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オークファンのニュース
■今後の方向性
1. 存在意義の再定義
オークファン<3674>は、SDGsへの関心が高まるなかで、ますます深刻化してきた廃棄ロス問題やリバースロジスティクス(返品市場)の拡大に正面から向き合い、解決策を提供する企業として、自らを「RE-INFRA COMPANY」として再定義した。「RE」とは、既にあるものを捉え直し、より良く組み替え、再構築するという意味を含んでおり、「RE」に関する様々な機能をつなぎ統合することで、モノとそれに関わるヒトの価値を、再配分・最適配分し、廃棄ロスという深刻な社会問題を解決する方向性を示している。
2. 対象市場
DX化に遅れが見られる国内BtoB卸売市場(約300兆円※1)をはじめ、コロナ禍でさらに深刻化している商品在庫の廃棄ロス(約22兆円※2)、今後拡大が見込まれる返品市場(推定2.2兆円※3)を対象とし、SMBに特化した「モノの再流通インフラ」を構築することにより、流通額の拡大を図っていく戦略である。海外においても、同様の流れのなかで、すでに1兆円規模のリーディングカンパニーが誕生しており、同社としても国内でのシェアNo.1を狙う絶好の機会として捉えている。
※1 「電子商取引に関する市場調査」(経済産業省 2021年7月30日発表)等から同社推計。
※2 卸売・小売業、製造業の合計値。「法人企業統計」(財務省)等から同社推計。
※3 国内におけるBtoC EC市場/物販系分野の規模(約12兆円)に、海外(米国)における返品率(約18%)を掛けわせて推計したもの。
3. 成長戦略の方向性
同社は、現時点で具体的な中期経営計画(数値目標)の公表はしていない。対象とする市場が巨大であるうえ、本格的な需要拡大のタイミングやスピードが未知数であること、同社自身の事業モデルも進化の過程(投資フェーズ)にあることなどが理由のようだ。ただ、同社グループの各機能を結集・統合した「モノの再流通インフラ」(在庫流動化のワンストップソリューション)の確立により、まずは現在の約10倍となる流通高1兆円以上の実現を視野に入れている。足元では事業の選択と集中を進めているが、今後の方向性に大きな見直しはない。むしろ成長戦略の実現に向けた道筋が見えてきたことが背景であり、「注力事業」への積極投資により、成長スピードを高め、圧倒的な地位(流通額で国内No.1シェア)を確立するところに狙いがあると考えられる。
4. 各注力事業における活動方針
(1) NETSEA
巨大なBtoB卸売市場において、「スモールビジネスのDX化を加速させる卸流通のNo.1プラットフォーム」を目指し、1)海外を中心とした新規バイヤー獲得、2)オフライン流通(電話やFaxなど従来型の手続き)を取り込む新規サービス、3)取扱い商材、出展対象サプライヤー拡大(食品卸領域やセレクトショップ向けなど)、4)自治体・大手企業向け運営代行サービスの提供などに取り組む。
(2) NETSEAオークション
拡大する返品市場において、「SDGsに資するリバースロジティクスのリーディングカンパニー」を目指し、1)リバースロジスティクスの物流インフラ構築、2)買取カテゴリの拡張、3)リサイクル業者バイヤーの拡大、4)即時査定・返品管理システムの構築などに取り組む。
(3) aucfan.com
祖業である「aucfan.com」については、SMBをターゲットとしてテコ入れしていく方針であり、「日本最大級のSMB向けメディア」を目指し、1)「aucfan.com」の大規模リニューアル及び新規開発、2)「オークファンロボ」のEC事業者向け拡販、3)SMB・副業ユーザー向け業務提供サービスの提供などに取り組む。
5. 弊社の注目点
弊社においても、DX化による効率化余地が大きいBtoB卸売市場をはじめ、廃棄ロス・返品市場に着目し、社会課題の解決に向けた取り組みを同社自らの成長に結び付ける方向性は、社会的意義やポテンシャルが大きいうえ、同社の優位性も発揮できることから理に適っていると評価している。特に、これまで蓄積してきたデータやノウハウ、同社ならではの各機能を結集・統合し、独自の「再流通インフラ」を確立することにより、圧倒的なポジションを獲得できる可能性も十分にあると見ている。また、事業拡大の成否を決するサプライヤーの開拓についても、インフラ提供による業務効率化を含めたワンストップソリューションが武器になるとともに、一度導入すると業務プロセスの中に組み込まれ、離反される可能性は低いと考えられる。したがって、今後、いかに他社に先駆けて市場を切り開き、囲い込んでいくのかが、同社の成長性を判断するうえで重要なテーマと言えよう。2022年9月期は「注力事業」への積極投資により大幅な減益となる見通しであるが、潜在的な需要を掘り起こし、流通額を加速度的に生み出していくためには必要なプロセスと捉えている。したがって、先行投資や様々な活動を通じて、いかに流通額の拡大を実現していくのか、その道筋にも注目したい。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
<SI>
1. 存在意義の再定義
オークファン<3674>は、SDGsへの関心が高まるなかで、ますます深刻化してきた廃棄ロス問題やリバースロジスティクス(返品市場)の拡大に正面から向き合い、解決策を提供する企業として、自らを「RE-INFRA COMPANY」として再定義した。「RE」とは、既にあるものを捉え直し、より良く組み替え、再構築するという意味を含んでおり、「RE」に関する様々な機能をつなぎ統合することで、モノとそれに関わるヒトの価値を、再配分・最適配分し、廃棄ロスという深刻な社会問題を解決する方向性を示している。
2. 対象市場
DX化に遅れが見られる国内BtoB卸売市場(約300兆円※1)をはじめ、コロナ禍でさらに深刻化している商品在庫の廃棄ロス(約22兆円※2)、今後拡大が見込まれる返品市場(推定2.2兆円※3)を対象とし、SMBに特化した「モノの再流通インフラ」を構築することにより、流通額の拡大を図っていく戦略である。海外においても、同様の流れのなかで、すでに1兆円規模のリーディングカンパニーが誕生しており、同社としても国内でのシェアNo.1を狙う絶好の機会として捉えている。
※1 「電子商取引に関する市場調査」(経済産業省 2021年7月30日発表)等から同社推計。
※2 卸売・小売業、製造業の合計値。「法人企業統計」(財務省)等から同社推計。
※3 国内におけるBtoC EC市場/物販系分野の規模(約12兆円)に、海外(米国)における返品率(約18%)を掛けわせて推計したもの。
3. 成長戦略の方向性
同社は、現時点で具体的な中期経営計画(数値目標)の公表はしていない。対象とする市場が巨大であるうえ、本格的な需要拡大のタイミングやスピードが未知数であること、同社自身の事業モデルも進化の過程(投資フェーズ)にあることなどが理由のようだ。ただ、同社グループの各機能を結集・統合した「モノの再流通インフラ」(在庫流動化のワンストップソリューション)の確立により、まずは現在の約10倍となる流通高1兆円以上の実現を視野に入れている。足元では事業の選択と集中を進めているが、今後の方向性に大きな見直しはない。むしろ成長戦略の実現に向けた道筋が見えてきたことが背景であり、「注力事業」への積極投資により、成長スピードを高め、圧倒的な地位(流通額で国内No.1シェア)を確立するところに狙いがあると考えられる。
4. 各注力事業における活動方針
(1) NETSEA
巨大なBtoB卸売市場において、「スモールビジネスのDX化を加速させる卸流通のNo.1プラットフォーム」を目指し、1)海外を中心とした新規バイヤー獲得、2)オフライン流通(電話やFaxなど従来型の手続き)を取り込む新規サービス、3)取扱い商材、出展対象サプライヤー拡大(食品卸領域やセレクトショップ向けなど)、4)自治体・大手企業向け運営代行サービスの提供などに取り組む。
(2) NETSEAオークション
拡大する返品市場において、「SDGsに資するリバースロジティクスのリーディングカンパニー」を目指し、1)リバースロジスティクスの物流インフラ構築、2)買取カテゴリの拡張、3)リサイクル業者バイヤーの拡大、4)即時査定・返品管理システムの構築などに取り組む。
(3) aucfan.com
祖業である「aucfan.com」については、SMBをターゲットとしてテコ入れしていく方針であり、「日本最大級のSMB向けメディア」を目指し、1)「aucfan.com」の大規模リニューアル及び新規開発、2)「オークファンロボ」のEC事業者向け拡販、3)SMB・副業ユーザー向け業務提供サービスの提供などに取り組む。
5. 弊社の注目点
弊社においても、DX化による効率化余地が大きいBtoB卸売市場をはじめ、廃棄ロス・返品市場に着目し、社会課題の解決に向けた取り組みを同社自らの成長に結び付ける方向性は、社会的意義やポテンシャルが大きいうえ、同社の優位性も発揮できることから理に適っていると評価している。特に、これまで蓄積してきたデータやノウハウ、同社ならではの各機能を結集・統合し、独自の「再流通インフラ」を確立することにより、圧倒的なポジションを獲得できる可能性も十分にあると見ている。また、事業拡大の成否を決するサプライヤーの開拓についても、インフラ提供による業務効率化を含めたワンストップソリューションが武器になるとともに、一度導入すると業務プロセスの中に組み込まれ、離反される可能性は低いと考えられる。したがって、今後、いかに他社に先駆けて市場を切り開き、囲い込んでいくのかが、同社の成長性を判断するうえで重要なテーマと言えよう。2022年9月期は「注力事業」への積極投資により大幅な減益となる見通しであるが、潜在的な需要を掘り起こし、流通額を加速度的に生み出していくためには必要なプロセスと捉えている。したがって、先行投資や様々な活動を通じて、いかに流通額の拡大を実現していくのか、その道筋にも注目したい。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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