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北の達人コーポレーションのニュース
■成長戦略
北の達人コーポレーション<2930>は具体的な中期経営計画を公表していないが、これまでの戦略を振り返ると、売上高よりも利益を重視する方針のもと、基本的にはニッチトップを狙った商品を十分なテストマーケティングを行った上で毎期コンスタントにリリースするとともに、効果的な広告宣伝費の投入により着実に需要を積み上げる戦略を実践してきた。特に、競合の少ないニッチなマーケットにおいて1商品10億円~20億円の商品を複数展開することで利益率の高いビジネスを行い、合計100億円の事業規模を目指してきた。その結果、2020年2月期の売上高は100億円を突破し、営業利益率も高い水準を維持することができ、当初の目標を達成することができた。今後は、市場の大きなマスマーケットにおいて1商品50億円~100億円規模を複数展開し、高利益率を維持したまま、将来的には売上高1,000億円、営業利益300億円を目指す戦略を描いている。具体的には、「刺す化粧品」シリーズのような新たな市場の創出に加え、オールインワンゲルやシャンプーなど市場の大きなカテゴリーをイメージしているようだ。その背景には、1)ニッチマーケット及びトップシェアによらずとも高い利益率を維持できるスキルや、2)1商品で40億円~50億円の事業を作るノウハウが身についてきたことに加え、3)これまで対象としてきたニッチマーケットでは成長余地に限界が生まれることへの課題意識がある。したがって、組織能力や事業基盤に対する手応えと成長加速への意欲を反映したものと評価できる。一方、海外展開についても、すでに黒字化している台湾事業の拡大をはじめ、さらなる拡充を視野に入れており、水平展開を行いやすいインターネット販売に特化して推進する方針である。特に、Google、Yahoo! JAPAN、Facebook、Twitter、Criteo、Amazonなどプラットフォーム上での販売戦略を進めているようだ。
弊社でも、長期目線(8~10年スパン)で年率30%成長を続けていくことを前提とすれば、売上高1,000億円については十分に到達できる水準であり、同社はそのポテンシャルを有していると評価している。もちろん、そのためには、市場の大きなマスマーケットや海外への展開は不可欠な戦略テーマであり、今回の方針転換は理にかなったものとみている。特に、「ヒアロディープパッチ」のような市場創造型のヒット商品はもちろん、市場の大きなマスマーケットの一角で存在感(独自性)を示す商品を15~20個積み上げていけば、おのずと売上高1,000億円は見えてくるものと捉えている。また、そうなってくれば、規模の経済を活かし、同社主導型の大型M&Aも十分に取り得る戦略であり、規模拡大のスピードがさらに速まる可能性もあろう。もちろん、「化粧品」や「マスマーケット」については、これまでの「健康食品」や「ニッチマーケット」とは違った難しさがあることから、いかに同社らしさを失わずに進化を図っていくのか、そこが経営手腕の見せどころと言えよう。その意味でも、今回の課題を解決し、来期以降の成長に向けた基盤づくりをしっかりと行っていくことが重要な試金石とも言え、この1年間の活動の成果にも注目したい。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
<ST>
北の達人コーポレーション<2930>は具体的な中期経営計画を公表していないが、これまでの戦略を振り返ると、売上高よりも利益を重視する方針のもと、基本的にはニッチトップを狙った商品を十分なテストマーケティングを行った上で毎期コンスタントにリリースするとともに、効果的な広告宣伝費の投入により着実に需要を積み上げる戦略を実践してきた。特に、競合の少ないニッチなマーケットにおいて1商品10億円~20億円の商品を複数展開することで利益率の高いビジネスを行い、合計100億円の事業規模を目指してきた。その結果、2020年2月期の売上高は100億円を突破し、営業利益率も高い水準を維持することができ、当初の目標を達成することができた。今後は、市場の大きなマスマーケットにおいて1商品50億円~100億円規模を複数展開し、高利益率を維持したまま、将来的には売上高1,000億円、営業利益300億円を目指す戦略を描いている。具体的には、「刺す化粧品」シリーズのような新たな市場の創出に加え、オールインワンゲルやシャンプーなど市場の大きなカテゴリーをイメージしているようだ。その背景には、1)ニッチマーケット及びトップシェアによらずとも高い利益率を維持できるスキルや、2)1商品で40億円~50億円の事業を作るノウハウが身についてきたことに加え、3)これまで対象としてきたニッチマーケットでは成長余地に限界が生まれることへの課題意識がある。したがって、組織能力や事業基盤に対する手応えと成長加速への意欲を反映したものと評価できる。一方、海外展開についても、すでに黒字化している台湾事業の拡大をはじめ、さらなる拡充を視野に入れており、水平展開を行いやすいインターネット販売に特化して推進する方針である。特に、Google、Yahoo! JAPAN、Facebook、Twitter、Criteo、Amazonなどプラットフォーム上での販売戦略を進めているようだ。
弊社でも、長期目線(8~10年スパン)で年率30%成長を続けていくことを前提とすれば、売上高1,000億円については十分に到達できる水準であり、同社はそのポテンシャルを有していると評価している。もちろん、そのためには、市場の大きなマスマーケットや海外への展開は不可欠な戦略テーマであり、今回の方針転換は理にかなったものとみている。特に、「ヒアロディープパッチ」のような市場創造型のヒット商品はもちろん、市場の大きなマスマーケットの一角で存在感(独自性)を示す商品を15~20個積み上げていけば、おのずと売上高1,000億円は見えてくるものと捉えている。また、そうなってくれば、規模の経済を活かし、同社主導型の大型M&Aも十分に取り得る戦略であり、規模拡大のスピードがさらに速まる可能性もあろう。もちろん、「化粧品」や「マスマーケット」については、これまでの「健康食品」や「ニッチマーケット」とは違った難しさがあることから、いかに同社らしさを失わずに進化を図っていくのか、そこが経営手腕の見せどころと言えよう。その意味でも、今回の課題を解決し、来期以降の成長に向けた基盤づくりをしっかりと行っていくことが重要な試金石とも言え、この1年間の活動の成果にも注目したい。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)
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