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サムティのニュース
*13:23JST サムティ Research Memo(3):成長と安定のバランスの取れた事業構成(2)
■会社概要
3. 特長
(1) ビジネスモデルの優位性
サムティ<3244>のビジネスモデルの特長は、収益不動産の開発、売買、物件管理、REITなどのファンド運用までをグループ内で一気通貫的に完結させることにあり、それぞれの機能が連動することで同社ならではの価値創造(バリューチェーン)を実現している。特に、これまで「不動産賃貸事業」で培ってきたリーシング(賃貸付け)のノウハウが「不動産開発事業」や「不動産ソリューション事業」でも生かされており、収益不動産のバリューアップはもちろん、用地仕入れにおける優位性や販売先との信頼関係及び交渉力においてもプラスの効果を生み出している。
また、SRRを中心としたビジネスモデルにも優位性がある。SRRが安定的な供給先になるとともに、販売後のフィービジネスの拡大(アセットマネジメント(AM)業務やプロパティマネジメント(PM)業務の受託)が、将来にわたる安定収益源として期待できる。また、今後はホテルREITを加えることで、事業基盤をさらに強化・拡充していく。
(2) 収益構造における強み
同社は、不動産開発事業や不動産ソリューション事業、海外事業(以上、キャピタルゲインビジネス)による成長加速と、不動産賃貸事業やホテル賃貸・運営事業、不動産管理事業(以上、インカムゲインビジネス)による安定収入のバランスを取りながら、事業環境の変化に柔軟に対応してきた。2021年11月期からは、アフターコロナにおける新たな戦略的取り組みとして、グループ総資産規模の拡大と、賃貸収入及びフィー収益の獲得を強化することにより、インカムゲインの最大化を図り、より安定した収益基盤の構築に取り組んでいる。また、自社で販売部隊を持たず、外部リソースの活用により固定費を低く抑えることで景気後退時の抵抗力を高めている。これまでの金融危機(バブル経済の崩壊やリーマンショックによる影響など)において、業績の落ち込みが比較的小さかったのは、不動産賃貸事業が業績の下支えになったことと、固定費の軽さも要因の1つである。
(3) 人的資本の状況
2023年11月期末の連結従業員数(臨時社員は除く)は844名(前期末比139名増)と大きく増えた。コンスタントに新卒採用を行っているほか、即戦力となるキャリア採用にも積極的であり、事業拡大に向けて大幅な増強を図っている。特に全国への営業拠点の展開が、現地採用やブランド力向上を通じて人材確保にもプラスに働いているようだ。同社は、かねてより“人を大切にする企業の実現”を掲げ、従業員のエンゲージメント向上に注力してきた(後述する「サステナビリティ基本方針」にも明記)。これからも各人のやる気や能力を生かし、定着率の向上や各地域への雇用貢献、各人の仕事への創造性を高めることで、同社の企業価値向上につなげていく考えである。また、人的資本経営の推進の一環として、2024年4月より賃金ベースアップ(平均約7%)や新卒社員の初任給引き上げを決定した。
4. 沿革
同社は、1982年12月に大阪市東淀川区においてサムティ開発株式会社として設立された(2005年6月に現在の商号に変更)。分譲マンションの販売受託からスタートしたが、その後、投資用マンションの1棟販売やファミリーマンションの分譲など着実に実績を積み上げてきた。
2001年5月に投資用分譲ワンルームマンション「サムティ」シリーズの販売を開始すると、2005年3月から賃貸マンション「S-RESIDENCE」シリーズの販売を開始し、事業拡大に拍車をかけた。2007年7月には大阪証券取引所ヘラクレス市場(2010年に東証JASDAQと統合)に上場を果たし、2015年10月に東京証券取引所市場第一部へ市場変更した後、2022年4月の東証市場再編に伴いプライム市場へ移行した。
また、さらなる事業拡大や地域分散を図るため、2011年2月に東京支店、2012年6月に福岡支店、2015年5月に札幌支店、2016年3月に名古屋支店、2019年12月に広島支店を開設し、着実に事業エリアの拡大も進めてきた。
事業領域の拡大にも積極的であり、2006年8月にビジネスホテルを保有・運営する(株)サン・トーア(現 サムティホテルマネジメント)の株式を取得(ホテル事業へ進出)、2011年12月にサムティ管理(株)(現 サムティプロパティマネジメント)を設立(プロパティマネジメント事業へ進出)、2012年11月に燦アセットマネージメント(株)(現 サムティアセットマネジメント)を100%子会社化(アセットマネジメント事業に進出)、2015年6月にはSRRを東証J-REIT市場に上場させるなど、今後の成長加速に向けて体制を整えてきた。2019年5月には大和証券グループ本社<8601>と資本業務提携契約を締結し、ホテルREITの組成や海外展開、クラウドファンディングなどで協働を進めている。
2020年からはベトナム最大手の不動産デベロッパーであるVHMと共同で、ハノイ市西部での分譲住宅事業「THE SAKURAプロジェクト」へ参画し、海外事業にも本格的に進出した。
2024年6月3日からは、グループガバナンス強化、迅速な意思決定による機動力の向上、グループ経営の効率化、次世代経営者の育成を目的として、持ち株会社体制への移行する予定である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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3. 特長
(1) ビジネスモデルの優位性
サムティ<3244>のビジネスモデルの特長は、収益不動産の開発、売買、物件管理、REITなどのファンド運用までをグループ内で一気通貫的に完結させることにあり、それぞれの機能が連動することで同社ならではの価値創造(バリューチェーン)を実現している。特に、これまで「不動産賃貸事業」で培ってきたリーシング(賃貸付け)のノウハウが「不動産開発事業」や「不動産ソリューション事業」でも生かされており、収益不動産のバリューアップはもちろん、用地仕入れにおける優位性や販売先との信頼関係及び交渉力においてもプラスの効果を生み出している。
また、SRRを中心としたビジネスモデルにも優位性がある。SRRが安定的な供給先になるとともに、販売後のフィービジネスの拡大(アセットマネジメント(AM)業務やプロパティマネジメント(PM)業務の受託)が、将来にわたる安定収益源として期待できる。また、今後はホテルREITを加えることで、事業基盤をさらに強化・拡充していく。
(2) 収益構造における強み
同社は、不動産開発事業や不動産ソリューション事業、海外事業(以上、キャピタルゲインビジネス)による成長加速と、不動産賃貸事業やホテル賃貸・運営事業、不動産管理事業(以上、インカムゲインビジネス)による安定収入のバランスを取りながら、事業環境の変化に柔軟に対応してきた。2021年11月期からは、アフターコロナにおける新たな戦略的取り組みとして、グループ総資産規模の拡大と、賃貸収入及びフィー収益の獲得を強化することにより、インカムゲインの最大化を図り、より安定した収益基盤の構築に取り組んでいる。また、自社で販売部隊を持たず、外部リソースの活用により固定費を低く抑えることで景気後退時の抵抗力を高めている。これまでの金融危機(バブル経済の崩壊やリーマンショックによる影響など)において、業績の落ち込みが比較的小さかったのは、不動産賃貸事業が業績の下支えになったことと、固定費の軽さも要因の1つである。
(3) 人的資本の状況
2023年11月期末の連結従業員数(臨時社員は除く)は844名(前期末比139名増)と大きく増えた。コンスタントに新卒採用を行っているほか、即戦力となるキャリア採用にも積極的であり、事業拡大に向けて大幅な増強を図っている。特に全国への営業拠点の展開が、現地採用やブランド力向上を通じて人材確保にもプラスに働いているようだ。同社は、かねてより“人を大切にする企業の実現”を掲げ、従業員のエンゲージメント向上に注力してきた(後述する「サステナビリティ基本方針」にも明記)。これからも各人のやる気や能力を生かし、定着率の向上や各地域への雇用貢献、各人の仕事への創造性を高めることで、同社の企業価値向上につなげていく考えである。また、人的資本経営の推進の一環として、2024年4月より賃金ベースアップ(平均約7%)や新卒社員の初任給引き上げを決定した。
4. 沿革
同社は、1982年12月に大阪市東淀川区においてサムティ開発株式会社として設立された(2005年6月に現在の商号に変更)。分譲マンションの販売受託からスタートしたが、その後、投資用マンションの1棟販売やファミリーマンションの分譲など着実に実績を積み上げてきた。
2001年5月に投資用分譲ワンルームマンション「サムティ」シリーズの販売を開始すると、2005年3月から賃貸マンション「S-RESIDENCE」シリーズの販売を開始し、事業拡大に拍車をかけた。2007年7月には大阪証券取引所ヘラクレス市場(2010年に東証JASDAQと統合)に上場を果たし、2015年10月に東京証券取引所市場第一部へ市場変更した後、2022年4月の東証市場再編に伴いプライム市場へ移行した。
また、さらなる事業拡大や地域分散を図るため、2011年2月に東京支店、2012年6月に福岡支店、2015年5月に札幌支店、2016年3月に名古屋支店、2019年12月に広島支店を開設し、着実に事業エリアの拡大も進めてきた。
事業領域の拡大にも積極的であり、2006年8月にビジネスホテルを保有・運営する(株)サン・トーア(現 サムティホテルマネジメント)の株式を取得(ホテル事業へ進出)、2011年12月にサムティ管理(株)(現 サムティプロパティマネジメント)を設立(プロパティマネジメント事業へ進出)、2012年11月に燦アセットマネージメント(株)(現 サムティアセットマネジメント)を100%子会社化(アセットマネジメント事業に進出)、2015年6月にはSRRを東証J-REIT市場に上場させるなど、今後の成長加速に向けて体制を整えてきた。2019年5月には大和証券グループ本社<8601>と資本業務提携契約を締結し、ホテルREITの組成や海外展開、クラウドファンディングなどで協働を進めている。
2020年からはベトナム最大手の不動産デベロッパーであるVHMと共同で、ハノイ市西部での分譲住宅事業「THE SAKURAプロジェクト」へ参画し、海外事業にも本格的に進出した。
2024年6月3日からは、グループガバナンス強化、迅速な意思決定による機動力の向上、グループ経営の効率化、次世代経営者の育成を目的として、持ち株会社体制への移行する予定である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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