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博報堂DYホールディングスのニュース
*13:02JST ブランディング Research Memo(2):中小・地方企業のブランディングやデジタルシフトを支援
■会社概要
1. 会社概要
ブランディングテクノロジー<7067>は、中堅・中小企業や地方企業を対象に、ブランディングやデジタルマーケティング、デジタルシフトを支援している。電通グループ<4324>をはじめとする総合大手広告代理店や大手インターネット広告代理店も同様の事業を手掛けているが、上場企業などの大手企業を対象に事業展開しており、中堅・中小企業や地方企業を顧客基盤とはしていないことが多い。というのも、中小・地方企業は大手企業に比べて人材や資金の制約が多いことに加え、「ブランド」に対する認識が相対的に低いことは否めず、中小・地方企業にブランディングなどを支援する際は、ブランドとは何かから始まり、ブランドを構築することの重要性を説き、ともにブランド戦略を練り上げ、ブランドが浸透するよう効率的なマーケティング戦略まで支援するなど、より丁寧できめ細かい作業が必要なため収益化しづらいと言われているからである。一方同社は、独自のデータベースから業界別に成功パターンを導き出しノウハウを体系化することで、中小・地方企業のブランディング支援を収益化することに成功している。
医療・美容外科向けマーケティングリサーチ支援を開始
2. 沿革
同社は2001年8月、歯科医院専門のポータルサイト「歯科タウンドットコム」の運営・販売を目的に「有限会社フリーセル」として設立された。2006年4月には、Webコンサルティング事業に進出し、Webサイトの問題調査や原因分析、改善策の提案などのソリューションを提供するようになった。これが、主軸のブランド事業の起源となる。また、2006年から2007年にかけてグーグル(同)(米Google LLCの日本法人)及びヤフー(株)と代理店契約を締結し、広告代理店事業に進出した。こちらは、現在のデジタルマーケティング事業につながっている。2012年にWebサイト回りのソリューション(Webサイトの制作、保守、ソフトウェア開発)を目的に、ベトナムに子会社FREESAL EVIETNAM CO.,LTD.(現VIETRY CO.,LTD.)を設立、2013年には(株)アザナを設立して沖縄でのマーケティング支援を本格化した。2018年11月に商号を現社名のブランディングテクノロジー株式会社に変更し、2019年6月には東京証券取引所(以下、東証)マザーズ市場に上場、2022年4月には東証の市場再編に伴い東証グロース市場へ移行した。直近では2023年2月に、品川美容外科などを運営する医療法人社団翔友会と資本業務提携し、医療・美容外科向けマーケティングリサーチ支援サービスを開始している。
ビジネスチャンスとなっている中堅・中小企業のデジタル化
3. 事業環境
同社が主要事業領域としている国内インターネット広告市場は、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)を経てなお伸びを続けている。なかでも広告制作費や物販系ECプラットフォームを除いたインターネット広告媒体費の伸びは、動画広告やソーシャル広告の伸びに牽引されて大きく伸長した。一方、デジタル化が遅れ、国際的に生産性が低いと言われる中堅・中小企業においても、コロナ禍を機にデジタル化に積極的に取り組む企業が多くなってきた。このため、中堅・中小企業のデジタル化はビジネスチャンスとなっており、同社にとって追い風は強まったということができる。
このような業界動向を予見する動きとして、インターネット広告業界の同社周辺で、同社同様に中堅・中小企業をターゲットとするデジタルマーケティング企業を巨大企業が取り込む再編が起きている。例えば、2021年6月にソフトバンク<9434>がイーエムネットジャパン<7036>をTOBによって子会社化、2022年5月には博報堂DYホールディングス<2433>がソウルドアウト(株)を子会社化し、ソウルドアウトは上場廃止となった。これらの再編により、従来競合であったソウルドアウトやイーエムネットジャパンは親会社の業務を請け負う可能性があり、市場の競争緩和につながると考えられている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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1. 会社概要
ブランディングテクノロジー<7067>は、中堅・中小企業や地方企業を対象に、ブランディングやデジタルマーケティング、デジタルシフトを支援している。電通グループ<4324>をはじめとする総合大手広告代理店や大手インターネット広告代理店も同様の事業を手掛けているが、上場企業などの大手企業を対象に事業展開しており、中堅・中小企業や地方企業を顧客基盤とはしていないことが多い。というのも、中小・地方企業は大手企業に比べて人材や資金の制約が多いことに加え、「ブランド」に対する認識が相対的に低いことは否めず、中小・地方企業にブランディングなどを支援する際は、ブランドとは何かから始まり、ブランドを構築することの重要性を説き、ともにブランド戦略を練り上げ、ブランドが浸透するよう効率的なマーケティング戦略まで支援するなど、より丁寧できめ細かい作業が必要なため収益化しづらいと言われているからである。一方同社は、独自のデータベースから業界別に成功パターンを導き出しノウハウを体系化することで、中小・地方企業のブランディング支援を収益化することに成功している。
医療・美容外科向けマーケティングリサーチ支援を開始
2. 沿革
同社は2001年8月、歯科医院専門のポータルサイト「歯科タウンドットコム」の運営・販売を目的に「有限会社フリーセル」として設立された。2006年4月には、Webコンサルティング事業に進出し、Webサイトの問題調査や原因分析、改善策の提案などのソリューションを提供するようになった。これが、主軸のブランド事業の起源となる。また、2006年から2007年にかけてグーグル(同)(米Google LLCの日本法人)及びヤフー(株)と代理店契約を締結し、広告代理店事業に進出した。こちらは、現在のデジタルマーケティング事業につながっている。2012年にWebサイト回りのソリューション(Webサイトの制作、保守、ソフトウェア開発)を目的に、ベトナムに子会社FREESAL EVIETNAM CO.,LTD.(現VIETRY CO.,LTD.)を設立、2013年には(株)アザナを設立して沖縄でのマーケティング支援を本格化した。2018年11月に商号を現社名のブランディングテクノロジー株式会社に変更し、2019年6月には東京証券取引所(以下、東証)マザーズ市場に上場、2022年4月には東証の市場再編に伴い東証グロース市場へ移行した。直近では2023年2月に、品川美容外科などを運営する医療法人社団翔友会と資本業務提携し、医療・美容外科向けマーケティングリサーチ支援サービスを開始している。
ビジネスチャンスとなっている中堅・中小企業のデジタル化
3. 事業環境
同社が主要事業領域としている国内インターネット広告市場は、新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)を経てなお伸びを続けている。なかでも広告制作費や物販系ECプラットフォームを除いたインターネット広告媒体費の伸びは、動画広告やソーシャル広告の伸びに牽引されて大きく伸長した。一方、デジタル化が遅れ、国際的に生産性が低いと言われる中堅・中小企業においても、コロナ禍を機にデジタル化に積極的に取り組む企業が多くなってきた。このため、中堅・中小企業のデジタル化はビジネスチャンスとなっており、同社にとって追い風は強まったということができる。
このような業界動向を予見する動きとして、インターネット広告業界の同社周辺で、同社同様に中堅・中小企業をターゲットとするデジタルマーケティング企業を巨大企業が取り込む再編が起きている。例えば、2021年6月にソフトバンク<9434>がイーエムネットジャパン<7036>をTOBによって子会社化、2022年5月には博報堂DYホールディングス<2433>がソウルドアウト(株)を子会社化し、ソウルドアウトは上場廃止となった。これらの再編により、従来競合であったソウルドアウトやイーエムネットジャパンは親会社の業務を請け負う可能性があり、市場の競争緩和につながると考えられている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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