ワッツのニュース
~ワッツブランドの本格展開に続いて、次なる事業再構築に着手~
【ポイント】
・3年前に開始した‘ワッツ’ブランドの100円ショップは、白を基調にしたきれいな店で、2018年5月末で391店(この3Q累計で+134店)に拡大した。低コストで展開できるWatts with(ワッツウィズ)ブランドがピッチを上げている。ワッツブランドの新規出店は続くが、ここからは選別的な展開となろう。
・収益の動向をみると、ワッツブランドは順調であるが、既存店において、人件費や家賃の上昇が負担となっている。このコストアップをいかに克服していくか。パート・アルバイト人材の確保が難しくなっている店舗も出ている。出退店を見極めて、従来よりも厳しい基準で早めに手を打って、収益性を確保していく必要がある。2019年8月期は、ここへの対応が最重点施策となろう。
・海外ビジネスは、2018年8月期で黒字化しよう。翌期も増益を確保できるので順調である。現地の直営、合弁を見直し、海外向け卸売りが増加していることによる。海外売上比率は全社の6%を超えてこよう。
・心地よい生活を提案する雑貨店,ブォーナ・ビィータは赤字が縮小しているが、まだ手を打つ必要がある。好立地への展開ができるようになったが、既存店が前年同期を下回っており、収益性の改善に向けたフォーマットの見直しを進めている。
・デンマークのソストレーネ・グレーネと組んで、北欧雑貨のスペシャリティストアに参入、表参道、お台場のダイバーシティ東京プラザ、吉祥寺の丸井、愛知県日進市の赤池へと展開している。MD(商品政策)など日本に合った調整を進め、赤池の4店目は好スタートを切った。2019年8月期は4店の出店を検討している。
・100円ショップでいかに差別化を発揮していくか。小回りのきく店舗展開に優位性があり、委託販売でも強みを活かすように展開している。それでも人件費、家賃などのコスト負担が吸収できない店舗は早めに退店することになろう。これまでよりも退店数は増えてこよう。それを収益性の改善に結び付けられるか、そのマネジメントが問われている。2019年8月期は増益に転換できようが、次なる構造改革に注目したい。
目 次
1.特色 規模では業界4位ながら、低コスト経営で小回りがきく存在
2.強み 迅速な出退店と独自の店舗オペレーションで収益力を発揮
3.中期計画 ワッツブランドによる店舗フォーマットの転換が進展
4.当面の業績 人材確保、店舗運営費の上昇が負担に
5.企業評価 収益源の多様化に挑戦中
企業レーティング | B |
---|---|
株価 (18年7月19日) |
1062円 |
時価総額 | 148億円 (13.96百万株) |
PBR | 1.40倍 |
ROE | 6.9% |
PER | 20.3倍 |
配当利回り | 1.4% |
総資本 | 20289百万円 |
純資産 | 10272百万円 |
自己資本比率 | 51.4% |
BPS | 758.3円 |
決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 | EPS | 配当 |
---|---|---|---|---|---|---|
2009.8 | 33074 | 1116 | 911 | 564 | 45.6 | 5.0 |
2010.8 | 34634 | 1325 | 1542 | 726 | 58.7 | 10.0 |
2011.8 | 38188 | 1817 | 1985 | 1018 | 81.9 | 12.5 |
2012.8 | 40759 | 2056 | 2055 | 1177 | 93.3 | 15.0 |
2013.8 | 41725 | 2074 | 2075 | 1123 | 88.6 | 17.0 |
2014.8 | 43573 | 1784 | 1799 | 948 | 70.0 | 17.0 |
2015.8 | 44462 | 1257 | 1263 | 700 | 51.7 | 17.0 |
2016.8 | 46176 | 1205 | 1193 | 718 | 53.0 | 15.0 |
2017.8 | 47494 | 1209 | 1272 | 839 | 62.0 | 15.0 |
2018.8(予) | 50000 | 1150 | 1190 | 710 | 52.4 | 15.0 |
2019.8(予) | 52500 | 1250 | 1300 | 780 | 57.5 | 15.0 |
(18.5ベース)
(注)ROE、PER、配当利回りは今期予想ベース。2013年3月1日で1:2の株式分割。それ以前のEPS、配当は修正ベース。2013.8期、2014.8期の配当は、東証2部、1部への変更記念配2円、2015.8期の配当は創業20周年の記念配2円を含む。
企業レーティングの定義:当該企業の、(1)経営者の経営力、(2)事業の成長力・持続力、(3)業績下方修正の可能性、という点から定性評価している。A:良好である、B:一定の努力を要する、C:相当の改善を要する、D:極めて厳しい局面にある、という4段階で示す。
レポート全文はこちらから
http://www.belletk.com/waltutu201807.pdf
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