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ベネフィット・ワンのニュース
■中長期の成長戦略
1. 業績目標
ベネフィット・ワン<2412>は3ヶ年中期経営計画のなかで、「ベネワン・プラットフォーム」などの主力サービスを普及させることで、2024年3月期に売上高606億円、営業利益209億円、営業利益率34.5%の達成を目指す。
なお中期経営計画は、基本的には既存事業のオーガニック成長をベースとしており、M&Aの業績寄与は想定していない。同社は福利厚生関連を中心にサービスサプライヤー等の買収も視野に入れている。グループに取り込むことで利益率改善やクロスセルといったシナジーが期待できる。
またヘルスケア事業ではワクチン接種業務の手配代行を予定しており、福利厚生サービスとの一体化も計画している。コロナワクチンの接種は、福利厚生サービスを導入していない中小企業なども含め、企業の規模を問わず強いニーズが見込まれる。ワクチン関連サービスを福利厚生サービスと一体化させれば福利厚生自体の会員数の増加が見込めるほか、ワクチン関連サービス自体も毎期経常的な収益計上が期待できるため、業績への寄与は大きい。これらを踏まえ、中期経営計画の業績目標の達成確度は高いと弊社では予想する。
事業環境も引き続き良好で、追い風が吹く。働き方改革関連法の制定や、テレワークの推進を受け、企業の規模を問わず従業員の環境改善に向けた取り組みはより加速する見通しだ。情報管理面では、日本版コーポレートガバナンス・コードの適用を皮切りに、今後「人的資本の情報開示」の義務化も見込まれている。人事関連のビッグデータを持つベネワン・プラットフォームは、こうした潮流における重要なデータベースとなる可能性が高く、企業の人事部にとってはDX推進における主要インフラになると予想される。
2. 目指す世界観・成長ポテンシャル
同社はBtoE分野での日本唯一のプラットフォーマーになることを目指す。プラットフォーム上では国内のあらゆるサービスを集約させ、顧客企業が抱える従業員をエンドユーザーとしてサービスを提供する考えである。従業員側はサービスの検索から始まり、申し込み、決済、利用といった一連の流れをプラットフォームにおいてワンストップで行うことができる。サービスの比較検討や個人最適を目指すレコメンドにより、サービス利用の促進を目指している。また、ペイメント事業では、プラットフォームを通じて決済手数料のマネタイズも目指す。
市場規模としても成長ポテンシャルは非常に高く、各サービスにおいて依然として大きな市場が存在する。同社はプラットフォーマーであることから各サービスを統一的に訴求することができ、各市場の取り込みは今後も順調に進展すると弊社は考える。
3. 会員拡大の加速と収益構造の多重化
これらの実現に向け、同社は「プラットフォームの会員拡大の加速」「収益構造の多重化」に注力する。プラットフォームの会員拡大の加速については、従業員の人事・健康データを効率よく管理・活用することでHRDX推進における利便性を高めるほか、HRDXの入り口であるタレントマネジメント機能の無料付帯も訴求する。また、組織を従来のプロダクト別組織から機能別組織に変更したことで、「顧客開拓」「加盟店開拓」「オペレーションの最適化・高品質化」「システム開発・マーケティング・アライアンス」といった各課題解決の効率化を図る。そのほか、外部の労働力活用や業務自動化、既述の大規模なマーケティングも推進することで、従業員会員数1,600万人、家族会員も含めたアクティブユーザー2,000万人を目指す。
収益構造の多重化については、今後の成長戦略のもう1つの柱であるペイメント事業において、給与天引き決済サービスを訴求している。「給与天引き決済サービス」とは、家賃のほか、光熱費、携帯料金、インターネット料金といった従業員にとっての固定費を給与天引きにしていくというものである。同社はサービスサプライヤーから決済手数料を受け取ることで収益を上げる。従来サービスサプライヤーが支払っていた代理店手数料や送客手数料が不要になり、その分を従業員(ベネフィット・ワン会員)に割引価格として還元するため、従業員は理論上最安値でサービスを受けることができる。導入企業のメリットとしては、福利厚生の充実による従業員満足度向上や公平性担保などが挙げられる。従業員のメリットとしては、給与天引きによる節税効果がある。サービスサプライヤーのメリットとしては、販促費を抑えた大口契約への導線獲得や決済コスト削減が挙げられる。このようなメリットを最大限に打ち出し、今後3年間で200万人の顧客と年間利用額1,000億円の決済スキーム確立を目指す。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 石津大希)
<NB>
1. 業績目標
ベネフィット・ワン<2412>は3ヶ年中期経営計画のなかで、「ベネワン・プラットフォーム」などの主力サービスを普及させることで、2024年3月期に売上高606億円、営業利益209億円、営業利益率34.5%の達成を目指す。
なお中期経営計画は、基本的には既存事業のオーガニック成長をベースとしており、M&Aの業績寄与は想定していない。同社は福利厚生関連を中心にサービスサプライヤー等の買収も視野に入れている。グループに取り込むことで利益率改善やクロスセルといったシナジーが期待できる。
またヘルスケア事業ではワクチン接種業務の手配代行を予定しており、福利厚生サービスとの一体化も計画している。コロナワクチンの接種は、福利厚生サービスを導入していない中小企業なども含め、企業の規模を問わず強いニーズが見込まれる。ワクチン関連サービスを福利厚生サービスと一体化させれば福利厚生自体の会員数の増加が見込めるほか、ワクチン関連サービス自体も毎期経常的な収益計上が期待できるため、業績への寄与は大きい。これらを踏まえ、中期経営計画の業績目標の達成確度は高いと弊社では予想する。
事業環境も引き続き良好で、追い風が吹く。働き方改革関連法の制定や、テレワークの推進を受け、企業の規模を問わず従業員の環境改善に向けた取り組みはより加速する見通しだ。情報管理面では、日本版コーポレートガバナンス・コードの適用を皮切りに、今後「人的資本の情報開示」の義務化も見込まれている。人事関連のビッグデータを持つベネワン・プラットフォームは、こうした潮流における重要なデータベースとなる可能性が高く、企業の人事部にとってはDX推進における主要インフラになると予想される。
2. 目指す世界観・成長ポテンシャル
同社はBtoE分野での日本唯一のプラットフォーマーになることを目指す。プラットフォーム上では国内のあらゆるサービスを集約させ、顧客企業が抱える従業員をエンドユーザーとしてサービスを提供する考えである。従業員側はサービスの検索から始まり、申し込み、決済、利用といった一連の流れをプラットフォームにおいてワンストップで行うことができる。サービスの比較検討や個人最適を目指すレコメンドにより、サービス利用の促進を目指している。また、ペイメント事業では、プラットフォームを通じて決済手数料のマネタイズも目指す。
市場規模としても成長ポテンシャルは非常に高く、各サービスにおいて依然として大きな市場が存在する。同社はプラットフォーマーであることから各サービスを統一的に訴求することができ、各市場の取り込みは今後も順調に進展すると弊社は考える。
3. 会員拡大の加速と収益構造の多重化
これらの実現に向け、同社は「プラットフォームの会員拡大の加速」「収益構造の多重化」に注力する。プラットフォームの会員拡大の加速については、従業員の人事・健康データを効率よく管理・活用することでHRDX推進における利便性を高めるほか、HRDXの入り口であるタレントマネジメント機能の無料付帯も訴求する。また、組織を従来のプロダクト別組織から機能別組織に変更したことで、「顧客開拓」「加盟店開拓」「オペレーションの最適化・高品質化」「システム開発・マーケティング・アライアンス」といった各課題解決の効率化を図る。そのほか、外部の労働力活用や業務自動化、既述の大規模なマーケティングも推進することで、従業員会員数1,600万人、家族会員も含めたアクティブユーザー2,000万人を目指す。
収益構造の多重化については、今後の成長戦略のもう1つの柱であるペイメント事業において、給与天引き決済サービスを訴求している。「給与天引き決済サービス」とは、家賃のほか、光熱費、携帯料金、インターネット料金といった従業員にとっての固定費を給与天引きにしていくというものである。同社はサービスサプライヤーから決済手数料を受け取ることで収益を上げる。従来サービスサプライヤーが支払っていた代理店手数料や送客手数料が不要になり、その分を従業員(ベネフィット・ワン会員)に割引価格として還元するため、従業員は理論上最安値でサービスを受けることができる。導入企業のメリットとしては、福利厚生の充実による従業員満足度向上や公平性担保などが挙げられる。従業員のメリットとしては、給与天引きによる節税効果がある。サービスサプライヤーのメリットとしては、販促費を抑えた大口契約への導線獲得や決済コスト削減が挙げられる。このようなメリットを最大限に打ち出し、今後3年間で200万人の顧客と年間利用額1,000億円の決済スキーム確立を目指す。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 石津大希)
<NB>
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