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【IRアナリストレポート】オーウイル(3143)

著者:鈴木 行生
投稿:2021/12/07 19:11

~業界トップの食品原料を有する商社、環境ビジネスも主力事業へ~

【ポイント】
・環境関連の大型シーリングファンは引き続き好調で、大きな伸びをみせている。新型コロナの影響はあるが、飲料関係の食品原料が好転している。販路の開拓もあって、アイスクリームの業績改善も見込める。

・実際、今期の2Qは大幅増益となり、会社計画は上方修正された。このペースで行くと下期も会社計画を上回ってこよう。会社計画の営業利益710百万円(前期比+32.1%)に対して、800百万円(同+49.0%)を予想する。2年ぶりにピーク利益を更新しよう。

・当社は、飲料用のビタミンC、缶コーヒーや製菓用の殺菌乳、飲料やデザート用のマンゴーピューレ・バナナピューレの取扱量で、民間企業として日本No.1、独自の専門性ときめ細かなサービスを特色とする提案型複合機能商社を実践している。

・最近は、食と環境のオーウイルに進化しつつある。物流倉庫などの大型施設で使われる大型シーリングファンが利益貢献を高めている。大型施設用のHVLS(大風量低速回転)ファンは、猛暑対策や省エネに加え、施設内の空気循環などコロナ対応にも寄与する。

・圧倒的な換気力と制音性で、用途も大型物流倉庫から、商業施設などへ広がりつつある。毎年の新設倉庫だけで7000台の潜在需要に相当するので、大きく飛躍しよう。今期はこの大型シーリングファン分野で、業界トップに躍進しつつある。

・昨年100%子会社のアクセルテックを新設し、電気工事業のメビウスを譲受した。小規模ながら同社をベースに、大型シーリングファンの設置工事の内製化を図る。これによって、受注獲得の競争力を高め、同時に付加価値の向上も見込めよう。

・新商材、人材投資、M&Aの具体化に力を入れている。目標である営業利益15億円に向けては、もう一段のレベルアップが求められるが、その路線作りに励んでいる。来期もピーク利益の更新が続こう。株価はかなり割安である。好業績と増配が期待できる安定好配当を反映して、株式市場での評価はさらに高まってこよう。

目次
1.特色 食品原料を軸に複合機能商社を志向
2.強み ビタミンC、殺菌乳、マンゴーピューレで業界トップクラス
3.中期経営方針 大型シーリングファンが主力ビジネスに成長
4.当面の業績 環境ビジネスの利益貢献が高まり、ピーク利益の更新が続こう
5.企業評価 引き続き安定した好配当利回りに注目

オーウイル <3143>
企業レーティング
株価
(2021年12月7日)
1107円
時価総額 34億円
(3150千株)
PBR 0.98倍
ROE 14.9%
PER 6.5倍
配当利回り 4.5%
総資産 10778百万円
純資産 3621百万円
自己資本比率 32.9%
BPS 1126.9円
(百万円、円)
決算期 売上高 営業利益 経常利益 税引き利益 EPS 配当
2012.3 26431 439 443 158 50.3 30.0
2013.3 27443 373 393 225 71.6 30.0
2014.3 27084 279 322 165 52.7 30.0
2015.3 27677 246 257 121 38.7 30.0
2016.3 27802 254 271 163 51.8 30.0
2017.3 28121 326 331 202 64.3 30.0
2018.3 31033 439 461 300 95.3 33.0
2019.3 31375 595 593 411 130.7 40.0
2020.3 32685 674 724 472 150.1 45.0
2021.3 29527 537 551 347 110.3 45.0
2022.3(予) 28000 800 810 540 171.4 50.0
2023.3(予) 29500 950 940 610 193.7 60.0

(2021.9ベース)
(注)ROE、PER、配当利回りは直近予想ベース。2008年7月に1:300の株式分割を実施。2008年3月期以前のEPS、配当は修正ベース。2011年3月期より連結ベース。
 
企業レーティングの定義:当該企業の、(1)経営者の経営力、(2)事業の成長力・持続力、(3)業績下方修正の可能性、という点から定性評価している。A:良好である、B:一定の努力を要する、C:相当の改善を要する、D:極めて厳しい局面にある、という4段階で示す。

レポート全文はこちらから
https://www.belletk.com/ouiru202112.pdf
 

日本ベル投資研究所の過去レポートはこちらから

配信元: みんかぶ株式コラム
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