イーブックがストップ高カイ気配、デジタル教科書関連との見方

　イーブックイニシアティブジャパン<3658.T>が突発高を演じ値幅制限上限の１００円高は６５０円カイ気配となっている。全般は主力株が戻り売り警戒で見送られるなか、機関投資家などの売り圧力の乏しい中小型銘柄に流れが向かっている。そのなか、目先の材料に敏感な相場が繰り広げられているが、市場では「総務省が２０２０年までに全国すべての小・中・高校に無線ＬＡＮ『Ｗｉ－Ｆｉ』を導入する方針が８日付の日本経済新聞などを通じて伝わり、関連銘柄を物色する動きが加速した」（国内準大手証券）という。デジタル教科書関連としてチエル<3933.T>に短期資金が集中、４日連続のストップ高と異彩の上げ足をみせているが、「出遅れ株を探す動きで、電子書籍配信を手掛ける同社株に白羽の矢が立ったようだ」（同）と指摘されている。

　既に文部科学省の有識者会議は先月、２０年度をめどに全国の小中高校で使う教科書でデジタル教科書の使用を認める報告案を示しており、従来の紙の教科書とデジタル版を併用し、将来的には紙とデジタルいずれかのみを使う選択制も検討することが報じられている。１７年度にも法改正し正式な教科書となることを目指す方向にあることから、関連銘柄の株価を強く刺激するかたちとなっている。

出所：株式経済新聞（株式会社みんかぶ）