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農業総合研究所のニュース
「相場環境は良好、日経平均は3万円回復にトライも」
◆米中対立緩和、低金利継続で熱帯びる金融相場
2018年のクリスマスの急落相場とは一変して、19年の年末相場は棹尾の一振とはいかなかったまでも、日経平均株価が年初来高値圏で底堅く推移するなど、20年の株価上昇に期待を持たせる、それも大相場の到来を予感させる動きとなった。
その背景にあるのは、米中貿易戦争のひと段落。米中対立は本質的には覇権争いであるため、「第一段階」の合意で根本的に解決したとは言い難い。あくまでも一時的な休戦とみるべきなのだ。しかしながら、米中双方ともに景気の先行きに不安が感じられる状況においては、それぞれが「大人の対応」をして景気を浮揚させる必要がある。米国は秋に大統領選挙が控えているだけに、トランプ大統領も再選のために実を取らざるを得ない。
こうして、世界景気に関する最大の懸念材料が後退した現在、次の関心事は低金利政策の継続となる。しかし、これも米国が既に低金利政策の継続を示しているほか、消費増税の影響が気にされる状況にある日本も、今すぐ引き上げるとは考えにくい。米中対立の緩和によって業績の上向きが見込める中で、低金利が続けばどうなるか?──バブル相場とまでは言わないまでも、それに近い金融相場が繰り広げられることが想像できよう。
ただし、金融相場の特徴として、ボラティリティが高く、ひとたび調整局面を迎えると、深押しすることもあり得る。米中関係にしても、大統領選挙を意識して、トランプ大統領が保守派の取り込みを図るために、再び中国叩きに走らないとも限らない。そうした状況は念頭におくべきで、20年相場は前半に非常に強い動きをした後、中盤から夏にかけて大きな調整をする可能性が十分ある。その後、調整が一巡した後、日米の金融政策に大きな変化がなければ、年末にかけて再び雄大な上昇波動を描くことになろう。20年の相場は、日経平均がズバリ3万円回復にトライするとみている。
◆2020年日本市場の投資テーマ
相場の状況をみると、ITバブル時の状況に似てきた。今回はGAFA(グーグル=アルファベット、アマゾン、フェイスブック、アップル)を中心に、第2次ITバブルとも言える状況になる可能性もある。技術進展が著しい現在、IT業界の大きな再編が起きても不思議ではない。
そうした中で注目したいのがソニー <6758> 、パナソニック <6752> だ。かつては、ブルーチップの代表格としてみられていた2銘柄だが、米中対立緩和に伴う世界景気の回復期待からも、往年の輝きを取り戻すと思っている。
さらに、テーマとして脚光を浴びそうなのが、企業の「選択と集中」、そして、異業種との提携、M&Aも含めた「事業再編」だ。系列の見直しなど、企業にとって、これまで聖域となっていた分野にまでメスを入れ、変貌を遂げようとしている企業が注目されよう。今年の年末にかけて日立製作所 <6501> が脚光を浴びたが、この関連の象徴的な銘柄として日立は引き続き見逃せない。このほか、5G関連はテーマとして息の長い相場が見込めるほか、台風災害によって国土強靱化が政策として長く進められそうなことから、これらに関わる銘柄も物色されることになるだろう。これらの点を踏まえて、以下にポートフォリオを組んでみた。
●株のお姉さんのお勧め「2020年ポートフォリオ10銘柄」
ソニー <6758>
パナソニック <6752>
日立製作所 <6501>
ライト工業 <1926>
学研ホールディングス <9470>
JTOWER <4485> [東証M]
フェローテックホールディングス <6890> [JQ]
保土谷化学工業 <4112>
農業総合研究所 <3541> [東証M]
メドピア <6095> [東証M]
(※本稿はあくまでも個人的な見解です)
2019年12月27日 記
<プロフィール>雨宮京子(あめみや・きょうこ)
SBI証券 投資情報部 シニア・マーケットアドバイザー。元カリスマ証券レディ。日興証券時代は全国トップの営業実績を持つ。ラジオ短波(現ラジオNIKKEI)、長野FM放送アナウンサー、『週刊エコノミスト』(毎日新聞社)記者、日経CNBCキャスター、テレビ東京マーケットレポーター、ストックボイスキャスターなどを経て現在に至る。
★元日~6日に、2020年「新春特集」を一挙、“26本”配信します。ご期待ください。
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