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サンマルクHD Research Memo(4):主力のサンマルクカフェ、鎌倉パスタなど魅力ある業態の開発力が強み(2)

配信元:フィスコ
投稿:2023/12/25 17:34
*17:34JST サンマルクHD Research Memo(4):主力のサンマルクカフェ、鎌倉パスタなど魅力ある業態の開発力が強み(2) ■サンマルクホールディングス<3395>の事業内容

5. 喫茶事業の主力業態:サンマルクカフェ
喫茶事業の主力業態はサンマルクカフェである。駅ビル・駅前・商店街・オフィスのビルイン・SCなどの立地に、全国に309店舗を展開するカウンターサービスのベーカリーカフェである。低価格帯にもかかわらず、代表的メニューであるチョコクロをはじめ各種焼き立てパンのサービスや一杯一杯注文後に抽出するこだわりのコーヒーが楽しめる。店内は間接照明でジャズが流れる落ち着いた空間でゆったりと時間を過ごすことができる。連結子会社の株式会社サンマルクカフェが運営を行う。

6. 喫茶事業の業績推移
喫茶事業に関しては、コロナ禍以前に店舗数の増加とともに売上高を伸ばし、2019年3月期には店舗数で459店舗(サンマルクカフェ404店舗、倉式珈琲店55店舗)、売上高で31,393百万円に達していた。当時は収益性も高く、営業利益率は11.4%であり、レストラン事業と同等かそれ以上であった。コロナ禍によりダメージが大きかった要因としては、駅近・オフィス立地が相対的に多く、移動の合間やすき間時間の利用が多かったため外出や出勤が減少したこと。また、健康増進法の施行に伴い喫煙ルームを廃止したこと等が苦戦の一因と考えられる。これまで不採算店の整理を積極的に実施し、現在では店舗数で369店舗(サンマルクカフェ309店舗、倉式珈琲店60店舗)を運営する。コロナ禍によるダメージからの回復に時間がかかっているが、2023年3月期には、既存店売上でコロナ禍以前の80%前後、2024年3月期上半期には96%まで戻っている。

7. 同社の強み
同社が業態開発力に秀でていることは論を俟たない。集客力があり、収益性が高い業態を生み出す原動力となる強みを3点指摘したい。

1)店内調理
同社はセントラルキッチンを持たない方針を創業来貫いてきた。店内調理は様々なメリットがあるが代表例は焼き立てパンの食べ放題サービスである。同社の複数の業態で中核となる提供価値となっている。一般的に、セントラルキッチンを持たずに各店舗で調理をするとオペレーションが複雑化するデメリットがあるが、同社は様々な工夫で克服してきた。1991年からの事業パートナーであるタカキベーカリーから冷凍生地を仕入れ、非熟練の従業員でも製造可能なプロセスを確立している。同社の売上原価率(フード)が24.1%であり業界標準より抑制されていることからも店内調理がコストアップ要因になっていないことがわかる。

2)人材育成・教育手法
一般的に店内調理は、習熟に時間がかかり、人件費も割高となりがちである。同社は独自のマニュアルや育成手法を持ち、未経験のパート・アルバイトでも早期に戦力にできる。また、接客においてもこだわりを持ち、同様に非熟練者を早期に戦力化している。結果として従業員全体に占める正社員の比率は約12%(2023年3月期)、コロナ禍以前は約10%(2019年3月期)と飲食業界の平均水準(約20%)よりも低い。

3)直営での店舗展開
同社は直営店での店舗展開を中心としており、フランチャイズ(FC)店舗は一部に限られる。2023年9月末で直営店750店に対して、FC店24店である。どんな業態でも、ニーズの変化に対応し改善を続けていかなければ陳腐化するリスクにさらされる。メニュー変更、販促キャンペーン、内装のリニューアルなど様々な点で変化対応が重要であり、その点で直営店舗は変化への対応が有利である。いざという時は、当該店舗を別業態に転換しやすいのも直営のメリットと言えるだろう。

8. KPI:月次売上高の推移(昨年対比、2019年3月期対比)
同社は全店及び既存店の月次の売上高推移(前年同月比対比)を公表しており、進捗を確認することができる。既存店売上(昨対)は2023年4月から110%から120%前後で推移しており、アフターコロナ期に入って回復基調が鮮明になっている。既存店売上(2019年3月期対比)はコロナ禍以前と比較しても、100%を超える月もでてきており、通期での100%超えも視野に入る。なお、全店売上(昨対)ではやや既存店売上(昨対)より低下するが、新規出店を行いつつも不採算店の撤退をより積極的に進めていることに起因する。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)

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配信元: フィスコ
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