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TOKAI Research Memo(6):LPガス事業と法人向け情報通信サービス事業が利益増をけん引

配信元:フィスコ
投稿:2020/06/05 15:06
■TOKAIホールディングス<3167>の業績動向

3. 事業セグメント別動向
(1) ガス及び石油事業
ガス及び石油事業の売上高は前期比0.2%増の78,154百万円、営業利益(間接費用配賦前営業利益となり、決算短信とは算出方法が異なる。以下、同様)は同9.3%増の7,452百万円となった。売上高は3期連続増収、営業利益は4期ぶりの増益に転じた。ここ数年は仕入コストの上昇や気温上昇による世帯当たりガス消費量の減少などにより減益が続いたが、平均気温が前年並みで推移し顧客件数の増加に伴って家庭用のガス販売量が増加したことや、仕入コストの低減が進んだことが増益要因となった。

このうち、LPガス事業の売上高は前期比0.5%減の65,235百万円と微減となった。顧客件数は既存エリア、新規エリアでの顧客獲得が進み前期末比23千件増加(既存エリア7千件増、新規エリア15千件増)の652千件となり、販売量で前期比4%増、平均販売単価も若干上昇したものの、仕入価格の低減に連動した工業用及び卸売の販売価格下落が減収要因となった。ただ、販売価格の下落分は仕入コストの低減で吸収できているため、利益への影響はなかった。契約件数については商圏の買取りが遅れたため会社計画(684千件)を下回ったが、2019年4月より新たに進出した三重県津市を始め、新規サービスエリアでの顧客開拓は着実に進んでいる。

一方、都市ガス事業の売上高は前期比4.1%増の12,919百万円となった。原料費調整制度により販売単価が減少したものの、2019年4月から新たに群馬県下仁田町(顧客数は約1千件)で営業を開始したことにより約2%の増収要因となったほか、設備機器の販売増等が増収要因となった。下仁田町では同社グループの各種サービスの営業も開始しており、電気や宅配水、LIBMO、ISP等合わせて約100件の契約を獲得している。同社では、グループの複数商材を提案していくことで1顧客当たり最大2.5倍の売上増が期待できると見ている。期末顧客件数としては前述した秋田県にかほ市の顧客5千件分が加わり61千件となっている。

なお、営業利益の増減要因を見ると、顧客件数の増加で8億円、仕入コストの低減で5億円の増益要因となり、顧客獲得維持コストの増加2億円や体制強化に伴うコストの増加4億円等の減益要因を吸収した格好となっている。

(2) 情報及び通信サービス事業
情報及び通信サービス事業の売上高は前期比1.0%増の51,753百万円、営業利益は同10.4%増の4,226百万円となり、売上高は10期連続の増収、営業利益は2期連続の増益となった。コンシューマー向けの減少を法人向けの好調でカバーする構図が続いている。

コンシューマー向け事業の売上高は前期比7.2%減の28,606百万円と減収となった。大手携帯キャリアとの競争激化によりISPサービスの顧客件数が前期末比34千件減の713千件と減少したことが要因だ(顧客件数は2015年3月期の864千件をピークに減少傾向が続いている)。内訳を見ると、従来型ISP等が前期末比30千件減の389千件となったほか、光コラボも同3千件減の324千件と、サービス開始以来初めて減少に転じている。これは競争激化に加えて、顧客獲得コストを抑制したことも一因となっている。ただ、当第2四半期以降は324千件で横ばい圏を維持している。そのほか、モバイル(携帯電話販売代理店)事業については同5千件減の212千件、格安モバイルサービス「LIBMO」については同7千件増の48千件となった。

コンシューマー向け事業の営業利益については前期比2割減、金額で5億円程度の減益となったようだ。増減要因を見ると、「LIBMO」の増益で2億円、顧客獲得維持コストの減少で3億円の増益要因となった一方で、ISPサービスの顧客件数減により6億円の減益、体制強化等のコスト増で3億円の減益要因となっている。体制強化等の費用としては、モバイルショップの移転リニューアル費用(ロードサイド型店舗から大型ショッピングセンターに3店舗を移転)などが含まれている。移転に伴ってスマートフォンの販売だけでなく、「LIBMO」や光コラボの販売のほか、iPhoneの修理サービスを行うiCraked Storeを併設するなど多様なサービスを提供することで、店舗収益力の向上を図っている。

一方、法人向け事業の売上高は前期比13.3%増の23,147百万円と好調に推移した。企業のデジタルトランスフォーメーションへの取り組みが進むなか、クラウドサービスを導入する企業が増え、Amazon Web Seriviceのシステム構築やクラウド接続回線契約数が2ケタ増と高成長を持続したほか、システム受託開発の受注も引き続き旺盛に推移したことが要因だ。利益面でも増収効果により前期比4割増、金額で10億円程度の増益になったと見られる。

(3) CATV事業
CATV事業の売上高は前期比2.9%増の31,385百万円、営業利益は同1.4%増の5,024百万円となり、売上高は7期連続増収、営業利益は5期連続増益となり過去最高業績を更新している。放送・通信セット加入による割引サービスや、大手携帯キャリアとの連携によるスマートフォンセット割引に加え、地域に根差したコミュニティチャンネルの番組作りの強化等により新規顧客の獲得を進めるとともに、解約防止の取り組みを進めたことが増収増益につながっている。

期末顧客件数では放送サービスが前期末比73千件増の862千件、通信サービスが同18千件増の292千件と順調に拡大した。なお、顧客件数増加のうち60千件はM&A効果によるもので、2019年10月にシオヤから事業譲受した顧客3千件に加えて、2020年3月末に子会社化した仙台CATVの顧客57千件が加わっている。仙台CATVの業績については2020年3月期に含まれておらず、2021年3月期以降に寄与することになる。2019年3月期の業績実績で見れば、売上高で1,037百万円、営業利益で66百万円の規模となっている。

営業利益の増減要因を見ると、顧客件数の増加により2億円、顧客獲得維持コストの減少で1億円の増益要因となり、その他費用の増加2億円を吸収した。

(4) 建築及び不動産事業
建築及び不動産事業の売上高は前期比11.4%増の22,383百万円、営業利益は同31.0%増の2,116百万円と2ケタの増収増益となり、4期連続の増収増益となり過去最高を更新した。2019年9月に子会社化した日産工業の業績が売上高で約16億円、営業利益で約2億円の上乗せ要因となったが、既存事業についても設備機器の販売やリフォームなどの受注増加が増収増益要因となった。

(5) アクア事業
アクア事業の売上高は前期比5.9%増の7,416百万円、営業利益は同11.5%減の674百万円となった。大型商業施設等での顧客獲得に積極的に取り組んだことで、顧客件数が前期末比5千件増の161千件と増加し、売上高は連続増収が続いたものの、利益面では減益となった。

(6) その他・調整額
その他の売上高は前期比1.6%増の4,858百万円となった。内訳を見ると、介護事業は施設の利用者数増加に伴い同15.6%増の1,243百万円と増収基調が続き、造船事業は船舶修繕の工事量減少により同2.6%減の1,480百万円、婚礼催事事業は新型コロナウイルス感染症を懸念した催事・宴会の中止、婚礼挙式の延期などにより同8.0%減の1,359百万円となった。なお、内部調整額も含めた営業損失は社内共通費用の増加もあり5,271百万円(前期は4,916百万円の損失)と前期よりやや拡大している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)


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配信元: フィスコ
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