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MonotaROのニュース
*16:34JST MRO Research Memo(4):パーソナライズチラシ配布により低頻度利用客の購買意欲を中期的目線で促進
■トピックス
1. monotaro.com事業の課題と対応
MonotaRO<3064>の売上高は、「注文顧客数」と「顧客当たり売上」に分解できる。「注文顧客数」に関しては、さらに「顧客数」と「アクティブ率」に分別される。「顧客数」に関しては、従来からの戦略どおりLTVの高い顧客を獲得・育成すべく取り組みを強化する。これまでもチラシや検索エンジンマーケティング(Search Engine Marketing=SEM)を通じて、ビッグデータの解析によりLTVのより高い顧客セグメントを標的に販促を行ってきたが、今後は商品カテゴリー視点を強化してさらに精度を上げる。「アクティブ率」に関しては、顧客層の中でも低頻度利用顧客(休眠顧客含む)の注文率の向上が課題となる。同社では、これまでのコミュニケーション・販促活動が新規顧客獲得とヘビーユーザー向けに偏っており、低頻度利用顧客に手薄であった。上期にはその対応の実証を行い、掲載内容をパーソナライズ化(個別の顧客ニーズにマッチさせる)したチラシを作成して送付することにより、効率的に再利用開始や利用増を促進できることがわかった。低頻度利用顧客の復活は新規顧客獲得よりもコスト面で効率的であり、十分効果が見込める。「顧客当たり売上」に関しては、「注文頻度」と「注文単価」に分かれる。「注文頻度」に関しては、パーソナライズチラシ配布が、その上昇率の低下傾向の対策にもなる。「注文単価」に関しては、昨年来の価格の見直し(3ヶ月毎に実施)により、注文商品種類数の減少などのネガティブな影響も見受けられる。同社では、商品仕入れ強化とともにターゲットとする粗利益維持を基本に、競合価格や需要の価格弾力性などを加味しながら最適な販売価格の提示を行う方針である。
2. 販管費の変動要因と今後の方針
2023年12月期第2四半期の実績では、販管費の抑制が営業利益の増加(計画比)に寄与した。まず、外部環境が変化した時期であり、主に価格見直し(物価高)による影響が一定程度あった。売上減に伴う物流関連人件費減や業務委託費減(上期で約1.7億円抑制)、値上げに伴う出荷箱数減(上期で約2.3億円抑制)などである。また、経営努力や工夫を行いつつ結果として抑制できた費用もある。物流設備修理・建物管理・外部倉庫費用等を見込んでいたが、トラブルなく開設・移行が完了したことで費用は削減された(上期で約3.7億円抑制)。また主にシステム関連でもシステム開発委託費やクラウドサービス費用などの適正化が実現した(上期で約4.5億円抑制)。なお、下期以降へ実施延期となった費用もある(上期で約1.1億円)。逆に、上期に計画以上に費用が発生した項目もある。既存顧客向けチラシ(パーソナライズチラシ)に上期約2.7億円増、アルバイト従業員への賞与支給に上期約1.7億円増などは、下期も継続して発生する投資・費用項目だろう。投資すべき分野(物流やシステム、LTVの高い販促、従業員処遇など)にしっかりと費用を投下し、抑制できるところは無駄使いをしない管理が行われている。2023年度下期も抑制基調ながら、メリハリをつけた柔軟な予算配分を行う計画である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
<AS>
1. monotaro.com事業の課題と対応
MonotaRO<3064>の売上高は、「注文顧客数」と「顧客当たり売上」に分解できる。「注文顧客数」に関しては、さらに「顧客数」と「アクティブ率」に分別される。「顧客数」に関しては、従来からの戦略どおりLTVの高い顧客を獲得・育成すべく取り組みを強化する。これまでもチラシや検索エンジンマーケティング(Search Engine Marketing=SEM)を通じて、ビッグデータの解析によりLTVのより高い顧客セグメントを標的に販促を行ってきたが、今後は商品カテゴリー視点を強化してさらに精度を上げる。「アクティブ率」に関しては、顧客層の中でも低頻度利用顧客(休眠顧客含む)の注文率の向上が課題となる。同社では、これまでのコミュニケーション・販促活動が新規顧客獲得とヘビーユーザー向けに偏っており、低頻度利用顧客に手薄であった。上期にはその対応の実証を行い、掲載内容をパーソナライズ化(個別の顧客ニーズにマッチさせる)したチラシを作成して送付することにより、効率的に再利用開始や利用増を促進できることがわかった。低頻度利用顧客の復活は新規顧客獲得よりもコスト面で効率的であり、十分効果が見込める。「顧客当たり売上」に関しては、「注文頻度」と「注文単価」に分かれる。「注文頻度」に関しては、パーソナライズチラシ配布が、その上昇率の低下傾向の対策にもなる。「注文単価」に関しては、昨年来の価格の見直し(3ヶ月毎に実施)により、注文商品種類数の減少などのネガティブな影響も見受けられる。同社では、商品仕入れ強化とともにターゲットとする粗利益維持を基本に、競合価格や需要の価格弾力性などを加味しながら最適な販売価格の提示を行う方針である。
2. 販管費の変動要因と今後の方針
2023年12月期第2四半期の実績では、販管費の抑制が営業利益の増加(計画比)に寄与した。まず、外部環境が変化した時期であり、主に価格見直し(物価高)による影響が一定程度あった。売上減に伴う物流関連人件費減や業務委託費減(上期で約1.7億円抑制)、値上げに伴う出荷箱数減(上期で約2.3億円抑制)などである。また、経営努力や工夫を行いつつ結果として抑制できた費用もある。物流設備修理・建物管理・外部倉庫費用等を見込んでいたが、トラブルなく開設・移行が完了したことで費用は削減された(上期で約3.7億円抑制)。また主にシステム関連でもシステム開発委託費やクラウドサービス費用などの適正化が実現した(上期で約4.5億円抑制)。なお、下期以降へ実施延期となった費用もある(上期で約1.1億円)。逆に、上期に計画以上に費用が発生した項目もある。既存顧客向けチラシ(パーソナライズチラシ)に上期約2.7億円増、アルバイト従業員への賞与支給に上期約1.7億円増などは、下期も継続して発生する投資・費用項目だろう。投資すべき分野(物流やシステム、LTVの高い販促、従業員処遇など)にしっかりと費用を投下し、抑制できるところは無駄使いをしない管理が行われている。2023年度下期も抑制基調ながら、メリハリをつけた柔軟な予算配分を行う計画である。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫)
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