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デリカフーズホールディングスのニュース
■業績動向
1. 2020年3月期第2四半期累計業績の概要
デリカフーズホールディングス<3392>の2020年3月期第2四半期累計連結業績は売上高が前年同期比5.0%増の20,429百万円、営業利益が同45.0%の342百万円、経常利益が同35.6%増の373百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同58.7%増の233百万円と増収増益となった。売上高は半期ベースで連続過去最高を更新し、各利益は2年ぶりに増益に転じた。2019年7月以降の日照不足による野菜調達価格の高騰や人件費増が影響して、利益は期初会社計画を若干下回ったものの、おおむね順調に推移したと言えるだろう。
売上高については外食・中食業界における人手不足を背景に、簡便に調理できるカット野菜や加熱野菜の需要が引き続き旺盛だったこと、居酒屋業態やファストフード業態等で新規顧客の開拓が進んだこと等が増収要因となった。売上原価率は前年同期比横ばいの77.1%となっているが、プラス、マイナスそれぞれの要因がある。マイナス要因としては、働き方改革への取り組み(有給休暇取得率の向上、残業時間の削減等)を進めるなかで、当第2四半期末の従業員数(臨時雇用者数含む)が同13%増加し、対売上高人件費率が同1%上昇したこと、愛知事業所のカット野菜工場改修に伴う立上げ費用の発生並びに減価償却費の増加(同77百万円増)などがあった。一方、プラス要因としては、前期に稼働した埼玉FSセンター及び中京FSセンターにおける大型貯蔵施設の活用、並びにJA茨城等からの産地引取便の拡大により対売上高仕入率が同1%改善したこと、相対的に収益性の高いカット野菜の販売構成比が上昇したこと等が挙げられる。
大型貯蔵施設は日持ちのする葉物野菜を冷蔵保存により1週間程度貯蔵できる施設で、台風等の上陸により収穫に影響が出そうな場合、事前に大量仕入れを行い同施設に保管しておくことで、顧客に対して供給責任を果たすことが可能となる。また、同時に海外産の発注もしておけば、1週間後には海外からの野菜が届くため、最大2週間は野菜の供給が確保できることにもなる。同社にとっては安定供給力が強化され顧客からの評価が高まるだけでなく、大量買付けにより通常よりも低い価格で仕入れることができるといったメリットも享受できる。仕入先の農家にとっても従来は、収穫前に台風が上陸した場合、廃棄ロスが発生するリスクがあったが、事前に収獲して販売することでこうしたリスクを回避できる。また、顧客である外食企業等にとっても市況高騰による食材費のコスト高につながるリスクを回避できることになり、仕入先、同社、顧客の三者がそれぞれメリットを享受できる仕組みとなっている。実際、2019年は台風の上陸で多くの農作物の被害が発生し、早々に貯蔵施設の効果が確認される格好となった。
原価率は前年同期並みとなったものの、販管費率は同0.5ポイント改善した。物流の内製化を進めたことで物流費率が同0.6ポイント低下したことによる(金額ベースで同47百万円減)。この結果、営業利益率は同0.5ポイント上昇の1.7%となった。また、本来の収益力を示す減価償却費控除前経常利益率で見れば同0.7ポイント上昇の3.9%となっている。
(1) 部門別売上高
部門別売上高を見ると、ホール野菜が前年同期比1.8%増の9,227百万円と伸び悩んだものの、カット野菜(真空加熱野菜含む)が同8.6%増の8,695百万円、その他が同5.0%増の2,506百万円といずれも順調に増加した。なかでもカット野菜は外食企業の慢性的な人手不足を背景に好調が続いている。また、カット野菜のうち、2016年より本格量産を開始した真空加熱野菜も顧客数・取扱いアイテム数が順調に増加している。売上高は前期実績で332百万円とまだ小さいものの、年間1億円増ペースの勢いで伸びているようだ。カット野菜よりも付加価値が高く収益性の向上にも貢献している。
(2) 業態別売上高
業態別の売上増減率を見ると、外食業界向けは前年同期比5.5%増となり外食企業の売上げ成長率を上回る伸びが続いた。カット野菜の伸長に加えて新規顧客の開拓や既存顧客での取引シェア拡大が要因と見られる。業態別で見るとファストフードは主要顧客の売上不振により減少したが、主力のファミリーレストランが6.2%増、居酒屋・パブが同10.9%増といずれも好調に推移した。一方、中食業界向けについては前年同期比2.6%増と堅調な推移となった。食品メーカー向けは伸び悩んだものの、弁当・総菜事業者向けや給食事業者向けが増加した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<ST>
1. 2020年3月期第2四半期累計業績の概要
デリカフーズホールディングス<3392>の2020年3月期第2四半期累計連結業績は売上高が前年同期比5.0%増の20,429百万円、営業利益が同45.0%の342百万円、経常利益が同35.6%増の373百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同58.7%増の233百万円と増収増益となった。売上高は半期ベースで連続過去最高を更新し、各利益は2年ぶりに増益に転じた。2019年7月以降の日照不足による野菜調達価格の高騰や人件費増が影響して、利益は期初会社計画を若干下回ったものの、おおむね順調に推移したと言えるだろう。
売上高については外食・中食業界における人手不足を背景に、簡便に調理できるカット野菜や加熱野菜の需要が引き続き旺盛だったこと、居酒屋業態やファストフード業態等で新規顧客の開拓が進んだこと等が増収要因となった。売上原価率は前年同期比横ばいの77.1%となっているが、プラス、マイナスそれぞれの要因がある。マイナス要因としては、働き方改革への取り組み(有給休暇取得率の向上、残業時間の削減等)を進めるなかで、当第2四半期末の従業員数(臨時雇用者数含む)が同13%増加し、対売上高人件費率が同1%上昇したこと、愛知事業所のカット野菜工場改修に伴う立上げ費用の発生並びに減価償却費の増加(同77百万円増)などがあった。一方、プラス要因としては、前期に稼働した埼玉FSセンター及び中京FSセンターにおける大型貯蔵施設の活用、並びにJA茨城等からの産地引取便の拡大により対売上高仕入率が同1%改善したこと、相対的に収益性の高いカット野菜の販売構成比が上昇したこと等が挙げられる。
大型貯蔵施設は日持ちのする葉物野菜を冷蔵保存により1週間程度貯蔵できる施設で、台風等の上陸により収穫に影響が出そうな場合、事前に大量仕入れを行い同施設に保管しておくことで、顧客に対して供給責任を果たすことが可能となる。また、同時に海外産の発注もしておけば、1週間後には海外からの野菜が届くため、最大2週間は野菜の供給が確保できることにもなる。同社にとっては安定供給力が強化され顧客からの評価が高まるだけでなく、大量買付けにより通常よりも低い価格で仕入れることができるといったメリットも享受できる。仕入先の農家にとっても従来は、収穫前に台風が上陸した場合、廃棄ロスが発生するリスクがあったが、事前に収獲して販売することでこうしたリスクを回避できる。また、顧客である外食企業等にとっても市況高騰による食材費のコスト高につながるリスクを回避できることになり、仕入先、同社、顧客の三者がそれぞれメリットを享受できる仕組みとなっている。実際、2019年は台風の上陸で多くの農作物の被害が発生し、早々に貯蔵施設の効果が確認される格好となった。
原価率は前年同期並みとなったものの、販管費率は同0.5ポイント改善した。物流の内製化を進めたことで物流費率が同0.6ポイント低下したことによる(金額ベースで同47百万円減)。この結果、営業利益率は同0.5ポイント上昇の1.7%となった。また、本来の収益力を示す減価償却費控除前経常利益率で見れば同0.7ポイント上昇の3.9%となっている。
(1) 部門別売上高
部門別売上高を見ると、ホール野菜が前年同期比1.8%増の9,227百万円と伸び悩んだものの、カット野菜(真空加熱野菜含む)が同8.6%増の8,695百万円、その他が同5.0%増の2,506百万円といずれも順調に増加した。なかでもカット野菜は外食企業の慢性的な人手不足を背景に好調が続いている。また、カット野菜のうち、2016年より本格量産を開始した真空加熱野菜も顧客数・取扱いアイテム数が順調に増加している。売上高は前期実績で332百万円とまだ小さいものの、年間1億円増ペースの勢いで伸びているようだ。カット野菜よりも付加価値が高く収益性の向上にも貢献している。
(2) 業態別売上高
業態別の売上増減率を見ると、外食業界向けは前年同期比5.5%増となり外食企業の売上げ成長率を上回る伸びが続いた。カット野菜の伸長に加えて新規顧客の開拓や既存顧客での取引シェア拡大が要因と見られる。業態別で見るとファストフードは主要顧客の売上不振により減少したが、主力のファミリーレストランが6.2%増、居酒屋・パブが同10.9%増といずれも好調に推移した。一方、中食業界向けについては前年同期比2.6%増と堅調な推移となった。食品メーカー向けは伸び悩んだものの、弁当・総菜事業者向けや給食事業者向けが増加した。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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