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日本和装 Research Memo(5):財政状況は堅固、手元の現金及び預金は26億円超と豊富

配信元:フィスコ
投稿:2022/11/21 16:35
■業績動向

2. 財政状況
日本和装ホールディングス<2499>の2022年12月期第2四半期末の資産合計は前期末比217百万円減少して8,740百万円となった。主な要因は現金及び預金の減少227百万円、営業未収入金の増加38百万円、割賦売掛金の増加27百万円、投資その他資産の減少36百万円などであった。このうち割賦売掛金は、加盟店が顧客に販売した際に、子会社のニチクレ(株)が割賦販売を斡旋した取引の残高である。

負債合計は前期末比271百万円減少して5,390百万円となった。主な要因は短期借入金の減少280百万円、前受金(契約負債)の減少17百万円、長期借入金の増加196百万円などであった。

純資産合計は前期末比53百万円増加して3,350百万円となった。主な増加要因は親会社株主に帰属する四半期純利益の計上による利益剰余金の増加37百万円などであった。この結果、2022年12月期第2四半期末の自己資本比率は同1.5ポイント上昇して38.3%となった。

3. キャッシュ・フローの状況
2022年12月期第2四半期の営業活動によるキャッシュ・フローは42百万円の支出であった。主な収入は税金等調整前四半期純利益230百万円、減価償却費15百万円、営業預り金の増加29百万円などで、主な支出は割賦売掛金の増加27百万円、営業未収入金の増加35百万円などであった。投資活動によるキャッシュ・フローは24百万円の支出で、主に定期預金の預入5百万円、無形固定資産の取得9百万円などであった。財務活動によるキャッシュ・フローは174百万円の支出であったが、主に短期借入金の減少45百万円、配当金の支払額90百万円などであった。

この結果、期中の現金及び現金同等物は234百万円減少し、2022年12月期第2四半期末残高は2,425百万円となったものの、第2四半期末時点で割賦売掛金の残高は4,957百万円(同27百万円増)である。

4. 主なトピックス
(1) 付加価値の高いイベント・ツアー企画
着付けを身につけた卒業生を対象に、付加価値の高いイベントや産地ツアーなどを企画した。普段は見られない特別な場所への訪問や、新たな作家や職人との出会いなど、産地や職人を守るためのイベント・ツアーの実施に積極的に取り組んだ。一例を挙げると、「京都ツアー」では「五感で楽しむ京の旅」をテーマに、加盟店ゆかりの工房や建造物などを特別に見学したほか、観光やグルメなど初夏の京都を堪能した。「キモノの次世代への挑戦」では、20~40代の新進気鋭の作家8名が京都でディスカッション及び販売会を開催し、未来の担い手を応援する機会にもなった。「はかた匠工芸ツアー」では、博多織と久留米絣それぞれの工房見学で、熟練職人の卓越した伝統技術や織の素晴らしさを見学した。

(2) プライベートブランド「SOUCOLE」
「SOUCOLE」は、加賀、琉球、伊那、十日町などの産地職人と同社がタッグを組み、共同開発・製作したプライベートブランド商品である。すべての商品にシリアルナンバーを付けたオリジナルの1点もので、同色・同柄のものは存在しない。また、全国各地で「ニッポンのモノづくり再発見講座」を開催し、職人たちの技術と同社の思いが結集した「SOUCOLE」ブランドを紹介している。

(3) 同社最大のきものの祭典「遊々会」「縁の会」
2022年5月中旬から9月にかけて全国23会場で「遊々会」「縁の会」を開催しており、8月末現在で2,000名超が来場した。このうち、6月に東京・恵比寿ガーデンプレイスで開催した「遊々会」には6日間で680名が来場するなど好評を得ている。2022年のテーマは、「顧客(消費者)や加盟店に『希望』を持ってもらいたい、きもので笑顔を増やしたい」という思いから「希望」とし、会場では職人たちを応援する「新しいモノづくり基金」企画も実施した。

(4) 「浴衣の着付け」出前授業を無償で提供
同社は、中学・高校生向けに「浴衣の着付け」出前授業を無償で提供している。浴衣を着付けるという体験をとおして、きもの文化に関心を持ってもらうプログラムとなっており、きものについて学べるオリジナル冊子も進呈している。着付けの指導には同社講師のほかに卒業生も参加し、2022年は8ヶ所(8月時点)で実施した。「実体験を伴った授業ができてとてもありがたい」と、学校の教師からも好評を得ている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)

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配信元: フィスコ
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