上金額推移およびシェアで3年連続No.1を獲得)、2位に2倍以上の差を付けている。
2. 業績動向
2018年9月期通期の売上高は1,804百万円(前年同期比5.0%増)、営業損失98百万円(前期は92百万円の利益)、経常損失115百万円(同106百万円の利益)、親会社株主に帰属する当期純損失88百万円(同72百万円の利益)となり増収減益となった。売上高に関しては、主力のマーケティングPF事業が前期比22.0%増と成長をけん引。マーケティング&セールスへ積極投資したことで、主力サービス「アドエビス」のアカウント数が増加し、顧客単価も上昇した。一方で商流PF事業はEC受託開発業務(ソリューション)の移管の影響で前期比41.0%減と大幅減収。全社として前期比5.0%増と小幅な増加となった。営業利益は、期初の公約どおりマーケティングPF事業への積極投資(人件費、広告宣伝費、代理店手数料など)を行い赤字決算となった。なお、商流PF事業は、前期までに事業再編が終了し、今期はセグメント利益が黒字化した。
期初の時点では、2019年9月期の業績に影響を与える未確定な要素が多いため、第2四半期(累計)及び通期の合理的な業績予想を公開していない。合理的な算定が可能となった時点で速やかに公表する予定である。同社が中期経営計画として公開している2020年9月期の売上高計画3,000百万円をもとに逆算すると、2019年9月期の売上高は2,326百万円(前期比28.9%増、フィスコ予想)と試算できる。売上面では、主力のマーケティングPF事業で、マーケティング・セールス強化施策及び新規サービス開発投資の効果が顕在化する。顧客数の伸びに加え、前期下期の新料金プランによる単価上昇により、増収ペースが上がることが予想される。利益面では、今期は投資フェーズが終了し回収フェーズに入る位置付けである。前期の下期には赤字額は減少しており、今期の早い時期には四半期ベースでの営業黒字を目指せる段階にきている。弊社では、通期での営業利益の黒字化を見込んでいる。
3. 成長戦略
同社は、デバイスやアプリ、ブラウザ間を横断してユーザー行動を可視化する「クロスデバイス機能」を2018年8月より提供開始した。この機能は、「アドエビス」で計測された年間120億を超える国内のアクセスログデータと3rd Partyデータを用いて、デバイスやブラウザを跨ぐユーザー行動を可視化できる機能で、国内効果測定ツールでは初めて独自開発の人工知能(AI)を搭載し、90%以上の精度で同一ユーザーの推定を実現した。過去数年の積極的な開発投資が結実したものであり、他社との差別化を決定的にする機能と言えるだろう。2018年8月時点で100社以上への先行提供を開始しており、年内250社の新規導入を目標にサービス提案と導入支援を加速する。
また同社は、EVERRISEの運用型広告レポート自動作成ツール「アドレポ」事業を承継し、2018年10月に事業を開始した。「アドレポ」は、運用型広告のレポート作成における業務負荷軽減を目的に開発されたクラウドサービスである。対象は主に広告代理店。Google AdWordsなどの主要広告プラットフォームと連携し、運用型広告のデータ集約とレポート作成を自動化する。利便性に優れるため既に多くの広告代理店に導入されており、同社の成長への貢献が期待できる。
■Key Points
・インターネット広告市場の拡大が追い風。主力商品「アドエビス」のアカウント数及び平均単価が続伸
・3年間の投資フェーズを経て回収フェーズ入る。主力のマーケティングPF事業がけん引し今期は高成長、黒字化に期待
・マーケティングロボット31社連携達成。画期的なクロスデバイス機能とアドレポ事業が好調スタート
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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