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エムアップホールディングスのニュース
■企業特徴
エムアップ<3661>は、会員数の拡大が業績の伸びをけん引する収益モデルである。したがって、強力IP(コンテンツ)を獲得し、集客力の高いサイトを数多く保有するとともに、会員の退会率を低く抑えることで会員基盤を積み上げ、さらに会員1人当たりの単価を高める仕組みを導入することが成功の秘訣と言える。同社は、以下に掲げる強みを生かすことで他社との差別化を図るとともに、効果的な価値創造を実現している。
(1) 強力IPを獲得し、集客力の高いサイト運営を実現する仕組み
同社は、レコード会社を始めとする音楽業界等のコンテンツホルダー出身者が多いことから、芸能界に精通していることに加え、これまでのコンテンツ制作に携わってきた経験が、集客力の高いアーティストやタレント、キャラクター等の獲得やコンテンツ発掘、サイト企画に有利に働いている。また、ファンクラブサイトにはオリジナル特典を付与することで、コアなファン層を会員として取り込むとともに、会員期間が長いほど恩恵を受ける仕組みや、関連するコンテンツやオリジナル特典の継続的な提供により退会率を低く抑え、会員基盤の積み上げを図っている。
(2) 様々なコンテンツ分野の人気サイトを運営してきた実績
会員制サイトの運営、eコマースを始め、多岐にわたるカテゴリーやジャンルで公式サイトを幅広く運営してきたことが、ノウハウの蓄積や信頼につながり、コンテンツホルダーからコンテンツを獲得する際の強みとなるとともに、リスク分散にもなっている。また、その多くはキャリアの公式メニューの上位サイトにランキングされている。
(3) シナジー効果を発揮するビジネスモデル
複数のコンテンツ分野への複合的なサイト展開は、相互リンクなどにより利用者の回遊性を高め、収益機会の増大を図っている。特に、ファンクラブサイトからCDやDVD、アーティストグッズ等のeコマースへの誘導は、低迷するパッケージ商品(CD、DVD等)市場において、コアとなるファン層に直接リーチする新しいチャネルを創造するとともに、1人当たりの単価の向上にも貢献している。最近では、芸能事務所から直接的にレコードの企画・制作、販売までのトータルプロデュースを依頼されるケースも増えているようだ。今後に向けては、新たに開始するVR事業や電子チケット事業との事業シナジーの追求が重要な戦略テーマとなっている。
(4) 新たに開始するVR事業及び電子チケット事業における優位性
VR事業については、各権利元とのリレーションによる強力IPの獲得が大きな武器になるものと考えられる。また、同社ならではのVR体験による差別化を目指しており、2019年3月期中に具体的なサービス概要が公表される予定である。さらには、各事業会社との戦略的提携によるコンソーシアム体制を取っていることから、他社との協業によるダイナミックな展開(価値創造)も期待できる。一方、電子チケット事業についても、スマートフォン画面にスタンプを押す電子チケットアプリやチケットトレードセンター機能に優位性がある。特に、チケットトレードセンター機能※1を活かした2次流通市場の創出は、会員を囲い込むインセンティブになるとともに、政府や業界が進める不正転売対策※2にも貢献するものである。他社も巻き込みながら、今後のデファクトスタンダードになる可能性が高い。
※1 ライブやイベントに行けなくなった時に、他の人に定価でチケットを譲れるサービスである。今までのチケット転売サイトとは異なり、個人間のやり取りができず、定価取引で行われ、チケットの高額転売を防ぐことができる。
※2 2018年12月8日には、コンサートなどのチケットの不正な転売を禁ずる議員立法の「特定興行入場券の不正転売の禁止等による興行入場券の適正な流通の確保に関する法律案」が参議院本会議で可決、成立した(2019年6月施行予定)。同社にとって追い風となる可能性が高い。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)
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エムアップ<3661>は、会員数の拡大が業績の伸びをけん引する収益モデルである。したがって、強力IP(コンテンツ)を獲得し、集客力の高いサイトを数多く保有するとともに、会員の退会率を低く抑えることで会員基盤を積み上げ、さらに会員1人当たりの単価を高める仕組みを導入することが成功の秘訣と言える。同社は、以下に掲げる強みを生かすことで他社との差別化を図るとともに、効果的な価値創造を実現している。
(1) 強力IPを獲得し、集客力の高いサイト運営を実現する仕組み
同社は、レコード会社を始めとする音楽業界等のコンテンツホルダー出身者が多いことから、芸能界に精通していることに加え、これまでのコンテンツ制作に携わってきた経験が、集客力の高いアーティストやタレント、キャラクター等の獲得やコンテンツ発掘、サイト企画に有利に働いている。また、ファンクラブサイトにはオリジナル特典を付与することで、コアなファン層を会員として取り込むとともに、会員期間が長いほど恩恵を受ける仕組みや、関連するコンテンツやオリジナル特典の継続的な提供により退会率を低く抑え、会員基盤の積み上げを図っている。
(2) 様々なコンテンツ分野の人気サイトを運営してきた実績
会員制サイトの運営、eコマースを始め、多岐にわたるカテゴリーやジャンルで公式サイトを幅広く運営してきたことが、ノウハウの蓄積や信頼につながり、コンテンツホルダーからコンテンツを獲得する際の強みとなるとともに、リスク分散にもなっている。また、その多くはキャリアの公式メニューの上位サイトにランキングされている。
(3) シナジー効果を発揮するビジネスモデル
複数のコンテンツ分野への複合的なサイト展開は、相互リンクなどにより利用者の回遊性を高め、収益機会の増大を図っている。特に、ファンクラブサイトからCDやDVD、アーティストグッズ等のeコマースへの誘導は、低迷するパッケージ商品(CD、DVD等)市場において、コアとなるファン層に直接リーチする新しいチャネルを創造するとともに、1人当たりの単価の向上にも貢献している。最近では、芸能事務所から直接的にレコードの企画・制作、販売までのトータルプロデュースを依頼されるケースも増えているようだ。今後に向けては、新たに開始するVR事業や電子チケット事業との事業シナジーの追求が重要な戦略テーマとなっている。
(4) 新たに開始するVR事業及び電子チケット事業における優位性
VR事業については、各権利元とのリレーションによる強力IPの獲得が大きな武器になるものと考えられる。また、同社ならではのVR体験による差別化を目指しており、2019年3月期中に具体的なサービス概要が公表される予定である。さらには、各事業会社との戦略的提携によるコンソーシアム体制を取っていることから、他社との協業によるダイナミックな展開(価値創造)も期待できる。一方、電子チケット事業についても、スマートフォン画面にスタンプを押す電子チケットアプリやチケットトレードセンター機能に優位性がある。特に、チケットトレードセンター機能※1を活かした2次流通市場の創出は、会員を囲い込むインセンティブになるとともに、政府や業界が進める不正転売対策※2にも貢献するものである。他社も巻き込みながら、今後のデファクトスタンダードになる可能性が高い。
※1 ライブやイベントに行けなくなった時に、他の人に定価でチケットを譲れるサービスである。今までのチケット転売サイトとは異なり、個人間のやり取りができず、定価取引で行われ、チケットの高額転売を防ぐことができる。
※2 2018年12月8日には、コンサートなどのチケットの不正な転売を禁ずる議員立法の「特定興行入場券の不正転売の禁止等による興行入場券の適正な流通の確保に関する法律案」が参議院本会議で可決、成立した(2019年6月施行予定)。同社にとって追い風となる可能性が高い。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)
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