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*15:25JST No.1 Research Memo(5):2024年2月期は先行費用が発生したが、増収かつ6期連続の営業増益で着地
■決算概要
1. 2024年2月期決算の概要
No.1<3562>の2024年2月期の連結業績は、売上高が前期比1.1%増の13,452百万円、営業利益が同6.7%増の1,227百万円、経常利益が同6.4%増の1,216百万円、親会社株主に帰属する当期純利益(以下、最終利益)が同2.8%減の886百万円と増収・営業(及び経常)増益となった。最終利益が減益となったのは、2023年2月期における一時的な特別利益※のはく落によるものである。一方、中期経営計画については、営業利益が先行費用の影響で若干届かなかったものの、売上高及び最終利益は達成した。
※アスクル事業譲渡益300百万円によるもの。
売上高はわずかな伸びにとどまったが、その点は想定内である。DX進展に伴って情報セキュリティ機器の販売が堅調に推移したことや、注力する「No.1ビジネスサポート」の積み上げなどによりに増収を確保した。KPI(単体ベース)についても、アクティブユーザー数が16,002社(前期末比239社増)、1社当たりの平均売上高が56.7万円(前期比3.5万円増)に増加し、複合販売比率は42.9%(前期は43.6%)、長期契約比率は46.5%(同44.9%)とそれぞれ高水準を維持した。また、注力する「No.1ビジネスサポート」についても、保有契約件数が4,723件(前期末比523件増)、期末の平均顧客単価が10,900円(前期末は9,400円)※と着実に底上げができている。
※基本料金を6,000円から9,800円に引き上げたことが平均顧客単価の上昇につながった。
利益面では、高付加価値商材の伸びやストック収益の積み上げにより売上総利益率が0.3ポイント改善した。一方、販管費については、今後の事業拡大に向けた先行費用(キャリア採用や賃金改定など人的投資のほか、BPO活用、基幹システム導入に係る費用など)により増加したものの、売上総利益の伸びで吸収し営業増益を実現した。営業利益率も9.1%(前期は8.6%)に上昇している。
財務面については、増収に伴う売上債権の増加などにより、総資産は前期末比2.1%増の8,100百万円とわずかに増加した。一方、自己資本は自己株式取得(マイナス要因)を内部留保の積み増し(プラス要因)が上回ったことから同7.3%増の3,750百万円に拡大し、それらの結果、自己資本比率は46.3%(前期末は44.0%)に上昇した。
2. 2024年2月期の総括
以上から、2024年2月期を総括すると、今後に向けた先行費用を投下しながらも、年度後半に向けてしっかりと利益を積み上げ、最終的に営業増益で着地するとともに、中期経営計画についてもほぼ達成できたところは、同社の底力を示すものとして大いに評価したい。また、活動面でも販路開拓に向けた業務提携や新領域への進出を目的とするM&Aを進めるなど、次期中期経営計画に向けて大きく弾みをつけたと言える(詳細は後述)。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
<SO>
1. 2024年2月期決算の概要
No.1<3562>の2024年2月期の連結業績は、売上高が前期比1.1%増の13,452百万円、営業利益が同6.7%増の1,227百万円、経常利益が同6.4%増の1,216百万円、親会社株主に帰属する当期純利益(以下、最終利益)が同2.8%減の886百万円と増収・営業(及び経常)増益となった。最終利益が減益となったのは、2023年2月期における一時的な特別利益※のはく落によるものである。一方、中期経営計画については、営業利益が先行費用の影響で若干届かなかったものの、売上高及び最終利益は達成した。
※アスクル事業譲渡益300百万円によるもの。
売上高はわずかな伸びにとどまったが、その点は想定内である。DX進展に伴って情報セキュリティ機器の販売が堅調に推移したことや、注力する「No.1ビジネスサポート」の積み上げなどによりに増収を確保した。KPI(単体ベース)についても、アクティブユーザー数が16,002社(前期末比239社増)、1社当たりの平均売上高が56.7万円(前期比3.5万円増)に増加し、複合販売比率は42.9%(前期は43.6%)、長期契約比率は46.5%(同44.9%)とそれぞれ高水準を維持した。また、注力する「No.1ビジネスサポート」についても、保有契約件数が4,723件(前期末比523件増)、期末の平均顧客単価が10,900円(前期末は9,400円)※と着実に底上げができている。
※基本料金を6,000円から9,800円に引き上げたことが平均顧客単価の上昇につながった。
利益面では、高付加価値商材の伸びやストック収益の積み上げにより売上総利益率が0.3ポイント改善した。一方、販管費については、今後の事業拡大に向けた先行費用(キャリア採用や賃金改定など人的投資のほか、BPO活用、基幹システム導入に係る費用など)により増加したものの、売上総利益の伸びで吸収し営業増益を実現した。営業利益率も9.1%(前期は8.6%)に上昇している。
財務面については、増収に伴う売上債権の増加などにより、総資産は前期末比2.1%増の8,100百万円とわずかに増加した。一方、自己資本は自己株式取得(マイナス要因)を内部留保の積み増し(プラス要因)が上回ったことから同7.3%増の3,750百万円に拡大し、それらの結果、自己資本比率は46.3%(前期末は44.0%)に上昇した。
2. 2024年2月期の総括
以上から、2024年2月期を総括すると、今後に向けた先行費用を投下しながらも、年度後半に向けてしっかりと利益を積み上げ、最終的に営業増益で着地するとともに、中期経営計画についてもほぼ達成できたところは、同社の底力を示すものとして大いに評価したい。また、活動面でも販路開拓に向けた業務提携や新領域への進出を目的とするM&Aを進めるなど、次期中期経営計画に向けて大きく弾みをつけたと言える(詳細は後述)。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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