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*15:14JST クリアル Research Memo(4):主力の「CREAL」は1万円から投資可能、不動産投資の民主化を実現(2)
■クリアル<2998>の事業内容と特長
2. 各サービスの特長
「CREAL」「CREAL PB」「CREAL PRO」の各サービスの特長は以下のとおりである。
(1) 「CREAL」
クラウドファンディングを活用した、個人投資家向けの不動産ファンドオンラインマーケットサービスで、1万円から資産運用ができる。余剰資金を短期的(5年以内)に運用する目的での投資にマッチしている。岸田政権下において「資産所得倍増計画」「貯蓄から投資へ」と謳われているが、円ベースの運用かつ短期で、4~5%内外の利回り獲得を期待できる運用商品は少なく、市場としても追い風にあると言える。同サービスでは、資産運用のプロが運営していること、保育園などESG不動産からレジデンス、ホテル、オフィスと多様な不動産へ投資できることが、競合との大きな差別化要素となっている。「CREAL」の売上総利益はGMV × Take Rate※から成り立っており、GMVの伸長が同サービスの利益拡大に大きく寄与する収益構造となっている。
※GMVに対して運営企業が得られる収益の比率。
「CREAL」では、同社があらかじめ設定した想定配当利回りをリターン目標として、投資家が1口1万円から様々な不動産へ投資することができ、投資家登録から投資実行に至るまですべてオンラインで完結する。投資後の物件の管理から運用、そして売却に至る運用プロセスについては、高度な不動産投資ノウハウとIT技術によって高度化された投資システムを有する同社に一任でき、投資家は手間や時間、高度な知識を要することなく不動産投資運用が可能となる。
「CREAL」の業務の流れは以下のとおりである。
1) 物件供給を行う業務提携契約締結先の会社、ホテルや保育園の運営者、仲介会社等から収集した投資物件情報からスクリーニングを行い、投資適格物件の選定を行う。最近では、「CREAL」プラットフォームの認知度の向上により、これまで取引関係のない事業者からの持ち込み案件も増加し、案件の豊富さが加速している。
2) 同社が選定した投資適格物件についてファンドの組成を行い、不動産ファンドオンラインマーケット「CREAL」上に公開する。
3) 投資家は掲載されたファンド情報及びファンドに応じて設定された利回りを考慮のうえ、投資金額を決定する。
4) ファンドが成立した場合には、同社が「CREAL」で募集して投資された資金、及び同社による劣後出資金を用いて対象不動産を売主より購入する。その際、同社はファンド組成費用として一定の手数料(アップフロント・フィー)を受領する。
5) ファンド運用期間中に不動産を賃貸することにより賃借人から得られる賃料を基にして、投資家へ配当を行う。その際、同社はファンド運用期間中の管理手数料(アセットマネジメント・フィー)を受領する。
6) ファンド運用終了時に不動産を売却することにより得られた売却代金を基にして、投資家へ最終配当及び元本償還を行う。ファンド運用終了時に同社は不動産売却手数料(エグジット・フィー)を受領し、さらに物件を売却して利益が生じた場合には、当該売却利益またはその一部(プロフィット・シェア)を受領する。
「CREAL」では、「情報の透明性」を重要視しており、募集金額や想定利回り(インカムゲイン、キャピタルゲイン内訳)、想定運用期間、想定初回配当日、投資対象の不動産についての詳細情報や、運営者へのインタビュー動画を商品案内ページに掲載している。また、対象となる不動産の概要や所在地の明示のみならず、プロジェクトについての投資リスクの内容とその手当のほか、不動産価格調査報告やエンジニアリングレポート等の専門家の第三者レポートも開示している。加えて、物件の運営者の概要・投資対象が所在するエリアや市場のマクロマーケットの概況、投資リターンの参考となる類似物件の賃貸事例や売却事例の提示のほか、ファンドにおける調達資金とその使途、投資リターンのシミュレーション、投資後の毎月のプロジェクト進捗報告をまとめたモニタリングレポートの提供も行っている。
「CREAL」はサービス開始以来、世の中にとって必要な不動産であるにもかかわらず、資金供給が難しいとされてきた保育園や学校、地方創生関連などのESG不動産領域の投資案件創出にも注力してきた。ESG不動産は投資規模が小さく資産運用対象としての実績に乏しいため、これまでは機関投資家から注目されにくいという課題があった。同社では「CREAL」のクラウドファンディングを活用して、個人投資家からの投資資金を供給するパイプ・インターフェースとしての役割を果たし、社会性と投資商品性の両立に成功している。「CREAL」における初めてのESG不動産への投資は2019年4月で、対象は東京都豊島区駒込に所在する保育園であった。以降は教育分野、地方創生分野、既存建築物の有効活用等で実績を積み重ね、「CREAL」におけるESG不動産への投資実績は50億円を超える(2023年3月末時点)。
これらのESG不動産への投資実績は、同社がSDGsを重要視した経営方針であることを明示していると言える。ESG企業としてこのようなコンセプトで主力サービスを展開し、良好な運用実績とともに個人を含む幅広い投資家の支持を得て成功している資産運用支援企業は希少であると弊社では見ている。同社及び「CREAL」の特長の1つであり、大きな魅力となっている。
また、投資家保護の観点から、出資持分を優先部分と同社の出資による劣後部分に分けている。「CREAL」の投資家は優先部分に出資し、同社が出資する劣後部分よりも優先的に配当等を受け取る仕組みを構築することで、想定どおりに収益が生じなかった場合のリスクを同社が劣後出資額を上限として負担する。同社が劣後出資で顧客投資家とともに投資することは、優先部分への配当及び元本償還等の確実性を高め、顧客投資家の安心感を醸成し、同社への信頼を高める大きな要素となっている。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
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2. 各サービスの特長
「CREAL」「CREAL PB」「CREAL PRO」の各サービスの特長は以下のとおりである。
(1) 「CREAL」
クラウドファンディングを活用した、個人投資家向けの不動産ファンドオンラインマーケットサービスで、1万円から資産運用ができる。余剰資金を短期的(5年以内)に運用する目的での投資にマッチしている。岸田政権下において「資産所得倍増計画」「貯蓄から投資へ」と謳われているが、円ベースの運用かつ短期で、4~5%内外の利回り獲得を期待できる運用商品は少なく、市場としても追い風にあると言える。同サービスでは、資産運用のプロが運営していること、保育園などESG不動産からレジデンス、ホテル、オフィスと多様な不動産へ投資できることが、競合との大きな差別化要素となっている。「CREAL」の売上総利益はGMV × Take Rate※から成り立っており、GMVの伸長が同サービスの利益拡大に大きく寄与する収益構造となっている。
※GMVに対して運営企業が得られる収益の比率。
「CREAL」では、同社があらかじめ設定した想定配当利回りをリターン目標として、投資家が1口1万円から様々な不動産へ投資することができ、投資家登録から投資実行に至るまですべてオンラインで完結する。投資後の物件の管理から運用、そして売却に至る運用プロセスについては、高度な不動産投資ノウハウとIT技術によって高度化された投資システムを有する同社に一任でき、投資家は手間や時間、高度な知識を要することなく不動産投資運用が可能となる。
「CREAL」の業務の流れは以下のとおりである。
1) 物件供給を行う業務提携契約締結先の会社、ホテルや保育園の運営者、仲介会社等から収集した投資物件情報からスクリーニングを行い、投資適格物件の選定を行う。最近では、「CREAL」プラットフォームの認知度の向上により、これまで取引関係のない事業者からの持ち込み案件も増加し、案件の豊富さが加速している。
2) 同社が選定した投資適格物件についてファンドの組成を行い、不動産ファンドオンラインマーケット「CREAL」上に公開する。
3) 投資家は掲載されたファンド情報及びファンドに応じて設定された利回りを考慮のうえ、投資金額を決定する。
4) ファンドが成立した場合には、同社が「CREAL」で募集して投資された資金、及び同社による劣後出資金を用いて対象不動産を売主より購入する。その際、同社はファンド組成費用として一定の手数料(アップフロント・フィー)を受領する。
5) ファンド運用期間中に不動産を賃貸することにより賃借人から得られる賃料を基にして、投資家へ配当を行う。その際、同社はファンド運用期間中の管理手数料(アセットマネジメント・フィー)を受領する。
6) ファンド運用終了時に不動産を売却することにより得られた売却代金を基にして、投資家へ最終配当及び元本償還を行う。ファンド運用終了時に同社は不動産売却手数料(エグジット・フィー)を受領し、さらに物件を売却して利益が生じた場合には、当該売却利益またはその一部(プロフィット・シェア)を受領する。
「CREAL」では、「情報の透明性」を重要視しており、募集金額や想定利回り(インカムゲイン、キャピタルゲイン内訳)、想定運用期間、想定初回配当日、投資対象の不動産についての詳細情報や、運営者へのインタビュー動画を商品案内ページに掲載している。また、対象となる不動産の概要や所在地の明示のみならず、プロジェクトについての投資リスクの内容とその手当のほか、不動産価格調査報告やエンジニアリングレポート等の専門家の第三者レポートも開示している。加えて、物件の運営者の概要・投資対象が所在するエリアや市場のマクロマーケットの概況、投資リターンの参考となる類似物件の賃貸事例や売却事例の提示のほか、ファンドにおける調達資金とその使途、投資リターンのシミュレーション、投資後の毎月のプロジェクト進捗報告をまとめたモニタリングレポートの提供も行っている。
「CREAL」はサービス開始以来、世の中にとって必要な不動産であるにもかかわらず、資金供給が難しいとされてきた保育園や学校、地方創生関連などのESG不動産領域の投資案件創出にも注力してきた。ESG不動産は投資規模が小さく資産運用対象としての実績に乏しいため、これまでは機関投資家から注目されにくいという課題があった。同社では「CREAL」のクラウドファンディングを活用して、個人投資家からの投資資金を供給するパイプ・インターフェースとしての役割を果たし、社会性と投資商品性の両立に成功している。「CREAL」における初めてのESG不動産への投資は2019年4月で、対象は東京都豊島区駒込に所在する保育園であった。以降は教育分野、地方創生分野、既存建築物の有効活用等で実績を積み重ね、「CREAL」におけるESG不動産への投資実績は50億円を超える(2023年3月末時点)。
これらのESG不動産への投資実績は、同社がSDGsを重要視した経営方針であることを明示していると言える。ESG企業としてこのようなコンセプトで主力サービスを展開し、良好な運用実績とともに個人を含む幅広い投資家の支持を得て成功している資産運用支援企業は希少であると弊社では見ている。同社及び「CREAL」の特長の1つであり、大きな魅力となっている。
また、投資家保護の観点から、出資持分を優先部分と同社の出資による劣後部分に分けている。「CREAL」の投資家は優先部分に出資し、同社が出資する劣後部分よりも優先的に配当等を受け取る仕組みを構築することで、想定どおりに収益が生じなかった場合のリスクを同社が劣後出資額を上限として負担する。同社が劣後出資で顧客投資家とともに投資することは、優先部分への配当及び元本償還等の確実性を高め、顧客投資家の安心感を醸成し、同社への信頼を高める大きな要素となっている。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)
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