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パシフィックネットのニュース
*12:48JST PCNET Research Memo(8):PC更新向け需要が本格化。「排出管理BPOサービス」をきっかけに取引拡大へ
■今後の見通し
パシフィックネット<3021>の2025年5月期の連結業績は、売上高7,800百万円(前期比12.7%増)、営業利益770百万円(同17.0%増)、経常利益735百万円(同15.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益477百万円(同10.4%増)と増収増益を見込む。主力であるITサブスクリプション事業にとって、2025年10月のWindows 10のサポート終了に伴う各企業や団体でのPC更新需要の本格化は、ITサブスクリプションサービスやLCMサービス等の強い追い風となる。同社はサブスクリプションビジネス拡大による成長ペースのさらなる加速を想定している。ITAD事業においても、企業などでのPC更新が進むことで使用済みPCの市場流入が増加し、特にサブスクリプション事業で使用していた高スペックPCが商材となることで売上・利益両面の増加を見込んでいる。現実的には、使用済みPC回収の本格化はPCの更新が進むタイミングより後になるが、それでも2025年5月期の業績面への寄与度は相応に高いと弊社では見ている。さらに同社はこのPC更新需要のタイミングを顧客との重要なタッチポイントとして、「排出管理BPOサービス」を提案する好機と捉えている。同サービスをクロスセルやアップセルのための重要なツールとして販売促進することで、サービス収益拡大につなげる考えだ。コミュニケーション・デバイス事業については国内団体旅行やインバウンド需要が拡大し、新規に取り組む企業の工場見学やイベント会社の開拓などが成果に結びつくことが期待される。
DXやセキュリティ対策などで企業のIT人材が慢性的に不足していることに加え、ハッカーの攻撃、スパイウェアの侵入などが多発しており、企業防衛の観点からも情報管理システムの運営が重要課題となっている。また、Windows 7のサポート終了時に更新したPCが2024年から更新時期を迎えていることに加え、既述のとおりWindows 10のサポート終了も2025年10月に控えている。このような事業環境の下、ITサブスクリプション事業はさらなる受注拡大を見込んでおり、前期同様、好調な受注状況は続くと見られる。
市場環境として、Windows 10のサポート終了に伴うサブスクリプションでのPC出荷台数を320万台程度と見込んでいる。2018年から2020年にWindows 7がサポート終了した際の入替出荷台数と比較すると大きく増加する公算だが、ITサブスクリプションの認知度が前回入替時よりも向上していることや、企業のIT人材不足や業務負担軽減ニーズの高まり等を勘案すれば、決して高い数字ではないと弊社では考えている。
同社は、予想されるマーケットの伸びをキャッチアップしていくためにサービス供給能力・体制の強化が不可欠であると考えている。2025年5月期も、そのための人材・システム・DX・設備などへの積極的な投資を進める。人材については、人的資本経営の強化に向けて、事業の柱となるIT部門の新規採用をはじめ、既存の従業員のリスキリングにも注力する考えだ。具体的には、生成AIに関する研修や各種e-ラーニングの実施等を計画している。システムやDXに関しては、システム化を通じた業務の効率化やDXによる業務プロセスの変革を通じ、付加価値向上を目指す。設備面では、従業員の増加を見据えた事業所の拡大等を検討する計画だ。
ITAD事業では、PC更新需要拡大と使用済みPC排出台数の増加にはタイムラグがあることから、本格的な業績回復は2025年5月期以降徐々に現れると見ている。「排出管理BPOサービス」は、複数の大手企業から受注を受け、商談も拡大している。今後は多数のPC更新需要を抱え、LCMの外部委託ニーズの高い大手企業を中心に、受注の増加や、ITサブスクリプションやLCMサービスとのクロスセル・アップセルなどによる取引拡大が見込まれる。
回収・データ消去サービスについては、業界唯一の上場企業として業界最高のセキュリティを提供する強みが生かされることになろう。また、「PCNET Auction」に関しては、高スペックで優良なリユース品のニーズが高く、会員となる法人も増加していることから、出品代行や品目増加などにより規模の拡大が期待できる。一方、市場価格が下落した低スペックPCについては、収益性を考慮しながら取り扱う方針だ。
また、コミュニケーション・デバイス事業については、国内・海外旅行のさらなる増加を見込んでおり、インバウンドや教育旅行などコロナ禍収束後(以下、アフターコロナ)における新たな需要も取り込む計画だ。アフターコロナにより各企業で工場見学の再開が進んでいるほか、各種観光やイベント等の増加も期待されるなか、イヤホンガイド需要を積極的に取り込んでいく。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
<SO>
パシフィックネット<3021>の2025年5月期の連結業績は、売上高7,800百万円(前期比12.7%増)、営業利益770百万円(同17.0%増)、経常利益735百万円(同15.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益477百万円(同10.4%増)と増収増益を見込む。主力であるITサブスクリプション事業にとって、2025年10月のWindows 10のサポート終了に伴う各企業や団体でのPC更新需要の本格化は、ITサブスクリプションサービスやLCMサービス等の強い追い風となる。同社はサブスクリプションビジネス拡大による成長ペースのさらなる加速を想定している。ITAD事業においても、企業などでのPC更新が進むことで使用済みPCの市場流入が増加し、特にサブスクリプション事業で使用していた高スペックPCが商材となることで売上・利益両面の増加を見込んでいる。現実的には、使用済みPC回収の本格化はPCの更新が進むタイミングより後になるが、それでも2025年5月期の業績面への寄与度は相応に高いと弊社では見ている。さらに同社はこのPC更新需要のタイミングを顧客との重要なタッチポイントとして、「排出管理BPOサービス」を提案する好機と捉えている。同サービスをクロスセルやアップセルのための重要なツールとして販売促進することで、サービス収益拡大につなげる考えだ。コミュニケーション・デバイス事業については国内団体旅行やインバウンド需要が拡大し、新規に取り組む企業の工場見学やイベント会社の開拓などが成果に結びつくことが期待される。
DXやセキュリティ対策などで企業のIT人材が慢性的に不足していることに加え、ハッカーの攻撃、スパイウェアの侵入などが多発しており、企業防衛の観点からも情報管理システムの運営が重要課題となっている。また、Windows 7のサポート終了時に更新したPCが2024年から更新時期を迎えていることに加え、既述のとおりWindows 10のサポート終了も2025年10月に控えている。このような事業環境の下、ITサブスクリプション事業はさらなる受注拡大を見込んでおり、前期同様、好調な受注状況は続くと見られる。
市場環境として、Windows 10のサポート終了に伴うサブスクリプションでのPC出荷台数を320万台程度と見込んでいる。2018年から2020年にWindows 7がサポート終了した際の入替出荷台数と比較すると大きく増加する公算だが、ITサブスクリプションの認知度が前回入替時よりも向上していることや、企業のIT人材不足や業務負担軽減ニーズの高まり等を勘案すれば、決して高い数字ではないと弊社では考えている。
同社は、予想されるマーケットの伸びをキャッチアップしていくためにサービス供給能力・体制の強化が不可欠であると考えている。2025年5月期も、そのための人材・システム・DX・設備などへの積極的な投資を進める。人材については、人的資本経営の強化に向けて、事業の柱となるIT部門の新規採用をはじめ、既存の従業員のリスキリングにも注力する考えだ。具体的には、生成AIに関する研修や各種e-ラーニングの実施等を計画している。システムやDXに関しては、システム化を通じた業務の効率化やDXによる業務プロセスの変革を通じ、付加価値向上を目指す。設備面では、従業員の増加を見据えた事業所の拡大等を検討する計画だ。
ITAD事業では、PC更新需要拡大と使用済みPC排出台数の増加にはタイムラグがあることから、本格的な業績回復は2025年5月期以降徐々に現れると見ている。「排出管理BPOサービス」は、複数の大手企業から受注を受け、商談も拡大している。今後は多数のPC更新需要を抱え、LCMの外部委託ニーズの高い大手企業を中心に、受注の増加や、ITサブスクリプションやLCMサービスとのクロスセル・アップセルなどによる取引拡大が見込まれる。
回収・データ消去サービスについては、業界唯一の上場企業として業界最高のセキュリティを提供する強みが生かされることになろう。また、「PCNET Auction」に関しては、高スペックで優良なリユース品のニーズが高く、会員となる法人も増加していることから、出品代行や品目増加などにより規模の拡大が期待できる。一方、市場価格が下落した低スペックPCについては、収益性を考慮しながら取り扱う方針だ。
また、コミュニケーション・デバイス事業については、国内・海外旅行のさらなる増加を見込んでおり、インバウンドや教育旅行などコロナ禍収束後(以下、アフターコロナ)における新たな需要も取り込む計画だ。アフターコロナにより各企業で工場見学の再開が進んでいるほか、各種観光やイベント等の増加も期待されるなか、イヤホンガイド需要を積極的に取り込んでいく。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
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