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*15:05JST ブロドリーフ Research Memo(5):クラウドの浸透とサービスの拡張により、最終年度で営業利益率40%を計画
■中期経営計画
ブロードリーフ<3673>は、2021年10月にクラウドソフトウェア「.cシリーズ」をリリースしたことに伴い、2021年2月に公表した中期経営方針を更新し、2028年12月期までの業績計画を策定した。以下はその概要であるが、現時点で計画及び定量的目標は変わっていない※。
※2023年12月期の売上収益予想のみ、当初計画の147億円から150億円に上方修正している。
1. 中期経営計画の成長戦略
成長戦略として、「クラウドの浸透」と「サービスの拡張」が挙げられる。「クラウドの浸透」としては、従来ソフトウェア「.NSシリーズ」からフルモデルチェンジしたクラウドソフトウェア「.cシリーズ」への移行を進める。「.cシリーズ」は、業種ごとの「企業ライセンス」に加え、職種ごとに細分化された「ジョブライセンス」や、それらを複数人で利用する場合に追加する「従業員アカウント」がある。業種ライセンスを交代で使用していた「.NSシリーズ」に対し、「.cシリーズ」では従事者の職種に応じたジョブライセンス等の設定が可能となり、顧客の使い勝手はより向上する。また、Web上での稼働により端末フリーとなり、場所を選ばず使えるため、各拠点の情報やシステムを本部でリアルタイムに統合管理することが可能となる。このほか、リアルタイム連携(各種APIを備えていることから、様々な機能連携やデータ連動が可能)によりナレッジを分析・共有でき、利用状況などからナレッジマネジメントをサポートできる。これによりトータルマネジメントシステムとして利用される。
「サービスの拡張」としては、APIに加えてSDK(開発キット)も提供していることから、他システムとのAPI連携、開発ベンダーによるアドオン開発、3rdパーティによる新たなサービス展開も可能となる。また、「.cシリーズ」がプラットフォームの機能を有しているため、各種データベース間でのデータ変換も可能である。
「.cシリーズ」の最大の特色は、潜在市場が拡大することだ。既述のとおり、同製品はプラットフォーム上で提供されるサービスのひとつであるため、新たなサービス展開や他社システムとの連携も可能となることから、潜在的な事業者数※1が自動車ディーラー(1.6万社)を新たに加えた10万社超に拡大すると同社では予想している。またライセンス体系についても、以前は業種ごとのライセンスであったが、同製品では従事者の職種に応じたジョブライセンスや、それらを複数人で利用する場合に追加する「従業員アカウント」が加わっていることから、潜在的な従事者数※2は約50万人超と予想している。
※1 「.cシリーズ」の対象である自動車整備業、鈑金業、部品商、リサイクル業の事業者数。
※2 自動車整備業、鈑金業、部品商、リサイクル業の従業者数。
2. 定量的目標とKPI
(1) 2028年12月期までの連結業績計画
既述のとおり、2022年12月期から同社ソフトウェア販売のメイン商材が、従来ソフトウェア「.NSシリーズ」から新しいクラウドソフトウェア「.cシリーズ」へ移行している。同社では、従来ソフトウェアからの移行完了は2028年中を見込んでいることから、2028年12月期を最終年度とした計画を策定した。業績計画としては、2022年12月期をボトムに2023年12月期までは最終損失となるものの、2024年12月期に黒字回復し、2026年12月期には過去最高業績を更新する予定となっている。また、最終年度である2028年12月期には、営業利益率40%水準、親会社の所有者に帰属する当期利益80億円まで成長する見込みだ。
(2) KPI
同社では、業績計画を達成するための重要な戦略として「クラウドの浸透」を掲げているが、浸透策の進捗を測る重要な指標として「クラウド化率(クラウドソフトウェアへの移行率)=クラウドソフトウェア利用社数/全ソフトユーザー数」を挙げている。また、売上金額に影響を及ぼす要素としてクラウドソフトウェアの「ライセンス数」、「ライセンス平均月額売上」、ユーザー維持率を挙げている。なお、「クラウド化率」「クラウドソフトウェアのライセンス数」「ライセンス平均月額売上」「ユーザー維持率」の4つの指標については、将来時点の設定値を公表するとともに、適宜実績を開示する方針だ。
(3) 資金繰りについて
2022年12月期及び2023年12月期は営業損失が続くことに加え、ソフトウェア開発を継続することから、当面はフリー・キャッシュの大幅赤字が予想される。これについて同社は、「足元では銀行からの借り入れで賄う予定で、借入のコミットも取れているので資金的には問題ない。2028年12月期までこの計画を遂行するのに、エクイティファイナンスは必要ない」と述べている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
<SI>
ブロードリーフ<3673>は、2021年10月にクラウドソフトウェア「.cシリーズ」をリリースしたことに伴い、2021年2月に公表した中期経営方針を更新し、2028年12月期までの業績計画を策定した。以下はその概要であるが、現時点で計画及び定量的目標は変わっていない※。
※2023年12月期の売上収益予想のみ、当初計画の147億円から150億円に上方修正している。
1. 中期経営計画の成長戦略
成長戦略として、「クラウドの浸透」と「サービスの拡張」が挙げられる。「クラウドの浸透」としては、従来ソフトウェア「.NSシリーズ」からフルモデルチェンジしたクラウドソフトウェア「.cシリーズ」への移行を進める。「.cシリーズ」は、業種ごとの「企業ライセンス」に加え、職種ごとに細分化された「ジョブライセンス」や、それらを複数人で利用する場合に追加する「従業員アカウント」がある。業種ライセンスを交代で使用していた「.NSシリーズ」に対し、「.cシリーズ」では従事者の職種に応じたジョブライセンス等の設定が可能となり、顧客の使い勝手はより向上する。また、Web上での稼働により端末フリーとなり、場所を選ばず使えるため、各拠点の情報やシステムを本部でリアルタイムに統合管理することが可能となる。このほか、リアルタイム連携(各種APIを備えていることから、様々な機能連携やデータ連動が可能)によりナレッジを分析・共有でき、利用状況などからナレッジマネジメントをサポートできる。これによりトータルマネジメントシステムとして利用される。
「サービスの拡張」としては、APIに加えてSDK(開発キット)も提供していることから、他システムとのAPI連携、開発ベンダーによるアドオン開発、3rdパーティによる新たなサービス展開も可能となる。また、「.cシリーズ」がプラットフォームの機能を有しているため、各種データベース間でのデータ変換も可能である。
「.cシリーズ」の最大の特色は、潜在市場が拡大することだ。既述のとおり、同製品はプラットフォーム上で提供されるサービスのひとつであるため、新たなサービス展開や他社システムとの連携も可能となることから、潜在的な事業者数※1が自動車ディーラー(1.6万社)を新たに加えた10万社超に拡大すると同社では予想している。またライセンス体系についても、以前は業種ごとのライセンスであったが、同製品では従事者の職種に応じたジョブライセンスや、それらを複数人で利用する場合に追加する「従業員アカウント」が加わっていることから、潜在的な従事者数※2は約50万人超と予想している。
※1 「.cシリーズ」の対象である自動車整備業、鈑金業、部品商、リサイクル業の事業者数。
※2 自動車整備業、鈑金業、部品商、リサイクル業の従業者数。
2. 定量的目標とKPI
(1) 2028年12月期までの連結業績計画
既述のとおり、2022年12月期から同社ソフトウェア販売のメイン商材が、従来ソフトウェア「.NSシリーズ」から新しいクラウドソフトウェア「.cシリーズ」へ移行している。同社では、従来ソフトウェアからの移行完了は2028年中を見込んでいることから、2028年12月期を最終年度とした計画を策定した。業績計画としては、2022年12月期をボトムに2023年12月期までは最終損失となるものの、2024年12月期に黒字回復し、2026年12月期には過去最高業績を更新する予定となっている。また、最終年度である2028年12月期には、営業利益率40%水準、親会社の所有者に帰属する当期利益80億円まで成長する見込みだ。
(2) KPI
同社では、業績計画を達成するための重要な戦略として「クラウドの浸透」を掲げているが、浸透策の進捗を測る重要な指標として「クラウド化率(クラウドソフトウェアへの移行率)=クラウドソフトウェア利用社数/全ソフトユーザー数」を挙げている。また、売上金額に影響を及ぼす要素としてクラウドソフトウェアの「ライセンス数」、「ライセンス平均月額売上」、ユーザー維持率を挙げている。なお、「クラウド化率」「クラウドソフトウェアのライセンス数」「ライセンス平均月額売上」「ユーザー維持率」の4つの指標については、将来時点の設定値を公表するとともに、適宜実績を開示する方針だ。
(3) 資金繰りについて
2022年12月期及び2023年12月期は営業損失が続くことに加え、ソフトウェア開発を継続することから、当面はフリー・キャッシュの大幅赤字が予想される。これについて同社は、「足元では銀行からの借り入れで賄う予定で、借入のコミットも取れているので資金的には問題ない。2028年12月期までこの計画を遂行するのに、エクイティファイナンスは必要ない」と述べている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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