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*15:34JST レカム Research Memo(4):2022年9月期は大幅な増収増益での着地(1)
■業績動向
1. 2022年9月期決算の業績概要
レカム<3323>の2022年9月期〔IFRS〕業績は、売上収益8,920百万円(前期比34.6%増)、営業利益413百万円(同96.1%増)、税引前利益457百万円(同197.8%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益351百万円(前期は316百万円の損失)となった。グループ会社間のシナジーを最大化するべく、組織再編と海外事業強化に取り組んできた効果が表れ、大幅な増収・増益での着地となった。海外においては脱炭素に取り組む企業へ環境商材の販売に注力するほか、2021年10月に完全子会社化したマレーシア企業であるSLWが収益に大きく貢献した。セグメント別売上収益構成比では海外ソリューション事業は前期の20.4%から22年9月期は44.2%に拡大しており、セグメント利益では50%以上を占める。既存子会社についてはコロナ禍による営業活動や半導体不足による商品納期遅れの影響があったものの、SLWの業容拡大に伴うインパクトが相当大きかった。
売上収益については期初予想(9,600百万円)には届かなかったものの、各中期経営計画の達成目標の1つである売上CAGR(年平均成長率)30%は確保した。営業利益、税引前利益、親会社の所有者に帰属する当期利益は、いずれも大幅な増益となり、親会社の所有者に帰属する当期利益においては実行税率の低い海外での利益が大幅に増加したことにより、期初予想を約1億円上回る利益を計上している。また、利益の計上基準が違うため単純比較はできないものの、日本会計基準時代を含めて親会社の所有者に帰属する当期利益は過去最高益を更新している。
2. 事業セグメント別の動向
(1) 海外ソリューション事業
海外ソリューション事業の売上収益は前期比191.8%増の3,941百万円、セグメント利益は252百万円(前期は66百万円の損失)と、黒字に転換した。ASEAN諸国で移動制限による影響、中国でロックダウン等の影響があったが、マレーシアにおけるPhilipsブランド商品(LED照明等)の最大代理店であるSLWが、販売代理店の拡充やDIYショップの開拓等により業容を拡大した。海外についても国内同様、半導体不足に伴うLED照明の納期遅れの影響はあったものの、在庫を積み増しすることにより影響は限定的だった。同社は海外のローカルマーケットの開拓は自社による立ち上げではなく、M&Aにより開拓するという方針に基づき子会社化したが、SLWの業績が想定以上に好調だった。
その他の取組としては、タイ、ベトナム、インドネシアで高効率LED照明の販売を開始した。インドは7月に営業再開し、10月にはALSOK<2331>の子会社であるALSOKインディアと協業に関する合意書を締結するなど、インド進出企業のカーボンニュートラルやコスト削減ニーズにソリューション展開していく。
(2) 国内ソリューション事業
国内ソリューション事業の売上収益は前期比7.4%減の4,382百万円、セグメント利益は同3.7%増の98百万円だった。これまでになく大きな減収となった要因として、半導体不足の影響により、LED照明の調達が思うようにできなかったことが挙げられる。その影響は上期が顕著であり、LED照明の下期の売上高は上期比で12%程度伸びた状況だった。同製品は季節性も含めて3月頃に売り上げが伸びる傾向にあるため、上期が低調だったことが特に響いたと言える。
また、下期は電力料金の上昇から顧客の省エネ意識が高まってきており、LED照明への切り替えや、導入企業が新しいLED照明に切り替える動きが進んだと見られている。エネルギー価格の上昇傾向が続くなか、省電力となるLED照明の潜在需要は次回替えも含め大きいと弊社では考えている。そのほか、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大によって前期に大きく売り上げを伸ばしたウイルス除菌装置「ReSPR(レスパー)」は補助金終了により反動減となった。利益面については、販管費の削減等により増益での着地となる。
なお、営業の生産性向上のためにセールスフォースを5月に導入しており、2023年9月期に効果が出る見込みである。また、2022年4月以降、電気代高騰により、新製品ハイベイ(高天井タイプ)「RENTIA」、その他ベースライト(極端な影や明るさなどのムラを作らない拡散光型タイプ)などLED照明の販売が好調なほか、サイバーセキュリティ商材が前期比24%増と好調だった。
サイバーセキュリティソリューションを提供している子会社ヴィーナステックジャパンは、2022年7月に新商品「Venusense UTM T60」(以下「UTM T60」の販売を開始した。同商品や最新のWi-fi規格である「Wi-fi6」をセットとした「APシリーズ」を皮切りに、その他のセキュリティ商品を組み合わせたソリューション提案を行っている。
(3) BPR事業
BPR事業の売上収益は前期比9.2%増の596百万円、セグメント利益は同26.6%減の112百万円だった。新規顧客開拓に取り組むとともに、業務改善や経費削減提案を実施することでRPAやAI-OCRの導入、BPO業務受託を獲得した。日系企業のアウトソーシング活用への意識が高まっており、アウトソーシングセンターにおいて、業務の自動化をより一層進め、業務効率化と品質向上を実現したことで増収につながった。セグメント利益については、急速な円安元高によりアウトソーシングセンターの人件費増、経費増となったことから減益となっている。人民元の為替レートについては、前期の年平均レートが1元16.5円だったのに対して、2022年9月期の平均レートは1元 19.0円だった。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
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1. 2022年9月期決算の業績概要
レカム<3323>の2022年9月期〔IFRS〕業績は、売上収益8,920百万円(前期比34.6%増)、営業利益413百万円(同96.1%増)、税引前利益457百万円(同197.8%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益351百万円(前期は316百万円の損失)となった。グループ会社間のシナジーを最大化するべく、組織再編と海外事業強化に取り組んできた効果が表れ、大幅な増収・増益での着地となった。海外においては脱炭素に取り組む企業へ環境商材の販売に注力するほか、2021年10月に完全子会社化したマレーシア企業であるSLWが収益に大きく貢献した。セグメント別売上収益構成比では海外ソリューション事業は前期の20.4%から22年9月期は44.2%に拡大しており、セグメント利益では50%以上を占める。既存子会社についてはコロナ禍による営業活動や半導体不足による商品納期遅れの影響があったものの、SLWの業容拡大に伴うインパクトが相当大きかった。
売上収益については期初予想(9,600百万円)には届かなかったものの、各中期経営計画の達成目標の1つである売上CAGR(年平均成長率)30%は確保した。営業利益、税引前利益、親会社の所有者に帰属する当期利益は、いずれも大幅な増益となり、親会社の所有者に帰属する当期利益においては実行税率の低い海外での利益が大幅に増加したことにより、期初予想を約1億円上回る利益を計上している。また、利益の計上基準が違うため単純比較はできないものの、日本会計基準時代を含めて親会社の所有者に帰属する当期利益は過去最高益を更新している。
2. 事業セグメント別の動向
(1) 海外ソリューション事業
海外ソリューション事業の売上収益は前期比191.8%増の3,941百万円、セグメント利益は252百万円(前期は66百万円の損失)と、黒字に転換した。ASEAN諸国で移動制限による影響、中国でロックダウン等の影響があったが、マレーシアにおけるPhilipsブランド商品(LED照明等)の最大代理店であるSLWが、販売代理店の拡充やDIYショップの開拓等により業容を拡大した。海外についても国内同様、半導体不足に伴うLED照明の納期遅れの影響はあったものの、在庫を積み増しすることにより影響は限定的だった。同社は海外のローカルマーケットの開拓は自社による立ち上げではなく、M&Aにより開拓するという方針に基づき子会社化したが、SLWの業績が想定以上に好調だった。
その他の取組としては、タイ、ベトナム、インドネシアで高効率LED照明の販売を開始した。インドは7月に営業再開し、10月にはALSOK<2331>の子会社であるALSOKインディアと協業に関する合意書を締結するなど、インド進出企業のカーボンニュートラルやコスト削減ニーズにソリューション展開していく。
(2) 国内ソリューション事業
国内ソリューション事業の売上収益は前期比7.4%減の4,382百万円、セグメント利益は同3.7%増の98百万円だった。これまでになく大きな減収となった要因として、半導体不足の影響により、LED照明の調達が思うようにできなかったことが挙げられる。その影響は上期が顕著であり、LED照明の下期の売上高は上期比で12%程度伸びた状況だった。同製品は季節性も含めて3月頃に売り上げが伸びる傾向にあるため、上期が低調だったことが特に響いたと言える。
また、下期は電力料金の上昇から顧客の省エネ意識が高まってきており、LED照明への切り替えや、導入企業が新しいLED照明に切り替える動きが進んだと見られている。エネルギー価格の上昇傾向が続くなか、省電力となるLED照明の潜在需要は次回替えも含め大きいと弊社では考えている。そのほか、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大によって前期に大きく売り上げを伸ばしたウイルス除菌装置「ReSPR(レスパー)」は補助金終了により反動減となった。利益面については、販管費の削減等により増益での着地となる。
なお、営業の生産性向上のためにセールスフォースを5月に導入しており、2023年9月期に効果が出る見込みである。また、2022年4月以降、電気代高騰により、新製品ハイベイ(高天井タイプ)「RENTIA」、その他ベースライト(極端な影や明るさなどのムラを作らない拡散光型タイプ)などLED照明の販売が好調なほか、サイバーセキュリティ商材が前期比24%増と好調だった。
サイバーセキュリティソリューションを提供している子会社ヴィーナステックジャパンは、2022年7月に新商品「Venusense UTM T60」(以下「UTM T60」の販売を開始した。同商品や最新のWi-fi規格である「Wi-fi6」をセットとした「APシリーズ」を皮切りに、その他のセキュリティ商品を組み合わせたソリューション提案を行っている。
(3) BPR事業
BPR事業の売上収益は前期比9.2%増の596百万円、セグメント利益は同26.6%減の112百万円だった。新規顧客開拓に取り組むとともに、業務改善や経費削減提案を実施することでRPAやAI-OCRの導入、BPO業務受託を獲得した。日系企業のアウトソーシング活用への意識が高まっており、アウトソーシングセンターにおいて、業務の自動化をより一層進め、業務効率化と品質向上を実現したことで増収につながった。セグメント利益については、急速な円安元高によりアウトソーシングセンターの人件費増、経費増となったことから減益となっている。人民元の為替レートについては、前期の年平均レートが1元16.5円だったのに対して、2022年9月期の平均レートは1元 19.0円だった。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
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