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クロス・マーケティンググループのニュース
■ビジネスモデル
3. ターニングポイント
クロス・マーケティンググループ<3675>は2003年の創業で、当時はネットリサーチ業界で最後発の1社と見られていた。それが今やマーケティングリサーチ業界を代表する企業にまで成長した。その成長のためのターニングポイントが、これまで3回あったと考えられる。
最初のターニングポイントは、2006年VOYAGE GROUP(当時ECナビ)と業務資本提携をしたことである。VOYAGE傘下のリサーチパネルに資本参加することで、リサーチパネルの有する70万人(当時)という大規模なモニターを獲得することができた。これが弾みになって電通リサーチ(現 電通マクロミルインサイト)やビデオリサーチといったトップクラスのマーケティングリサーチ会社と提携し、業容を大きく拡大することができたのである。電通リサーチは同社の同業だが、当時ネットリサーチ機能を持たなかったため、同社の機能を補完的に利用するニーズがあった。そしてこれを「間接販売」といい、同社以外に積極化する企業が少なかったこともあって、「間接販売」は同社の初期の成長をけん引することになった。
2008年の東証マザーズ上場は2つめのターニングポイントである。上場によって資金力と知名度が付いたこともあり、様々な調査の依頼が舞い込むようなった。とはいえ、ネットリサーチのマーケットが小さかったこともあって、今度は積極的に「直接販売」を推進した。この「直接販売」が当たって業容が急拡大するが、それに伴って、多種多様で大量なモニターの保持と調査設計のカスタマイズが必要となった。前者については、楽天リサーチやネットマイルといった大規模なモニターを持つ同業他社と業務提携し、モニターを相互利用することで業界最大と言われるモニター数を確保することができた。この結果、非常に大量なサンプルやレアな調査対象にも対応できるようになり、同社の成長にさらに弾みがついた。後者は、専門的な知識がなくてもアンケート画面を作成・カスタマイズできる「pyxis2」を開発、加えてコスト抑制を目的に遠隔地にオペレーションセンターを作ることで、使い勝手のよいツールをローコストで顧客に提供することができた。
3つ目のターニングポイントは2013年の持株会社化である。これにより、現在、「アジアNo.1マーケティンググループ」を目指してM&Aや海外展開を加速している。M&Aや海外展開は、同社の業容拡大に欠かせないポイントだが、一方で為替の影響やコストプッシュなど業績が変動する要素が増えることにもなる。また、近年、ITを中心とする新興企業の中にはM&Aなどによって数多くの子会社を抱えるものも多いが、管理体制が問題になることも少なくない。同社にとって3つ目のターニングポイントは、単に子会社数を増やすことではなく、事業の効率化や管理、グリップという点で、次の成長のため子会社群を収益化し成長させることだと考える。次期中期経営計画では、3つ目のターニングポイントを経てさらに成長していく姿が描かれることを期待する。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
<TN>
3. ターニングポイント
クロス・マーケティンググループ<3675>は2003年の創業で、当時はネットリサーチ業界で最後発の1社と見られていた。それが今やマーケティングリサーチ業界を代表する企業にまで成長した。その成長のためのターニングポイントが、これまで3回あったと考えられる。
最初のターニングポイントは、2006年VOYAGE GROUP(当時ECナビ)と業務資本提携をしたことである。VOYAGE傘下のリサーチパネルに資本参加することで、リサーチパネルの有する70万人(当時)という大規模なモニターを獲得することができた。これが弾みになって電通リサーチ(現 電通マクロミルインサイト)やビデオリサーチといったトップクラスのマーケティングリサーチ会社と提携し、業容を大きく拡大することができたのである。電通リサーチは同社の同業だが、当時ネットリサーチ機能を持たなかったため、同社の機能を補完的に利用するニーズがあった。そしてこれを「間接販売」といい、同社以外に積極化する企業が少なかったこともあって、「間接販売」は同社の初期の成長をけん引することになった。
2008年の東証マザーズ上場は2つめのターニングポイントである。上場によって資金力と知名度が付いたこともあり、様々な調査の依頼が舞い込むようなった。とはいえ、ネットリサーチのマーケットが小さかったこともあって、今度は積極的に「直接販売」を推進した。この「直接販売」が当たって業容が急拡大するが、それに伴って、多種多様で大量なモニターの保持と調査設計のカスタマイズが必要となった。前者については、楽天リサーチやネットマイルといった大規模なモニターを持つ同業他社と業務提携し、モニターを相互利用することで業界最大と言われるモニター数を確保することができた。この結果、非常に大量なサンプルやレアな調査対象にも対応できるようになり、同社の成長にさらに弾みがついた。後者は、専門的な知識がなくてもアンケート画面を作成・カスタマイズできる「pyxis2」を開発、加えてコスト抑制を目的に遠隔地にオペレーションセンターを作ることで、使い勝手のよいツールをローコストで顧客に提供することができた。
3つ目のターニングポイントは2013年の持株会社化である。これにより、現在、「アジアNo.1マーケティンググループ」を目指してM&Aや海外展開を加速している。M&Aや海外展開は、同社の業容拡大に欠かせないポイントだが、一方で為替の影響やコストプッシュなど業績が変動する要素が増えることにもなる。また、近年、ITを中心とする新興企業の中にはM&Aなどによって数多くの子会社を抱えるものも多いが、管理体制が問題になることも少なくない。同社にとって3つ目のターニングポイントは、単に子会社数を増やすことではなく、事業の効率化や管理、グリップという点で、次の成長のため子会社群を収益化し成長させることだと考える。次期中期経営計画では、3つ目のターニングポイントを経てさらに成長していく姿が描かれることを期待する。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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