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【QAあり】リネットジャパングループ、ソーシャルケア事業拡大により連結売上は過去最高 GIGA特需に向け営業を積極展開
サマリー
黒田武志氏:リネットジャパングループ代表取締役社長グループCEOの黒田です。本日はお忙しい中、決算説明会にご出席いただきましてありがとうございます。それでは、2024年9月期決算概要についてご説明します。
まず、全体のサマリーです。前期は非常に大きな赤字を計上し、株主や投資家のみなさまにご心配をおかけし申し訳ありませんでした。
大きな赤字を出した要因は2つの事業です。1つはカンボジアのマイクロファイナンス事業、もう1つが障がい福祉のソーシャルケア事業のフランチャイズ部門です。
2事業は前期2024年9月期、会計上も含めて切り離すことになっています。今期は国内の黒字事業だけを残したかたちになりますので、今期は確実に黒字化していきたいと思っています。
10月、11月は月次の経常利益も無事に黒字でスタートし、順調に収益が出ている状況です。
前期は率直に言うとピンチだったと思いますが、「ピンチの後にチャンスあり」ということで、次のビジネスのチャンスを捉えるべく、特に2つの領域に集中していきたいと思っています。
1つは小型家電のリサイクル事業です。2025年度、2026年度に小中学校の1人1台端末化で導入された950万台のパソコンの入れ替えが一斉に始まるという非常に大きな特需があります。
我々は今、パソコンのリサイクル台数で業界最大手ですが、それでも年間で100万台前後です。この約10倍規模の特需が新たに発生するチャンスをなんとかものにしていきたいと思っています。
もう1つが、障がい福祉のソーシャルケア事業です。アニスピ社を買収してノウハウを習得し、特に中度から重度の障がいを持つ方向けの日中サービス支援型のグループホームは、世の中にまったく足りておらず、市場としてもこれからというところのほか、社会課題を解決するという意味合いも大きいです。
ビジネス上も、ストック型収益で高収益を目指せますので、これから10年で直営を200棟、しっかりと積み上げていきたいです。200棟が積み上がった時には、この事業だけでも営業利益50億円分をストック型収益として上げていけます。
今後、リサイクル事業のほうでは、GIGAのパソコンには5年周期で入れ替えがあり、その間、2年から2年半ぐらいかけて入れ替わることなります。3年ごとのGIGAスクールの特需やソーシャルケア事業において10年でストック型の収益を積み上げるということの組み合わせで、大きな成長を確実に目指していきたいと思っています。
サマリー
赤字事業の撤退についてです。マイクロファイナンス事業のチャムロン社を7月1日付で連結対象外にしています。これにより総資産がチャムロン社の分だけでも62億9,000万円と非常に大きく圧縮します。
マイクロ保険事業のプレボア社も10月1日付で連結対象外になっています。残りのカンボジア事業2社も、売却に向けて基本合意書を締結済みです。
ソーシャルケア事業ではアニスピホールディングスのフランチャイズ部門を会社分割により売却しています。黒字の直営拠点だけを残しています。
前期の2024年9月期の決算です。売上が116億7,000万円、経常利益がマイナス11億8,000万円、当期純利益が18億8,000万円の赤字です。非常に大きな赤字を計上しています。
一方、総資産は84億4,000万円で、前期よりも63億3,000万円と大きく圧縮しました。
2025年9月期の計画です。売上が100億円、経常利益が2億5,000万円です。黒字に転換する計画です。
リサイクル事業のGIGAスクールでは、特需が今期に入ってくる予定です。新しいチャレンジですので、保守的に少しだけ計上しているかたちです。上振れ分は、四半期ごとの決算のほか、自治体ごとの入札状況も開示されると聞いていますので、月次ベースで先行指標として入札の受注状況なども開示していきたいと思っています。
入札状況を開示することになれば、入札により受注してから3ヶ月から6ヶ月ごろに売上や利益として計上されることになりますので、事業の推移を先行指標として開示することになれば、ぜひご注目いただければ思います。
開示用事業セグメントの変更
決算の概要についてご説明します。前期から、リユース事業とリサイクル事業を合算したリユース・リサイクル事業セグメントと、障がい福祉のソーシャルケア事業と外国人の人材事業を合わせたソーシャルケア事業の2セグメントで開示しています。
2024年9月期 決算実績
連結の売上が116億8,000万円、経常利益マイナス11億8,000万円です。セグメント別では、リユース・リサイクル事業は売上高が78億2,000万円、経常利益が8億7,000万円です。
ソーシャルケア事業は売上高28億2,000万円、経常利益がマイナス5億6,000万円です。
その他では、経常利益、販管費などの固定費がマイナス5億9,000万円という結果になっています。
2024年9月期 連結損益計算書
連結の損益計算書です。当期純利益はマイナス18億8,200万円という結果になっています。
2024年9月期 連結貸借対照表
連結の貸借対照表です。今期2024年9月期末で総資産が84億5,000万円です。前期は147億9,000万円でしたので、今期のバランスシートでは63億4,000万円圧縮しています。
自己資本比率は3.0パーセントと少し低い状況ですが、カンボジアの未売却2社を近々切り離しますので、もう少し改善する予定です。
資金繰りについては、メインの三菱UFJ銀行がしっかり支えると明確に言っていますので、資金繰りなどにはまったく問題ありません。成長資金にも投資していきたいと思っています。
2024年9月期 売上高の増減要因
売上高の増減要因です。前期最も大きく増えたのが、ソーシャルケア事業の9億5,700万円です。連結化で100パーセント取り込んだことにより大幅に増えています。今期はフランチャイズの部門が減るためマイナスになっていますが、前期はこの部分が大きく増えています。
2024年9月期 経常利益の増減要因
経常利益の増減は、ソーシャルケア事業でマイナス5億8,000万円でした。フランチャイズの新しい加盟店が開発する営業が少し不振で、当初の計画を下回り、マイナス5億8,000万円となっています。また、カンボジアの金融事業はマイナス4億1,200万円でした。この2つの事業が大きく足を引っ張ったかたちになっています。
赤字事業の撤退
カンボジア金融事業の撤退についての詳細です。マイクロファイナンス事業のチャムロン社は株式譲渡済みになっています。デジタル通貨のソラミツ社との合弁会社は清算済みです。
マイクロ保険は、シンガポールのリネットジャパンインターナショナル社という海外の事業統括にぶら下がるかたちになっていましたが、この2社セットで売却していますので、10月1日付で連結対象外になっています。
残っているのが、リース事業のモビリティファイナンス社と中古車の割賦販売などを手がけていたリネットジャパンカンボジア社の2社ですが、こちらのほうも今期早々に事業譲渡していきたいと思っています。
アニスピホールディングスは、フランチャイズ部門を切り離しています。
2024年9月期 実績 / 2025年9月期 計画主要値
2025年9月期の計画です。売上高が連結で100億円、経常利益が2億5,000万円となっています。
セグメント別では、リユース・リサイクル事業が売上高85億2,000万円、経常利益9億6,000万円、ソーシャルケア事業が売上高19億3,000万円、経常利益1億2,000万円です。特にソーシャルケア事業で売上が減る計画ですが、フランチャイズ部門を切り離した影響です。
残った直営のほうはすでに黒字化していますので、経常利益は1億2,000万円です。2025年9月期の利益はそこまで大きくないですが、ここから我々が力を入れていく中度から重度の方の障がい者グループホームを10年で200棟積み上げて、ストック型収益を確実に大きくしていきたいと思っています。
2025年9月期 売上高の増減見込
売上高の増減見込みです。一番大きいのはソーシャルケア事業でマイナス9億4,000万円です。フランチャイズ部門の切り離しによる部分です。
金融事業も切り離しましたので、売上高でマイナス10億4,000万円としています。
2025年9月期 経常利益の増減要因
経常利益の増減要因です。ソーシャルケア事業が黒字転換し、プラス6億8,500万円です。金融事業のマイナスも解消し、プラス5億9,200万円としています。
「ESモデル」としての成長
今後の成長戦略です。小型家電リサイクル事業とソーシャルケア事業の2つを成長ドライバーに据え、重点的に取り組んでいきたいと思っています。
これまでは約10年にわたり、新しい事業の成長の柱を求めていろいろな事業にチャレンジしてきました。
成功したのは、小型家電のリサイクル事業です。一方で、カンボジアの金融事業はチャレンジした当初、コロナ禍前までは非常に大きな稼ぎを上げましたが、コロナ禍によるカンボジア経済の悪化などもあり、このあたりでは少しやけどをしたところもあります。
このようなチャレンジの末、小型家電リサイクル事業のGIGAスクールを含めた特需と、ソーシャルケア事業の中でも障がいが中度から重度の方向けグループホームによるストック型収益という2つの収益の柱を見いだしました。
これからはいろいろな事業に手を出していくのではなく、この2つの事業にこれから10年はフォーカスし、着実に利益を積み上げていきたいと思っています。
今後の戦略
今後の戦略です。リサイクル事業ではGIGAスクールのパソコン950万台が入れ替わる機に乗じて圧倒的シェア1位を獲得したいです。私がリネットジャパンを創業して24年ですが、このGIGAスクールへの挑戦は最大のビジネスチャンスだと考えています。
明日も群馬のほうに出張で行きますが、各地で私自身も先頭に立って営業し、なんとか業績を飛躍させていきたいと思っています。
ソーシャルケア事業では、特に首都圏、中部圏、近畿圏の3大都市部にドミナント戦略で集中して出店していきたいと思っています。
リサイクル : GIGAスクールパソコンの入替商戦について
GIGAスクールでは、2020年度に916万台が出荷したパソコンが、2024年度に130万台、2025年度に474万台、2026年度に455万台入れ替わります。2024年度は少し遅れていると聞きますので、2025年は合わせておそらく600万台前後が入れ替わっていくと考えています。
我々が今、合わせて約8,900万人の人口を抱える712の自治体と結んでいる協定なども強みとして活かしながら、シェア1位を獲得していきたいと思っています。
リサイクル : GIGAスクールパソコンの入替商戦について
環境省も、GIGAスクールのパソコンを我々が許認可を受けている小型家電リサイクル法で処分していく方針を打ち出しています。このようなところで、我々もしっかりその方針に沿って自治体に営業をかけていきたいと思っています。
リサイクル : GIGAスクールパソコンの入替商戦について
GIGAスクールではGoogleがChromebookでかなりのシェアを取っていますが、リサイクルにおいて、我々は唯一、Googleのパートナーとして提携できました。Googleなども連携しながら、営業をかけていきたいと思っています。
ソーシャルケア : 中〜重度者向け直営グループホームの展開
ソーシャルケア事業です。先ほどからお話ししている施設の写真をスライドで紹介していますが、新築で1階が10室、2階が10室の計20室あります。介護に比べると障がい福祉は厚労省の制度がわりに小ぶりで、アットホームなかたちで運営していく方針です。
介護はもっと大きな施設が多いですが、障がい福祉のほうは20室での新築が上限になりますので、このようなかたちの施設をこれから10年で200棟、地域に展開していきたいと考えています。
ソーシャルケア : 直営グループホームの多拠点展開
現在、愛知に9拠点と、関東にアニスピ社の直営65拠点が残っています。これまでは愛知中心でしたが、首都圏にグループホームを展開する足場ができたと考えています。
これまでは軽度の障がいの方の施設がこれだけの数あったのですが、これを土台にしながら、より中度から重度の方向けの新築のモデルなどをドミナントで、中部や首都圏、近畿圏のほうに展開していきたいと思っています。
リユース : 2025年9月期 計画
事業別の計画です。リユース事業は売上高58億1,300万円、前年比108パーセントの計画になります。
リサイクル : 2025年9月期 計画
リサイクル事業は売上高27億円で、前年比111パーセントの計画です。GIGAスクールの商談分は少し控え目に入れていますので、前年比もそれほど大きな計画としていませんが、これよりも上振れを目指していきたいと考えています。
ソーシャルケア : 2025年9月期 計画
ソーシャルケア事業は売上高17億5,000万円で、前年比64.9パーセントです。直営のほうは少し増えていっていますが、フランチャイズの部門を切り離した部分で、前年よりも減っているように見えるかたちとなっています。
外国人材事業 : 2025年9月期 計画
外国人材事業は売上高1億8,500万円で、前年比142パーセントです。これまで我々はカンボジアの自動車の整備士を中心に手がけてきたのですが、これからはグループのシナジーを利かせていくことで、障がい福祉の福祉人材・職種に力を入れていきたいと思っています。インドネシアのほうで送り出しを近々稼働する予定です。このようなところでグループのシナジーを利かせていきたいと考えています。
「経営理念」の実現に向けて
前期は大きな赤字となり、カンボジアの問題が出る以前に比べ、株価は約半分以下に落ちるなど、株主のみなさまにも非常にご迷惑をおかけしています。
当社としてはここから早期に元の株価を取り戻し、さらに、それを何倍にも伸ばしていくべく、業績を伸ばしていった上で、IRにおいても十分にアピールして、株価を着実に向上させていけるように取り組んでいきたいと思います。
私からのご説明は以上です。
質疑応答:2025年9月期までのグループホームの開設棟数について
「2025年9月期までのグループホームの開設の棟数を教えてください」というご質問です。
こちらは、少し控えめの目標値で考えています。当初はもっとアグレッシブに開設していく計画でしたが、今期はなにがなんでも黒字にしなければいけないということもあり3棟から4棟という、我々が黒字を見込める範囲内で出していくことを考えています。
理由の1つとしては、もちろん今の我々の財務的な状況がありますが、もう1つは、10年で200棟を出していこうとすると、これから2年後から3年後ぐらいには、年間で15棟から20棟ぐらいのペースで、出店していく計画になります。
それを見据えて、その前に社内の体制をしっかりと固める必要があります。特にエリアマネージャークラスを強化して、アクセルを踏んでもオペレーションがついてこられるような体制を構築し、足場を固めていかなければいけないと思っています。
その他の理由としてさらにもう1つ、研修センターの立ち上げ計画があります。新しいスタッフの採用も2年後3年後にはかなり増えてくる予定であるため、今、研修センターなどの立ち上げを計画しています。
そのような意味で、今期の出店は少し控えめな計画にしていますが、決してこのペースのままでいく方針ではなく、2年後から3年後にはアクセルを踏み出せるように、その布石として、体制作りを優先する時期と位置づけて考えています。
質疑応答:自己資本比率を改善させていく方法について
「直近の増資により自己資本比率が改善すると聞いていましたが、今回の決算ではかなり心配な水準のままとなっています。今後さらに改善させていく方法について教えてください」というご質問です。
自己資本比率はギリギリの水準になっていますが、先ほどお話ししたように、カンボジアの残りの2つの事業を切り離すと、もう少し改善する見通しになっています。
ここからの増資等は、当面は予定していません。それよりも、グッドシナリオとしては、GIGAの特需を捉えて、利益を大幅に上振れさせていくことです。
これによって、自力で財務体質を早期に改善させていくのが、我々の今持っているシナリオです。このあたりを見据えながら、進めていこうと思っています。
銀行は十分にサポートしてくれるというお話がありますので、ソーシャルケア事業も、新規出店には問題がまったくないと考えています。
質疑応答:今期計画におけるReNet全社の経常利益について
「今期の計画についてです。経常利益がリユース・リサイクル事業で9億6,000万円、ソーシャルケア事業で1億2,000万円となっているのに対し、ReNet全社は2億5,000万円とかなり低くなっていますが、この要因を教えていただけますか?」というご質問です。
我々の所帯がある程度大きくなってきているため、やはり管理部門などの間接部門の固定費が増えてきています。この部分の固定費を差し引いたものが、2億5,000万円となっています。
ここから売上と利益が上がっていっても、間接部門の固定費は売上に比例して大きく伸びるとは思っていません。上場会社として維持するための間接部門、管理部門というのは必要ですので、今後売上と利益をもう少し伸ばしていくと、固定費の比率は相対的に低くなると考えています。
質疑応答:GIGAスクールパソコン回収の進捗の公表について
「GIGAスクールパソコンの回収について進捗を月次に公表されますか? される場合はいつ頃から始まる見込みでしょうか?」というご質問です。
今回の全体の計画の中では、GIGAスクールパソコンの回収はあまり折り込んでいませんが、実際に進捗するごとに公表していく予定です。
自治体では入札になるとは見ていますが、おそらく自治体も入札の状況は開示されるのではないかと思っています。自治体で開示されるようであれば、我々も、それを月次で集計したかたちで、毎月の受注状況を自治体の開示に合わせて、公表していきます。
自治体のほうで、2025年9月期の第2四半期以降、受注、入札の内容が、公表されてくるのではないかと思っています。公表され次第、なるべく投資家のみなさまには先行指標として、月次でお示しできるようにしていく方針です。
質疑応答:不正行為に対するリスク管理対策について
「福祉事業を手がけるサンウェルズの株価が、不正疑いにより直近で大幅に下落しています。御社が今後注力する福祉事業も、施設が増えていくと管理体制が甘くなる可能性があり、とても心配です。
会社としての不正はもちろんありえないと信じていますが、不正に対するリスク管理をどのように対策していくつもりですか? 福祉事業の不正行為は、御社の直近の財務基盤から見て会社の存続に直結すると感じており、100パーセント抑えられるような対策をしていただきたいです」というご質問です。
ご指摘のとおりだと思っています。そのような意味では、我々も拠点数をいきなり増やして売上と利益だけを確保してくのではなく、足元のオペレーションをしっかりと踏み固めながら、実績を作って積み上げていきたいと思っています。
このあたりは我々もリスクとして十分認識しているため、対策の1つとして、各施設を内部チェックしていく部門を社内に作っているところです。直営拠点も定期的に循環して、社内でもチェック機能を持ちたいと思っています。
もう1つの対策は、管理だけではなかなか防げないところもあるため、毎週月曜日に全社で「フィロソフィー朝礼」の時間を設け、当社の「フィロソフィー」の共有、周知徹底に取り組んでいます。従業員教育をしっかり行い、正しいものの考え方を、着実に浸透させていきたいと思っています。
管理でチェックすることも重要ですが、それだけではなく、正しい考え方ができるように教育していくことで、一人ひとりが正しい行動を心掛けることができ、他にもしそのようなことがあれば、スタッフ同士で牽制し合い、正していくことができるような体制を、時間をかけて浸透させていきたいと思っています。
質疑応答:アニスピ社の直営事業の組織再編と内容と決算への影響について
「アニスピ社や会社を2つに分割し、アニスピ社で行っていた直営事業を子会社として残したと考えてよいでしょうか? その場合は、金銭や株式の受け渡しや支払いが行われたのでしょうか? 今回の決算では、リネット本体は損益面ではプラスになったのかマイナスになったのか教えていただけますか?」というご質問です。
アニスピ社で行っていた直営事業を、アニスピ社創業者の藤田さまのほうに、フランチャイズとして売却しました。
今回の決算では入っていませんが、2.5億円で藤田さまに売却したということですので、キャッシュとしては我々はプラスで、それなりの金額として売却しています。決算上の数字の影響は今精査していますが、キャッシュでは2.5億円で売却したということです。
質疑応答:GIGAスクールパソコンの回収およびリサイクルにおける処理能力について
「2026年からGIGAの売上高が急増するシナリオですが、これだけ急激に増えて、回収したパソコンを捌き切れるのでしょうか?」というご質問です。
我々は今はまず、リサイクルセンターのスペースの確保に動いています。我々はリサイクルの破砕処理自体を直接担っておらず、リサイクルの委託先の業務となっており、委託先を増やせば、すぐ処理ができます。
一番重要なのはデータ消去です。データ消去は、手を動かすオペレーションというよりも、端末にそれぞれ消去ソフトをセットして、2時間から3時間かけて消去ソフトを回すという作業です。セットだけすれば、あとはパソコンを置いておくだけで処理ができます。
したがって、データ消去のためにパソコンを並べるスペースが必要になってきます。そのような意味で、我々は今スペースの確保を進めています。
データの消去作業自体は、台数が増えても十分にこなせると思っていますので、そのあたりに大きな投資を行うことなく、一連の回収、リサイクルの工程は回せると見通しを立てています。
質疑応答:ソーシャルケア事業で現在稼働中の施設の収益性について
「ソーシャルケア事業についての質問です。1棟当たりの営業利益を大きく見込んでいたと思いますが、現在稼働している施設では、見込みどおりの利益を上げられているのでしょうか?」というご質問です。
当初、我々は医療的ケアというかたちで、より医療的ケアのサポートが必要な障がい者の方を対象にしたコンセプトでソーシャルケア事業を進めていました。
このあたりは、医療的ケア領域のフラッグシップとしてこれからも取り組みたいと思っていますが、やはり施設の数を出していくとなると、医療的な分野はスタッフの習熟度も必要になります。そのため、今は医療分野のサポートという部分は少し横に置いて、中度から重度の方向けの施設というコンセプトでの事業運営を考えています。
その分、医療的ケアのほうは報酬がそこまで大きくないこともあり、以前お話しした計画よりは、1棟当たりの利益は小さくなりますが、それでも十分大きな利益が見込める内容になっています。
新しいコンセプトの事業に関しては、今首都圏で、アニスピ社のほうで何棟か、法律的には日中サービス支援型のグループホームといわれる施設を運営しています。東京ではオープンするとすぐに満室となる状態で、計画どおり、3棟から4棟のところで利益がしっかり出せています。
我々としては、これは、立ち上げのノウハウも含めて、収益についても十分計算が立つ、勝算のある事業だと考えています。
質疑応答:チャムロン社の売却事業譲渡による財務圧縮効果について
「今回の決算ではチャムロン社が株式譲渡済みで7月1日付で連結対象外となり、財務圧縮したとのことですが、自己資本比率などが改善した後の数字ですか? それとも、今後自己資本比率は改善しますか?」というご質問です。
先ほど、連結のバランスシートで63億円圧縮するとお話ししましたが、自己資本比率3パーセントというのは、連結で圧縮後の、改善後の数字になります。
もし自己資本比率がこれ以上低下するようなことがあった場合の対策として、先般、増資に加えて、私に対して資金調達という意味でのストックオプションを付与しています。もし自己資本比率が下回ることがあれば、私個人として、ストックオプションを行使するかたちで、自己資本比率は改善したいと考えています。
今は、この先の業績については、十分に利益が出せると見ているため、ストックオプション行使ではなく、自律的に確実に利益を積み上げることで、早期に自己資本比率は改善していきたいと思っています。
質疑応答:黒田氏のMTG社の社外取締役兼務について
「現在、MTG社の社外取締役に就いていると思いますが、現状のリネットジャパンの仕事量を考えると、MTG社の役員へ就くのはいかがかと思います。そのあたりのお考えはいかがでしょうか?」というご質問です。
MTG社の社外取締役の業務に関しては、大きな時間を取らないかたちで、月に1回ある社外取締役会に基本的にはオンラインで出席しています。
MTGの松下社長とは20年来の付き合いで、お互い切磋琢磨して事業を運営してきた仲です。彼らの事業規模は相当大きく、グローバルでも事業展開しています。私からの彼らへのアドバイスというのもありますが、私自身も、コーポレートガバナンスも含めたところで、彼らから学びや気づきがある関係にもなっています。
そのような学び、気づきは、自社のほうにもしっかり取り込んでいきたいと思っています。私の時間、リソースが大きくとられないかたちでMTG社にも貢献しつつ、私自身の学びにして、リネットジャパンにフィードバックさせていきたいと思っています。
質疑応答:GIGAスクールパソコン入替特需後のリサイクル事業の成長ビジョンについて
「GIGAスクール構想のパソコン入替特需は2年程度の一過性のものと思いますが、その後のリサイクル事業の成長ビジョンはどのように考えていらっしゃるのでしょうか?」というご質問です。
我々は、基本的にBtoCのエンドユーザー向けをベースに事業を運営していましたが、法人向け、特に中小企業向けの、宅配便を使い小ロットで回収するビジネスモデルが、同業他社にはない強みだと思っています。
特に中小企業のバックヤードには、同じようにたくさんパソコンが眠っている状況です。今回GIGAスクールの立ち上げということで、新しくBtoBの法人営業部門として、8人の営業チームを立ち上げました。
このようなBtoBの営業チームが、これからGIGAスクールの特需が終わった後、特に中小企業向けに強い会社と営業のアライアンスを組み込むことで、中小企業向けの法人営業のネットワークを築いていきたいと考えています。GIGAの特需の間は、そのような中小企業向けの法人営業を強化して伸ばしていきます。
質疑応答:現在の財務基盤で福祉事業を拡大していける可能性について
「現在の財務基盤で、福祉事業を拡大していくことは可能なのでしょうか? 施設を増やす場合の資金の調達先は、銀行借入なしとなるのでしょうか?」というご質問です。
十分可能だと思っています。当初は施設を自前で取得することも考えていましたが、現在はバランスシートを改善させていかなければいけないため、少し方法を変えています。
施設を我々が投資し、取得するかたちではなくて、土地のオーナーに建物を含めて建てていただいて、それを25年から30年の長期で借りて、我々はオペレーションに特化するというビジネスモデルで運営していきます。
そのような意味では、我々はアセットのほうは極力持たずにオペレーターに徹するかたちで、オペレーターの収益を見込んでいけるため、先ほどお話ししたように10年で200棟、営業利益で50億円を稼げると思っています。
したがって、出店に際して、現状の財務基盤はネックにはならないと考えています。
質疑応答:重度の障がい者を対応するための人材確保の現状と見通しについて
「重度の障がいの場合、より専門性の高い職員集団が必要だと思いますが、人材確保は順調にできていますか? 給与も軽度の場合より高くする必要がありそうですが、収益圧迫の懸念はないでしょうか? 看護師は必要ない施設になりますか?」というご質問です。
当社の事業としては、中度から重度の障がいの場合になりますが、軽度の時よりは習熟したスタッフが必要です。そのため、まずこの1年から2年は、スタッフたちを育成していけるようなエリアマネージャーを確保し、スキルの底上げを図っていきたいと思っています。
あわせて、アクセルを踏んで出店を強化していくためには、研修センターが不可欠だと思っています。この1年で研修センターおよび研修カリキュラムを十分に整えて、新しく加わるスタッフの研修だけではなく、既存のスタッフもステップアップするような研修をしっかり充実させていきたいと思っています。
我々のグループの強みとして、もう1つは外国人材です。インドネシアで、障害福祉に特化した現地で教育を行い、我々のグループや同業他社にもその人材を紹介しています。この外国人材事業と両方でシナジーを利かしていきたいと思っています。
現在、インドネシアから何人かスタッフが入り始めて、非常にいい効果が出ています。どうしても障害福祉の現場スタッフは採用が少々難しいこともあり、年齢層が少し高めの方もいらっしゃいます。その中にインドネシアの若くて元気な、やる気のあるスタッフが加わることで、施設全体が非常に元気になるという、明確な効果が出ています。
自分たちでしっかりとインドネシア人を現地で研修して、グループの中に採用していくことで、同業他社にはない我々の強みとしてしっかり土台を築いていきたいと思っています。
質疑応答:海外事業における為替差損や差益と、円高で赤字となる可能性について
「直近で為替の円安が過度に進んでいますが、外国人送り出しや残存の海外事業における為替差損や差益はどの程度ありますか? 今後、円高に振れた場合に特別損失などの可能性はありますか? 外国人送り出しは赤字になる可能性はないですか?」というご質問です。
我々は以前、バランスシートでドルの資産がたくさんありましたので、為替の影響を大きく受けました。現在は、そこの部分を切り離していますので、今後はそこまで大きな為替の影響はないと考えています。
一方、外国人の人材事業では、現地通貨でフィーをもらうため、キャッシュフローとして若干、為替の影響があります。
以前はストックとして、ドルの資産が大きかったのですが、キャッシュフローとしての為替の影響ですので、円高、円安、どちらに転ぶかはわからない部分があります。しかし、大きな影響は出ないと考えています。
質疑応答:2025年度における特別損失の可能性について
「2025年度は特別損失はもう出ないと考えてよろしいでしょうか?」というご質問です。
カンボジアの残り2社の処理で特別損失が若干出たとしても、アニスピ社の分割譲渡で特別利益が入ると想定しています。プラス要因が大きいため、全体が特別損失でマイナスになるということは考えていません。むしろ少しプラスに出るのではないかとは考えています。
余談になりますが、我々は今、株価が半分以下になっています。しかし、今後のGIGAの特需や、ソーシャルケア事業収益で自信を深めています。
社内では、今の株価が安い時期に従業員持株会に全員が入るように奨励し、30パーセント上乗せしています。現在、半分以上の50パーセントの社員が従業員持株会に参加しており、社内では全社員が状況を理解しています。
今、会社の内部では、まだ数字には出てきていませんが、全社一丸となり、業績向上、株価向上に向けて、従業員も自社自体も期待している状況です。
ぜひ、これからしっかりと株主、投資家のみなさまのご期待に応えられるよう努力していきたいと思います。これまでアップダウンがあり、非常にご心配をおかけした部分もあると思いますが、次こそはなんとしても、業績と株価向上のご期待に応えたいと思っています。
質疑応答:今期は下期偏重になるのかについて
「GIGAスクールの特需が2025年からですので、今期は下期偏重になるでしょうか?」というご質問です。
もともと、経常利益2億5,000万円と、ベースはそこまで下期偏重にはなりませんが、GIGAスクールの特需が出てきた時には大きく下期のほうが伸びるということになるかとは思っています。
しかし、新しいビジネスチャンスですので、まだどのぐらいのシェアが取れるかわかりません。手応えは十分に感じているのですが、このあたりは月次や四半期でも開示し、しっかりとみなさまのほうにも情報共有をしたいと思っています。
質疑応答:福祉事業の立ち上げにかかる費用と償却年数について
「福祉事業について、施設の立ち上げ費用は何年ぐらいで償却していく予定ですか? 立ち上げた年にかかる費用は1棟当たり少なくともどのぐらいになりますか?」というご質問です。
我々が施設を投資する場合は、やはり約2億円から3億円の投資になりますが、現在は、我々自身が施設を建てたり保有したりということではなく、オペレーションを中心に行っていきたいと思います。そのため、施設投資はほぼないかたちで進めたいと思っています。
一方で、入居者が入る前に、当然スタッフの採用活動を行いますので、オープン前の3ヶ月から4ヶ月はスタッフの人件費が先に発生します。その部分が若干、3ヶ月から4ヶ月ぐらい赤字が先行します。
オープン後おそらく約3ヶ月以内には満床になってくると思います。そのため、オープン前の3ヶ月、それからオープンしてからの3ヶ月の計約6ヶ月は、累計での出資は赤字になります。
今期はだいたい3棟もしくは4棟の出棟にとどめることで、PL上の黒字は確実に確保していきたいと思っています。ベースの連結の利益が増えてくれば、先行投資をよりこなすことができますので、出店ペースを増やしていくというシナリオになっています。
質疑応答:自己資本比率の銀行借入による悪化について
「自己資本比率は銀行借入すると悪化しますか?」というご質問です。
バランスシートが増えると自己資本比率も若干低下することになります。現在、我々のリサイクル事業、リユース事業はキャッシュフローが非常に良いため、キャッシュはほぼプラスということになります。
ソーシャルケアでは、キャッシュが少し先行して必要になりますが、出店は3棟、4棟程度になりますので、当面はそこまで大きな銀行借入をする必要もないかと思っています。そのため、大きく自己資本比率が低下することはないと考えています。
質疑応答:リユース事業の目標達成の自信について
「リユース事業の2025年9月期の計画は前年比108.1パーセントで見込んでいますが、直近の売上は伸びが鈍化しているように見えます。10月、11月の売上から判断して、目標の達成の自信はどのぐらいありますか?」というご質問です。
リユース事業を創業以来24年行ってきた経験から、今の手応えとしてはある程度堅い数字だと考えています。
リユース事業の中には、そこから発生したオウンドメディアの広告事業が、実は大きく伸びてきています。前期も数千万円ほどの利益に貢献するぐらいまで伸びてきていますので、その部分が今期も堅調に上乗せされると考えています。そのため、この計画の数字はほぼ堅い数字だと考えています。
質疑応答:ソーシャルケア事業の直営出店エリアについて
「ソーシャルケア事業の直営出店エリアはどのあたりでしょうか?」というご質問です。
首都圏でいうと埼玉、群馬、千葉のあたりで出店を計画しています。中部エリアでは名古屋市内で、物件の交渉をしているところです。
質疑応答:障がい者雇用の割合について
「パソコンのリサイクル事業やリユース事業に障がいのある方を採用していると思いますが、現状、全体の何パーセントぐらい採用していますか?」というご質問です。
障がい者雇用率は7.7パーセントぐらいです。一般的に企業の雇用率は2.5パーセントが義務付けられていますが、我々はそれを大きく超える7.7パーセントと、多くの障がい者の社員が働いています。
今後さらにGIGAのパソコンのリサイクル台数が大きく増えていけば、名古屋だけの雇用ではなく、各地域での障がい者の雇用創出として取り組んでいきたいと思っています。
リサイクルの環境の「環」と、ソーシャルケアの障がい福祉の「福」を取って「環福連携モデル」と我々は呼んでいるのですが、この「環福連携モデル」を、GIGAスクールの特需があった時には、その特需を活かして、各地域で障がい者雇用の取り組みをしていきたいと思っています。
今後への期待の声
「御社の事業内容に共感し、少しですが株を買いました。今後に期待しています」といただいています。
ありがとうございます。ご期待に応えられるように、しっかりと収益と社会性の両立ということを理念に掲げています。
我々は都市鉱山のリサイクル事業も、障がい者福祉についても、社会課題の解決につながると考えています。収益や株価をしっかりと伸ばしながら、社会への貢献も両立したモデルを築いていきたいと思っています。
質疑応答:今期計画でGIGAスクール特需が占める割合について
「今期のGIGAスクール特需は控えめということですが、27億円のリサイクルの中でどの程度を占めていますか?」というご質問です。
今、3パーセントぐらいを織り込んでおり、かなり控えめの数字になっています。
前期に大きな赤字だった中で、あまり大きな数字の利益をお出ししても「本当か?」と思われるところもありますので、まずは今期の計画は、前期の赤字から「しっかり黒字転換します」というメッセージということで、この数字を置いています。
もちろん、なんとか上振れしていけるようにがんばっていきたいと思います。
質疑応答:グループホームでの看護師の必要性について
「グループホームは看護師さんは必要ない施設となりますか?」というご質問です。
中度から重度の障がいの場合で、医療的ケアをするわけではないため、そこまでたくさんの看護師は必要ありません。
ただし、やはり中には看護師がいるほうが望ましいというところもあるため、多くはありませんが、看護師の採用も進めていきたいと思っています。新潟でも看護師の採用ができていますので、必要な看護師のスタッフは十分確保できると考えています。
質疑応答:障がい者雇用のビジネスについて
「障がい者雇用についてもビジネスに入っていますか?」というご質問です。
若干ですが入っています。もともと、我々が障がい者の事業に入ったきっかけは、リサイクル事業のパソコンの分解作業が、知的障がいを持つ方のお仕事に向いていたためです。一般就労で、約30人のスタッフが今働いていますが、そこにおいては、社会貢献的な意味合いがありました。
そこから、お仕事だけではなく、住まいも提供しようということで、グループホームの収益事業を立ち上げていきました。
障がい者のお仕事という点でも、愛知県で1ヶ所、就労B型の事業を展開をしています。こちらは愛知県からも高く評価されており、就労B型の工賃でいうと愛知県内で一番高い工賃を出す施設となっています。
黒田氏からのご挨拶
前期は大きな赤字を出しましたが、「ピンチの後にはチャンスあり」ということで、これからしっかりと業績を伸ばしていきたいと思っています。
GIGAの受注状況なども随時、先行指標として公表していきたいと思いますので、ぜひご注目いただきたいと思います。本日は、ご多忙の中ご参加いただきまして誠にありがとうございました。
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