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SFPホールディングスのニュース
■要約
1. 会社概要
SFPホールディングス<3198>は、駅前・繁華街(路面店)での24時間営業で人気業態となっている海鮮居酒屋「磯丸水産」等の運営を主力事業としている。一等立地による集客力を最大限に活かした独自の収益モデルを確立したことにより、高い収益性と成長性を実現してきた。2019年2月末の店舗数は229店舗(他にフランチャイズ(FC)10店舗)。そのうち、「磯丸水産」は121店舗を占め、出店エリアは首都圏に207店舗(うち、都内131店舗)と集中出店している。最近では、「磯丸水産」と同様の収益モデルによる「鳥良商店」(鶏料理専門店)が2本目の柱として本格稼働するとともに、新業態「いち五郎」(餃子居酒屋)も順調に立ち上がってきた。足元業績は新規出店の戦略的な抑制等により踊り場となっているが、新たに打ち立てた独自のアライアンス構想により、再び成長加速を目指す方針である。2019年2月28日には東証1部へ市場変更となった。
2. 2019年2月期の業績
2019年2月期の連結業績は、売上高が前期比2.5%増の37,751百万円、営業利益が同17.6%減の2,907百万円と増収減益となったが、売上高は過去最高を更新した。ただ、売上高、利益ともに期初予想を下回る着地となっている。前期出店分が通年寄与したことや新規出店(15店舗)が増収要因になった。新規出店ペースを戦略的に抑えたことにより、2期連続で緩やかな増収となったところは想定どおりの展開である。ただ、期初予想を下回ったのは、業態転換に伴う現場の負担増、およびその影響を考慮して、新規出店を計画(20店舗)より抑制したことに加えて、戦略の目玉であった業態転換(26店舗)による業績改善効果が全体として想定を下回ったことが理由である。利益面でも、店舗当たりの売上減による影響や、業態転換を実施した一部店舗の売上が想定を下回ったこと、人件費の増加等により期初予想を下回る営業減益となった。一方で、新たな成長戦略である「SFPフードアライアンス構想」(以下、アライアンス構想)に向けては、第1号(M&A)を成立させるなど幸先の良いスタートを切ったと言える。
3. 2020年2月期の業績見通し
2020年2月期の業績予想について同社は、売上高を前期比3.3%増の39,000百万円、営業利益を同17.4%減の2,400百万円と、増収ながら不採算店の撤退等により一旦減益となる見通しである。アライアンス構想の第1号である(株)ジョー・スマイル(以下、JS)の連結化が増収に寄与。ただ、引き続き、緩やかな増収率にとどまるのは、新規出店を7店舗に抑え既存店のテコ入れを図るとともに、不採算店の撤退を積極的に進めることで、より筋肉質な経営体制へと改善を図るための1年とすることが理由である。利益面でも、既存店のテコ入れや不採算店の撤退に係る費用のほか、今後の成長加速に向けた先行費用により、一旦減益となる見通しである。
4. 成長戦略
同社は、環境変化(店舗スタッフを含めた採用難など)が成長の足かせとなっている状況への対応を図るとともに、地方都市への進出を効果的に進めるための戦略として、「アライアンス構想」を打ち立てた。具体的には、地方都市において、豊富な経営ノウハウを有する居酒屋を経営する企業と資本提携し、同社の主力ブランド(「磯丸水産」等)を提供することにより成長を支援する仕組みとなっている。同社にとっては、地方都市での事業基盤(出店立地や人材等)を一気に囲い込むことができる一方、提携先にとっても、自らのブランドを継続しながら「磯丸水産」や「鳥良商店」など人気ブランドが第2の成長エンジン(収益源)に加わるなど、様々なメリットを享受することが可能となる。すなわち、単なるM&Aによる業績の上乗せではなく、あくまでも主力ブランドを軸とした成長戦略の一環であるところや、提携先の自主独立性や成長意欲を活かした仕組みとなっているところに特徴がある。
同社は、「アライアンス構想」のスタートに伴って、新たに3ヶ年の中期経営計画を公表した。最終年度(2022年2月期)の目標として、売上高59,000百万円、経常利益4,200百万円、当期純利益2,500百万円を掲げている。また同社自身のオーガニックな成長についても、引き続き首都圏を中心に一等立地への出店を進めるとともに、新ブランドの開発や「一等立地マルチコンテンツ戦略」の推進などに取り組む方針であり、オーガニックな成長継続と「アライアンス構想」による成長加速の2層型の成長イメージを描いている。
■Key Points
・2019年2月期は緩やかな増収ながら減益
・新規出店の戦略的な抑制のほか、業態転換による業績改善効果が想定を下回ったことから2期連続で緩やかな増収率にとどまるとともに、利益面でも業態転換コスト等により減益決算となった
・独自の「アライアンス構想」を打ち立て、M&Aを活用した地方都市への出店拡大により成長加速を目指す方針
・2020年2月期は不採算店の積極的な撤退に取り組み、一旦減益となる見通し。成長戦略の実現に向けて、まずは筋肉質な経営体制へと改善を図る
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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1. 会社概要
SFPホールディングス<3198>は、駅前・繁華街(路面店)での24時間営業で人気業態となっている海鮮居酒屋「磯丸水産」等の運営を主力事業としている。一等立地による集客力を最大限に活かした独自の収益モデルを確立したことにより、高い収益性と成長性を実現してきた。2019年2月末の店舗数は229店舗(他にフランチャイズ(FC)10店舗)。そのうち、「磯丸水産」は121店舗を占め、出店エリアは首都圏に207店舗(うち、都内131店舗)と集中出店している。最近では、「磯丸水産」と同様の収益モデルによる「鳥良商店」(鶏料理専門店)が2本目の柱として本格稼働するとともに、新業態「いち五郎」(餃子居酒屋)も順調に立ち上がってきた。足元業績は新規出店の戦略的な抑制等により踊り場となっているが、新たに打ち立てた独自のアライアンス構想により、再び成長加速を目指す方針である。2019年2月28日には東証1部へ市場変更となった。
2. 2019年2月期の業績
2019年2月期の連結業績は、売上高が前期比2.5%増の37,751百万円、営業利益が同17.6%減の2,907百万円と増収減益となったが、売上高は過去最高を更新した。ただ、売上高、利益ともに期初予想を下回る着地となっている。前期出店分が通年寄与したことや新規出店(15店舗)が増収要因になった。新規出店ペースを戦略的に抑えたことにより、2期連続で緩やかな増収となったところは想定どおりの展開である。ただ、期初予想を下回ったのは、業態転換に伴う現場の負担増、およびその影響を考慮して、新規出店を計画(20店舗)より抑制したことに加えて、戦略の目玉であった業態転換(26店舗)による業績改善効果が全体として想定を下回ったことが理由である。利益面でも、店舗当たりの売上減による影響や、業態転換を実施した一部店舗の売上が想定を下回ったこと、人件費の増加等により期初予想を下回る営業減益となった。一方で、新たな成長戦略である「SFPフードアライアンス構想」(以下、アライアンス構想)に向けては、第1号(M&A)を成立させるなど幸先の良いスタートを切ったと言える。
3. 2020年2月期の業績見通し
2020年2月期の業績予想について同社は、売上高を前期比3.3%増の39,000百万円、営業利益を同17.4%減の2,400百万円と、増収ながら不採算店の撤退等により一旦減益となる見通しである。アライアンス構想の第1号である(株)ジョー・スマイル(以下、JS)の連結化が増収に寄与。ただ、引き続き、緩やかな増収率にとどまるのは、新規出店を7店舗に抑え既存店のテコ入れを図るとともに、不採算店の撤退を積極的に進めることで、より筋肉質な経営体制へと改善を図るための1年とすることが理由である。利益面でも、既存店のテコ入れや不採算店の撤退に係る費用のほか、今後の成長加速に向けた先行費用により、一旦減益となる見通しである。
4. 成長戦略
同社は、環境変化(店舗スタッフを含めた採用難など)が成長の足かせとなっている状況への対応を図るとともに、地方都市への進出を効果的に進めるための戦略として、「アライアンス構想」を打ち立てた。具体的には、地方都市において、豊富な経営ノウハウを有する居酒屋を経営する企業と資本提携し、同社の主力ブランド(「磯丸水産」等)を提供することにより成長を支援する仕組みとなっている。同社にとっては、地方都市での事業基盤(出店立地や人材等)を一気に囲い込むことができる一方、提携先にとっても、自らのブランドを継続しながら「磯丸水産」や「鳥良商店」など人気ブランドが第2の成長エンジン(収益源)に加わるなど、様々なメリットを享受することが可能となる。すなわち、単なるM&Aによる業績の上乗せではなく、あくまでも主力ブランドを軸とした成長戦略の一環であるところや、提携先の自主独立性や成長意欲を活かした仕組みとなっているところに特徴がある。
同社は、「アライアンス構想」のスタートに伴って、新たに3ヶ年の中期経営計画を公表した。最終年度(2022年2月期)の目標として、売上高59,000百万円、経常利益4,200百万円、当期純利益2,500百万円を掲げている。また同社自身のオーガニックな成長についても、引き続き首都圏を中心に一等立地への出店を進めるとともに、新ブランドの開発や「一等立地マルチコンテンツ戦略」の推進などに取り組む方針であり、オーガニックな成長継続と「アライアンス構想」による成長加速の2層型の成長イメージを描いている。
■Key Points
・2019年2月期は緩やかな増収ながら減益
・新規出店の戦略的な抑制のほか、業態転換による業績改善効果が想定を下回ったことから2期連続で緩やかな増収率にとどまるとともに、利益面でも業態転換コスト等により減益決算となった
・独自の「アライアンス構想」を打ち立て、M&Aを活用した地方都市への出店拡大により成長加速を目指す方針
・2020年2月期は不採算店の積極的な撤退に取り組み、一旦減益となる見通し。成長戦略の実現に向けて、まずは筋肉質な経営体制へと改善を図る
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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