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デリカフーズホールディングスのニュース
*16:11JST デリカフHD Research Memo(6):中期経営計画の売上目標は1年前倒しで達成(1)
■今後の見通し
2. 第4次中期経営計画の進捗状況
2022年3月期からスタートした第4次中期経営計画「Transformation 2024」(2022年3月期~2024年3月期)では、コロナ禍で大きく変化した市場環境において新たな食の生活様式に対応するため、デリカフーズホールディングス<3392>の強み(企業力、研究開発力、販売力、調達力)を生かしながら従前の延長線上にないビジネスモデルの構築を目指している。基本戦略として「事業ポートフォリオの変革」「青果物流通インフラの構築」「サスティナビリティ経営の推進」に重点的に取り組んでいる。業績目標(2024年3月期売上高450億円、経常利益10億円)については、前述のとおり売上高は1年前倒しで達成し、経常利益も超過する可能性が高く、これまでの取り組み状況としてはおおむね順調に進んだものと評価される。
(1) 事業ポートフォリオの変革
コロナ禍で主力市場としてきた外食業界の落ち込みをカバーすべく、2021年3月期より事業ポートフォリオの変革に取り組んできた。前述したようにコロナ禍に強い外食や、量販・小売、給食、中食業界での顧客開拓が進んだほか、新規事業であるBtoC事業(ミールキット事業含む)もOEM展開が広がったことにより、売上高については目標を1年前倒しで達成した。
当初計画では、業界別売上構成比で外食向け(コロナ禍に強い外食含む)を2020年3月期の83.3%から2024年3月期は63%に引き下げる一方で、その他業界向けを16.7%から25%に引き上げ、新規事業のミールキット事業及びBtoC事業で12%を占める計画となっていた。2023年3月期実績で見ると、外食業界向けは65.6%まで回復し、その他業界向けは26.7%、新規事業が7.7%となっている。外食向け、非外食向けともに当初の計画よりも売上成長ペースが速く、構成比率では最終年度の目標を上回っている。新規事業の構成比率は、その他の売上が伸びていることもあり見劣りするものの、金額ベースでは2024年3月期の目標である約54億円に対して2022年3月期が約22億円、2023年3月期が約37億円と順調に拡大しており、2024年3月期の目標についても射程圏にある。いずれにしても、事業ポートフォリオの変革により外食業界に偏重した収益構造からバランスの取れた事業ポートフォリオに構造転換が進み、なおかつ売上高については計画を上回るペースで推移している点はポジティブに評価される。
新規事業であるBtoC事業(ミールキット事業を含む)は、OEMと自社ブランド「楽彩」の二軸で事業展開している。OEMについてはワタミの宅食サービスのほか生協向けにも採用され順調に拡大している。自社ブランドの「楽彩」については、ピックアップショッピングスタイルでの展開を図るため、2023年3月期にコンビニエンスストアやキャンプ場、フィットネスジム等、140ヶ所以上に商品受取場所を設け、アプリやWebサイトを通じて注文・決済できるようにしたほか、宅配サービス会社とも提携し販売チャネルの拡大を続けている。また、全国の百貨店、駅ビルを中心に90店舗以上を展開する青果物専門店「九州屋」と2023年1月より業務提携し、店舗内にて「楽彩」の販売を開始した。3~20分で簡単に料理が作れる手軽さと、新鮮で栄養価の高い野菜を使ったメニューが好評であると言う。直近では、有名レストラン「KIHACHI」の創業者である熊谷喜八シェフが監修したメニューを3品目ラインナップに加えるなど、新たな販売施策を打っており、今後も認知度向上に向けたプロモーションを積極化する予定だ。このため2024年3月期も先行投資期間と位置付け、利益は見込んでいない。BtoC事業のうち青果ボックスやスムージーについては、自社ECサイトを通じて販売しているほか、百貨店の店舗やECサイトなどでも販売しており、既に収益化した。
ミールキット事業では、生協やヨシケイ開発(株)、オイシックス(オイシックス・ラ・大地<3182>)などが先行しているが、品質面の差が出る野菜の取り扱いに関して、同社は鮮度の維持管理から真空加熱野菜等の製造に至るまで豊富なノウハウを持っており、他社にない強みになると弊社は考えている。ミールキットの国内市場規模は、生活スタイルの変化を受けて現在の1,600億円規模から今後は2,000億円を超える市場に育つと見られており、同社はOEMと自社ブランドの2軸で事業展開することで同市場を開拓し、売上高で100億円を当面の目標として掲げている。2024年3月期はデリカフーズのBtoC事業部を楽彩に統合することで、事業領域の拡大と業務の合理化を推進し、BtoC事業のさらなる拡大を図る計画となっており、今後の動向が注目される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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2. 第4次中期経営計画の進捗状況
2022年3月期からスタートした第4次中期経営計画「Transformation 2024」(2022年3月期~2024年3月期)では、コロナ禍で大きく変化した市場環境において新たな食の生活様式に対応するため、デリカフーズホールディングス<3392>の強み(企業力、研究開発力、販売力、調達力)を生かしながら従前の延長線上にないビジネスモデルの構築を目指している。基本戦略として「事業ポートフォリオの変革」「青果物流通インフラの構築」「サスティナビリティ経営の推進」に重点的に取り組んでいる。業績目標(2024年3月期売上高450億円、経常利益10億円)については、前述のとおり売上高は1年前倒しで達成し、経常利益も超過する可能性が高く、これまでの取り組み状況としてはおおむね順調に進んだものと評価される。
(1) 事業ポートフォリオの変革
コロナ禍で主力市場としてきた外食業界の落ち込みをカバーすべく、2021年3月期より事業ポートフォリオの変革に取り組んできた。前述したようにコロナ禍に強い外食や、量販・小売、給食、中食業界での顧客開拓が進んだほか、新規事業であるBtoC事業(ミールキット事業含む)もOEM展開が広がったことにより、売上高については目標を1年前倒しで達成した。
当初計画では、業界別売上構成比で外食向け(コロナ禍に強い外食含む)を2020年3月期の83.3%から2024年3月期は63%に引き下げる一方で、その他業界向けを16.7%から25%に引き上げ、新規事業のミールキット事業及びBtoC事業で12%を占める計画となっていた。2023年3月期実績で見ると、外食業界向けは65.6%まで回復し、その他業界向けは26.7%、新規事業が7.7%となっている。外食向け、非外食向けともに当初の計画よりも売上成長ペースが速く、構成比率では最終年度の目標を上回っている。新規事業の構成比率は、その他の売上が伸びていることもあり見劣りするものの、金額ベースでは2024年3月期の目標である約54億円に対して2022年3月期が約22億円、2023年3月期が約37億円と順調に拡大しており、2024年3月期の目標についても射程圏にある。いずれにしても、事業ポートフォリオの変革により外食業界に偏重した収益構造からバランスの取れた事業ポートフォリオに構造転換が進み、なおかつ売上高については計画を上回るペースで推移している点はポジティブに評価される。
新規事業であるBtoC事業(ミールキット事業を含む)は、OEMと自社ブランド「楽彩」の二軸で事業展開している。OEMについてはワタミの宅食サービスのほか生協向けにも採用され順調に拡大している。自社ブランドの「楽彩」については、ピックアップショッピングスタイルでの展開を図るため、2023年3月期にコンビニエンスストアやキャンプ場、フィットネスジム等、140ヶ所以上に商品受取場所を設け、アプリやWebサイトを通じて注文・決済できるようにしたほか、宅配サービス会社とも提携し販売チャネルの拡大を続けている。また、全国の百貨店、駅ビルを中心に90店舗以上を展開する青果物専門店「九州屋」と2023年1月より業務提携し、店舗内にて「楽彩」の販売を開始した。3~20分で簡単に料理が作れる手軽さと、新鮮で栄養価の高い野菜を使ったメニューが好評であると言う。直近では、有名レストラン「KIHACHI」の創業者である熊谷喜八シェフが監修したメニューを3品目ラインナップに加えるなど、新たな販売施策を打っており、今後も認知度向上に向けたプロモーションを積極化する予定だ。このため2024年3月期も先行投資期間と位置付け、利益は見込んでいない。BtoC事業のうち青果ボックスやスムージーについては、自社ECサイトを通じて販売しているほか、百貨店の店舗やECサイトなどでも販売しており、既に収益化した。
ミールキット事業では、生協やヨシケイ開発(株)、オイシックス(オイシックス・ラ・大地<3182>)などが先行しているが、品質面の差が出る野菜の取り扱いに関して、同社は鮮度の維持管理から真空加熱野菜等の製造に至るまで豊富なノウハウを持っており、他社にない強みになると弊社は考えている。ミールキットの国内市場規模は、生活スタイルの変化を受けて現在の1,600億円規模から今後は2,000億円を超える市場に育つと見られており、同社はOEMと自社ブランドの2軸で事業展開することで同市場を開拓し、売上高で100億円を当面の目標として掲げている。2024年3月期はデリカフーズのBtoC事業部を楽彩に統合することで、事業領域の拡大と業務の合理化を推進し、BtoC事業のさらなる拡大を図る計画となっており、今後の動向が注目される。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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