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イグニスのニュース
■要約
イグニス<3689>は、スマートフォン向けネイティブアプリの企画・開発・運営・販売等を主力としている。「コミュニティ」「ネイティブゲーム」「その他(新規事業等)」の3つのジャンルを事業の柱とし、ゲーム及び非ゲームの領域で独自のポジショニングを確立してきた。また、新規事業としてVRやAI、IoTなどにも取組んでいる。ロングセラーゲームとして安定運営を継続している「ぼくとドラゴン」(ネイティブゲーム)に加えて、オンライン恋愛・婚活サービス「with」(コミュニティ)が順調に伸びており、2本目の柱に育ってきた。さらには、VR事業(VRライブ等)などの新規事業も動き出しており、新たな成長ステージを迎えている。
2019年9月期第1四半期の業績は、売上高が前年同期比4.2%増の1,343百万円、営業損失が340百万円と増収ながら営業損失を計上した。ただ、営業損失の計上は、VR事業への先行費用によるものであり、計画どおりの進捗のようだ。オンライン恋愛・婚活サービス「with」の大幅な拡大が増収に寄与。一方、リリースより4年が経過し、ライフサイクルの成熟期を迎えている「ぼくとドラゴン」は前年同期比で縮小。もっとも、利益重視の運営によりプロモーション費用を抑えていることから、利益面での貢献は依然として大きい。また、2018年12月12日に配信開始したネイティブゲームの新タイトル「でみめん」については、想定通り着実に立ち上がってきたものの、第1四半期での売上貢献は期間的にわずかにとどまった。損益面では、「ぼくとドラゴン」や「with」が利益貢献した一方、VR事業への先行費用のほか、新タイトル「でみめん」の立ち上げ費用(広告宣伝費等)により営業損失を計上した。また、財務面では、2018年12月26日にVR事業への投資を目的として、新株発行(第三者割当)により約12億円の資金調達を実施している。
2019年9月期の業績予想について同社は、期初予想を据え置き、売上高を前期比23.1%増の6,000百万円、営業利益を30百万円と増収による黒字転換を見込んでいる。売上高は、「ぼくとドラゴン」が低減傾向で推移するものの、好調な「with」の成長加速が増収に大きく寄与する見通しである。一方、新タイトル「でみめん」については、一定の売上貢献を見込んではいるものの、慎重な見方をしているようだ。損益面では、積み上げ型収益モデルである「with」の伸長により収益性は大きく改善に向かう一方、VR事業への積極投資を継続することから、利益水準はまだ低位にとどまる見通しである。
同社は、2020年9月期を最終年度とする中期経営計画を推進しており、売上高150億円、営業利益60億円(営業利益率40%)を目指している。特に、市場拡大が見込める「with」とVR事業を大きく伸ばす計画となっているようだ。弊社では、「with」の更なる成長が期待できることやVR事業についても独自の収益モデル(各種IP展開とプラットフォームによる多様なマネタイズ)の形が見えてきたことから、これらの収益ドライバーの動きがカギを握るものとみている。また、中期経営計画の達成に向けては、AI関連・検査自動化、医療プロジェクト(VR事業)のほか、医療機関向けSaaSなど、これまで取組んできた新規事業の収益事業化に向けた具体的な道筋にも注目したい。
■Key Points
・2019年9月期第1四半期は増収ながらVR事業への先行費用により営業損失を計上(ただし、計画どおりの進捗)
・VR事業への投資を目的として新株発行(第三者割当)を実施し、財務基盤の強化にも取組む
・2019年9月期の通期業績は、VR事業への積極投資を継続するものの、積み上げ型収益モデルである「with」の伸びにより黒字転換を図る見通し
・今後も複数の事業の立ち上げにより、ストック型の強固な事業基盤と爆発力のある事業の推進により、安定感のある事業ポートフォリオを目指す戦略
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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イグニス<3689>は、スマートフォン向けネイティブアプリの企画・開発・運営・販売等を主力としている。「コミュニティ」「ネイティブゲーム」「その他(新規事業等)」の3つのジャンルを事業の柱とし、ゲーム及び非ゲームの領域で独自のポジショニングを確立してきた。また、新規事業としてVRやAI、IoTなどにも取組んでいる。ロングセラーゲームとして安定運営を継続している「ぼくとドラゴン」(ネイティブゲーム)に加えて、オンライン恋愛・婚活サービス「with」(コミュニティ)が順調に伸びており、2本目の柱に育ってきた。さらには、VR事業(VRライブ等)などの新規事業も動き出しており、新たな成長ステージを迎えている。
2019年9月期第1四半期の業績は、売上高が前年同期比4.2%増の1,343百万円、営業損失が340百万円と増収ながら営業損失を計上した。ただ、営業損失の計上は、VR事業への先行費用によるものであり、計画どおりの進捗のようだ。オンライン恋愛・婚活サービス「with」の大幅な拡大が増収に寄与。一方、リリースより4年が経過し、ライフサイクルの成熟期を迎えている「ぼくとドラゴン」は前年同期比で縮小。もっとも、利益重視の運営によりプロモーション費用を抑えていることから、利益面での貢献は依然として大きい。また、2018年12月12日に配信開始したネイティブゲームの新タイトル「でみめん」については、想定通り着実に立ち上がってきたものの、第1四半期での売上貢献は期間的にわずかにとどまった。損益面では、「ぼくとドラゴン」や「with」が利益貢献した一方、VR事業への先行費用のほか、新タイトル「でみめん」の立ち上げ費用(広告宣伝費等)により営業損失を計上した。また、財務面では、2018年12月26日にVR事業への投資を目的として、新株発行(第三者割当)により約12億円の資金調達を実施している。
2019年9月期の業績予想について同社は、期初予想を据え置き、売上高を前期比23.1%増の6,000百万円、営業利益を30百万円と増収による黒字転換を見込んでいる。売上高は、「ぼくとドラゴン」が低減傾向で推移するものの、好調な「with」の成長加速が増収に大きく寄与する見通しである。一方、新タイトル「でみめん」については、一定の売上貢献を見込んではいるものの、慎重な見方をしているようだ。損益面では、積み上げ型収益モデルである「with」の伸長により収益性は大きく改善に向かう一方、VR事業への積極投資を継続することから、利益水準はまだ低位にとどまる見通しである。
同社は、2020年9月期を最終年度とする中期経営計画を推進しており、売上高150億円、営業利益60億円(営業利益率40%)を目指している。特に、市場拡大が見込める「with」とVR事業を大きく伸ばす計画となっているようだ。弊社では、「with」の更なる成長が期待できることやVR事業についても独自の収益モデル(各種IP展開とプラットフォームによる多様なマネタイズ)の形が見えてきたことから、これらの収益ドライバーの動きがカギを握るものとみている。また、中期経営計画の達成に向けては、AI関連・検査自動化、医療プロジェクト(VR事業)のほか、医療機関向けSaaSなど、これまで取組んできた新規事業の収益事業化に向けた具体的な道筋にも注目したい。
■Key Points
・2019年9月期第1四半期は増収ながらVR事業への先行費用により営業損失を計上(ただし、計画どおりの進捗)
・VR事業への投資を目的として新株発行(第三者割当)を実施し、財務基盤の強化にも取組む
・2019年9月期の通期業績は、VR事業への積極投資を継続するものの、積み上げ型収益モデルである「with」の伸びにより黒字転換を図る見通し
・今後も複数の事業の立ち上げにより、ストック型の強固な事業基盤と爆発力のある事業の推進により、安定感のある事業ポートフォリオを目指す戦略
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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