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デリカフーズホールディングスのニュース
■デリカフーズホールディングス<3392>の今後の見通し
2. 次期中期経営計画
(1) 第三次中期経営計画の振り返り
2020年3月期を最終年度とする第三次中期経営計画について、基本戦略や個々の事業テーマについては順調に進捗したものの、業績目標については利益面で当初の目標から未達に終わった。新型コロナウイルス感染拡大の影響や人件費の増加、野菜調達価格の高騰等が要因となっている。2020年3月期においては、中京地区の営業強化や九州事業所の立ち上げ、エア・ウォーター<4088>との提携案件の具体化、R&D部門の再編成等をテーマに掲げて着実に実行している。この3年間を振り返ると、物流インフラ及び貯蔵施設の三大都市圏における構築、FSセンターの更なる拠点増設など、今後の成長を支えていくための事業基盤の構築は順調に進んだものと弊社では評価している。
(2) 次期中期経営計画の検討事項
次期中期経営計画については、新型コロナウイルスの影響により公表を延期しているが、同社では検討課題として、「既存デリカモデルの更なる拡充」「新たな領域での事業モデル展開」「リスク耐性を有する事業基盤の構築」「ESGを重視した広い視野と将来を見据えた経営」の4点を挙げている。
a) 既存デリカモデルのさらなる拡充
既存デリカモデルのさらなる拡充として、中期的には複数ヶ所にてFSセンターを増設、空白地域への事業進出も視野に入れている。進出にあたっては単独で進出する可能性もあるが、北海道のようにM&Aで進出する可能性もある。
また、カット野菜、真空加熱野菜に続いて、新たな加工商品も手掛けていく方針となっている。同社にとっては、従来取扱商品になかった商品ラインナップを充実させ、既存顧客へ幅広い形態の野菜を届けることが可能となり、新規顧客の開拓機会も増えて売上拡大に寄与するものと予想される。
b) 新領域での事業モデル展開
新領域での事業モデル展開としては、記述のとおりBtoC領域での展開を想定している。特に、EC事業モデルでのデリバリーサービスは欧米だけでなく国内でも伸び始めていることから、後発ながらも認知度の向上と付加価値を上手く訴求していくことができれば、成長余地はあると考えられる。
c) リスク耐性を備えた事業基盤の構築
今回、新型コロナウイルス感染症拡大によって、外食業界に売上高の8割強を依存するリスクが顕在化した格好となった。青果物専業であることに変わりないものの、今後は中食業界やBtoC領域など、対象市場を分散化することでリスク耐性を備えた事業基盤を構築していくことになる。
d) ESGを重視した広い視野と将来を見据えた経営
ESG経営に取り組む企業が増えるなかで、同社も次期中期経営計画ではESGに従来以上に着目して、経営に取り組んでいく方針となっている。同社は「農と健康を繋ぐ創造企業」として、1)外食・中食産業の価値創造を見据えた経営(バリュエーション力、メニュー提案力、青果物の安定調達・供給力、物流力等)、2)青果物の流通を通じ、農業の発展と人々の健康な生活づくりに貢献、3)環境に配慮した経営、の3点に取り組んでいくほか、地域社会をはじめとした各ステークホルダーとの関係強化や強固なガバナンス体制の構築など、バランスの取れたESG経営を基に社会的ニーズに対応した価値創造を進めていく。環境への取り組みとしては、フードロス低減への貢献(形状が不定形な野菜をカット野菜として加工販売)や、野菜屑の堆肥・飼料化(野菜リサイクル・ループ)、二酸化炭素排出量の抑制などを各事業拠点で取り組んでいる。
(3) 市場シェア拡大による成長ポテンシャルは大きい
業務用青果物の市場規模は年間2兆円程度と見られており、業界トップの同社でも市場シェアは2%弱にすぎない。安心・安全を担保するための国際標準規格での品質管理基準取得やBCP対策、自然災害リスクに対応した大型低温貯蔵施設の開設、外食企業の人手不足課題に対応するための真空加熱野菜の量産化など、様々な取り組みを業界に先駆けて進めてきたことで顧客からの評価は年々高まっている。今後は大都市圏だけでなく、北海道、九州など地方エリアでの拡販にも注力するほか、商品ラインナップの充実を図ることによって市場シェアはさらに拡大していくものと予想される。また、BtoC領域についても新たに事業モデルを構築し、本格的に進出を目指すことにしており、同領域が戦力化してくればさらに成長ポテンシャルも高まることになる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<EY>
2. 次期中期経営計画
(1) 第三次中期経営計画の振り返り
2020年3月期を最終年度とする第三次中期経営計画について、基本戦略や個々の事業テーマについては順調に進捗したものの、業績目標については利益面で当初の目標から未達に終わった。新型コロナウイルス感染拡大の影響や人件費の増加、野菜調達価格の高騰等が要因となっている。2020年3月期においては、中京地区の営業強化や九州事業所の立ち上げ、エア・ウォーター<4088>との提携案件の具体化、R&D部門の再編成等をテーマに掲げて着実に実行している。この3年間を振り返ると、物流インフラ及び貯蔵施設の三大都市圏における構築、FSセンターの更なる拠点増設など、今後の成長を支えていくための事業基盤の構築は順調に進んだものと弊社では評価している。
(2) 次期中期経営計画の検討事項
次期中期経営計画については、新型コロナウイルスの影響により公表を延期しているが、同社では検討課題として、「既存デリカモデルの更なる拡充」「新たな領域での事業モデル展開」「リスク耐性を有する事業基盤の構築」「ESGを重視した広い視野と将来を見据えた経営」の4点を挙げている。
a) 既存デリカモデルのさらなる拡充
既存デリカモデルのさらなる拡充として、中期的には複数ヶ所にてFSセンターを増設、空白地域への事業進出も視野に入れている。進出にあたっては単独で進出する可能性もあるが、北海道のようにM&Aで進出する可能性もある。
また、カット野菜、真空加熱野菜に続いて、新たな加工商品も手掛けていく方針となっている。同社にとっては、従来取扱商品になかった商品ラインナップを充実させ、既存顧客へ幅広い形態の野菜を届けることが可能となり、新規顧客の開拓機会も増えて売上拡大に寄与するものと予想される。
b) 新領域での事業モデル展開
新領域での事業モデル展開としては、記述のとおりBtoC領域での展開を想定している。特に、EC事業モデルでのデリバリーサービスは欧米だけでなく国内でも伸び始めていることから、後発ながらも認知度の向上と付加価値を上手く訴求していくことができれば、成長余地はあると考えられる。
c) リスク耐性を備えた事業基盤の構築
今回、新型コロナウイルス感染症拡大によって、外食業界に売上高の8割強を依存するリスクが顕在化した格好となった。青果物専業であることに変わりないものの、今後は中食業界やBtoC領域など、対象市場を分散化することでリスク耐性を備えた事業基盤を構築していくことになる。
d) ESGを重視した広い視野と将来を見据えた経営
ESG経営に取り組む企業が増えるなかで、同社も次期中期経営計画ではESGに従来以上に着目して、経営に取り組んでいく方針となっている。同社は「農と健康を繋ぐ創造企業」として、1)外食・中食産業の価値創造を見据えた経営(バリュエーション力、メニュー提案力、青果物の安定調達・供給力、物流力等)、2)青果物の流通を通じ、農業の発展と人々の健康な生活づくりに貢献、3)環境に配慮した経営、の3点に取り組んでいくほか、地域社会をはじめとした各ステークホルダーとの関係強化や強固なガバナンス体制の構築など、バランスの取れたESG経営を基に社会的ニーズに対応した価値創造を進めていく。環境への取り組みとしては、フードロス低減への貢献(形状が不定形な野菜をカット野菜として加工販売)や、野菜屑の堆肥・飼料化(野菜リサイクル・ループ)、二酸化炭素排出量の抑制などを各事業拠点で取り組んでいる。
(3) 市場シェア拡大による成長ポテンシャルは大きい
業務用青果物の市場規模は年間2兆円程度と見られており、業界トップの同社でも市場シェアは2%弱にすぎない。安心・安全を担保するための国際標準規格での品質管理基準取得やBCP対策、自然災害リスクに対応した大型低温貯蔵施設の開設、外食企業の人手不足課題に対応するための真空加熱野菜の量産化など、様々な取り組みを業界に先駆けて進めてきたことで顧客からの評価は年々高まっている。今後は大都市圏だけでなく、北海道、九州など地方エリアでの拡販にも注力するほか、商品ラインナップの充実を図ることによって市場シェアはさらに拡大していくものと予想される。また、BtoC領域についても新たに事業モデルを構築し、本格的に進出を目指すことにしており、同領域が戦力化してくればさらに成長ポテンシャルも高まることになる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<EY>
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